債務整理の全体と選び方 / Q&A

債務整理はオンライン面談でできる?面談が求められる理由と確かめ方

この記事のもくじ
  1. 債務整理のオンライン面談は、決まりの上でどう扱われるか
  2. 面談が求められる理由
  3. オンライン面談で確かめる6つの点
  4. 「オンライン完結」をうたう広告の見方

債務整理の依頼は、オンライン面談で進められる場合がありますが、原則は受任する弁護士・司法書士本人との面談です。日本弁護士連合会の規程は、受任する予定の弁護士が自ら債務者と面談して事情を聞き取ることを求め、面談が難しい特段の事情があるときの例外を置いています。日本司法書士会連合会の指針は「面談」を対面での相談と定め、テレビ電話やウェブ会議は、依頼者に合理的な理由があり、依頼者自身が希望する場合の例外としています。オンラインで頼むときは、「誰と話したか」「なぜオンラインなのか」「説明と書面がそろったか」の3点を確かめます。

債務整理のオンライン面談は、決まりの上でどう扱われるか

弁護士と司法書士では、根拠になる決まりと例外の書き方が違います。

比較表:面談の決まり(弁護士と司法書士)
項目 弁護士(日弁連の規程) 司法書士(日司連の指針)
決まりの名前 債務整理事件処理の規律を定める規程 債務整理事件の処理に関する指針(2025年)
原則 受任する予定の弁護士が自ら面談して聞き取る(3条1項) 受任する予定の司法書士が自ら直接面談する(4条1項)
「面談」の書き方 「自ら面談」。方法の定義は置いていない 対面で直接相談を行うことと定義(2条)
例外の条件 面談に困難な特段の事情があるとき 依頼者に面談できない合理的理由があり、依頼者が希望するとき
例外のときの扱い 電話・書面・メールなどで事情を把握してから受任し、事情がやんだ後、速やかに自ら面談する(3条1項・2項) テレビ電話・ウェブ会議で面談できる。事務所が誘導・強制してはならない(4条2項)
面談で聞くこと 借金の内容、資産・収入・生活の状況、家の処理の希望、意向 借金・資産・収入・生活の状況を具体的に聞き、見通しを説明

司法書士の側は、例外がかなり狭く書かれています。指針の解説は、合理的な理由の例として、離島などで多額の交通費がかかる場合や、災害で交通に問題がある場合を挙げ、司法書士の都合でウェブ面談にしてよいわけではないとしています。会長談話(2025年4月25日)は、司法書士の都合によるウェブ面談は原則認められず、たとえば広告の表示や司法書士の誘導により、依頼者が直接面談を希望しているのにウェブ面談がなされることは認められない、と説明しています。

弁護士の規程は、面談を電話や書面と分けて書いていますが、ビデオ通話が「面談」に入るかどうかは条文に書かれていません。どちらの場合でも、受任する弁護士本人が自分の事情を聞き取り、その弁護士から方針と不利益の説明を受けることが中心になります。規程4条は、不利益の説明を聞き取りをした弁護士が引き続き自ら行うことを原則とし(2項)、続けて行う時間が足りないなどの正当な理由で後日になる場合に、債務者が面談によらない説明を望むときは、電話やメールなどで説明できる、としています(4項・5項)。

面談が求められる理由

面談が重く扱われるのは、債務整理の方針が、借金の額だけでは決まらないからです。

  • 借金の全体が見えないと方針を誤る。 家族に隠している借入れ、家や車のローン、保証人がついた借金を聞き取らないまま進めると、選んだ手続きが合わないことがあります。
  • 不利益の説明は、その人の事情に合わせて行うもの。 弁護士の規程4条は、資格の制限で就けない仕事があること、信用情報に登録されること、不動産などを失う可能性があることを、受任のときに説明するよう求めています。
  • 資格のない業者との区別。 日本司法書士会連合会は、資格のない者のサインの一つに「メールや郵便だけで、会ったことがない」ことを挙げています。

日本司法書士会連合会の指針の解説は、一度も面談せずに受任して終えることは紛争の原因になりうる、とも書いています。オンラインで始めること自体より、本人と話さないまま契約が進むことのほうが問題になりやすい、と考えると分かりやすくなります。

オンライン面談で確かめる6つの点

ビデオ通話で面談を受けるときは、画面の前で次の6つを確かめます。メモを用意し、聞いた答えをその場で書き取ります。

  1. 画面の相手の氏名と資格:「弁護士(司法書士)の○○です」と名乗ってもらい、所属の弁護士会・司法書士会を聞く。通話の後、会員検索で氏名と事務所を確かめる。司法書士なら日本司法書士会連合会の検索で簡裁代理権の有無も見る。
  2. 受任する本人か:今話している人が、実際に受任して交渉や申立てを担当する人か。事務員だけが話す形になっていないか。
  3. なぜオンラインなのか:自分から希望したのか、事務所から「オンラインで完結」と案内されたのか。来所や近くでの面談の選択肢を示されたか。
  4. 本人確認の方法:身分証を画面に映すのか、写しを郵送するのか。画像を送る場合は、送り先が事務所の正式な連絡先か。
  5. 説明の中身:方針と見通し、費用の総額、自分の場合の不利益(信用情報・資格・家や車・保証人)の説明があったか。
  6. 書面の受け取り方:見積もりと委任契約書を、いつ、どの方法で受け取るか。署名の前に読む時間があるか。

面談の冒頭で伝える文例:「始める前に、お名前と所属の弁護士会を教えていただけますか。今日お話しする先生が、受任後も担当してくださる方かも確認させてください。」

弁護士の規程7条は、債務整理を受任した弁護士に、速やかに氏名と法律事務所の所在場所を依頼者へ示すよう求めています。受任の後になっても担当者の名前や事務所の場所が分からないときは、その時点で問い合わせてかまいません。

「オンライン完結」をうたう広告の見方

「任意整理 オンライン 完結」のような言葉で探すと、来所不要をうたう広告が多く見つかります。広告を読むときは、次の決まりを手がかりにします。

  • 通信手段で受任する広告に書くべきこと。 日本弁護士連合会の業務広告に関する規程9条の2は、電話や電子メールなどで受任する場合の広告に、受任する事務の範囲、報酬の種類・金額・算定方法・支払時期、委任契約を解除できることと途中で終わったときの精算方法を表示するよう求めています。この3つが広告や申込みのページに見当たらなければ、申込み前に問い合わせます。
  • 体制がないのに「全国対応」とする表現。 業務広告に関する指針は、債務整理事件処理の規律を定める規程3条(受任前の面談と聴き取り)の義務を果たせる受任体制が整っていないのに、全国の債務整理を受けられるかのように見せる表現を、誤導・誤認のおそれのある広告の例に挙げています。
  • 入力だけで方針が分かるとする表現。 同じ指針は、借入額などを入力するだけで処理方針や減額の見込みが判断できるかのように見せる「借金減額診断」などの表現も、同じ種類の例に挙げています。

LINEで相談や予約をするときの注意は借金のLINE相談は使っていい?LINEでできることと面談の必要性、面談の前の準備は債務整理の無料相談を使うコツ|聞くことと持ち物のチェック表にまとめています。弁護士に依頼した後に自分がすることは債務整理を弁護士に頼むと何をしてくれる?依頼者がすることと流れで確かめられます。依頼した後は、事務所との連絡が途切れないようにすることが大切で、連絡が取れなくなったときに起きることは次の債務整理で弁護士が辞任するのはどんなとき?辞任を防ぐ注意点で扱います。

よくある質問

Q. 仕事が忙しいことは、オンライン面談にしてもらう理由になりますか?

弁護士の規程は「面談することに困難な特段の事情」、司法書士の指針は「面談できない合理的な理由」を例外の条件にしています。どの事情が当たるかは事務所が判断することなので、まず夜間や土曜の面談ができないかを聞き、それも難しいときに事情を伝えて相談します。

Q. オンライン面談のとき、画面に映る相手が本当に弁護士か分かりますか?

画面だけでは分からないので、氏名と所属弁護士会(司法書士なら所属の司法書士会)を聞き、会員検索で確かめます。弁護士の規程は、受任した弁護士に、氏名と事務所の所在場所を依頼者へ示すよう定めています。

Q. 一度もオンラインで話さず、書類のやり取りだけで依頼できますか?

弁護士・司法書士とも、受任する本人が依頼者と面談して事情を聞き取ることを原則としています。弁護士の規程は、面談が難しい特段の事情があるとき、電話や書面で事情を把握して受任し、事情がやんだ後に面談すればよいとしています。司法書士の指針の例外はテレビ電話・ウェブ会議までで、書類だけで済ませる例外は書かれていません。書類だけで進むときは、誰が自分の話を聞いて方針を決めたのかを確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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