自己破産後のクレジットカード|作れるまでの期間と使える代わり
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自己破産のあと、クレジットカードを作れるまでの期間は、信用情報機関に記録が残る期間の「5年」か「7年」が目安です。CICとJICCは免責が確定した日から約5年、銀行系の全国銀行個人信用情報センターは破産手続開始の決定日から7年を超えない期間、記録を持ちます。ただし、記録が消えたあとも、カード会社の審査に通るとは限りません。作れるまでの間は、デビットカードや口座振替で暮らしを回せます。
記録が残る期間:CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター
信用情報機関は3つあり、それぞれ自社の会員から集めた記録を持っています。自己破産の記録の持ち方は、機関で違います。
| 機関 | 記録の持ち方 | 起点 | 期間 |
|---|---|---|---|
| CIC | 官報掲載の破産情報そのものは登録しない。免責が確定すると、登録元が免責で契約が終了した日を契約終了日として登録 | 契約終了日(免責による) | 契約終了日から5年間 |
| JICC | 契約内容・返済状況と、取引事実(債務整理・破産申立など)を別々に登録。2019年10月1日以降の契約は、契約継続中および契約終了後5年以内 | 契約終了日 | 契約終了後5年以内。2019年9月30日以前の契約は発生日から5年以内 |
| 全国銀行個人信用情報センター | 取引情報と、官報に公告された破産・民事再生の手続開始決定(官報情報)を別々に保有 | 取引情報は契約終了日。官報情報は決定日 | 取引情報は5年を超えない期間、官報情報は決定日から7年を超えない期間 |
ポイントは2つです。
- 起点が機関で違う:CICとJICCは、免責の確定にともなう契約の終了日から数えます。全国銀行個人信用情報センターの官報情報は、破産手続開始の決定日から数えます。免責の確定は決定よりあとになるので、同じ「5年」と「7年」でも、消える日の差は見た目より大きくなります。
- 「7年」は官報情報だけ:全国銀行個人信用情報センターは、2022年11月に官報情報の期間を10年から7年に短縮しました。古い解説の「10年」は今の期間ではありません。
筆者の計算で例を置きます。免責の決定が2027年4月1日に確定し、契約終了日もその日なら、CICの記録は2032年4月ごろまで残る見込みです。破産手続開始の決定が2026年12月1日なら、全国銀行個人信用情報センターの官報情報は2033年12月ごろまでです。実際の保有期限は、開示した報告書で確かめます(開示の手順と最新の受付状況は信用情報の開示のやり方にまとめています)。機関ごとの任意整理・個人再生との比較はブラックリストの期間の早見表で見られます。
記録が消えても、審査に通るとは限らない
作れる時期を考えるときに大事なのは、信用情報機関は審査をしないことです。CICは、各クレジット会社が独自の審査基準で審査を行い、CICは審査をしていないので否決された理由は分からないと答えています。JICCも、審査は加盟会員が行い、JICCの信用情報は参考資料の一つとして、加盟会員が自社の審査基準と照合して総合的に判断すると説明しています。情報が0件でも審査に通らない理由を尋ねる質問に、この答えが出ています。
つまり、期間が過ぎたことは「機関の記録が消えた」というだけで、カードを作れる保証にはなりません。機関の記録とは別に、申し込んだ会社が自社の基準で判断するからです。自社との過去の取引をどう見るかも、その判断の中に含まれうると考えておくと、準備しやすくなります。この部分の中身は公表されていません。
審査の手続そのものにも、法律のしばりがあります。割賦販売法30条の2は、包括信用購入あっせん業者(クレジットカード会社)に、カードを渡す前や利用枠を増やす前に、年収、預貯金、債務の支払状況、借入れの状況などを調べて支払可能見込額を算定するよう求めています。この調査には、指定信用情報機関が持つ情報を使わなければなりません。つまり、カード会社は申込みのたびに機関の記録を調べる決まりになっています。記録が残る間に申し込むこと自体は禁じられていませんが、審査で記録が見られるので、通りにくいと考えておきます。
申し込む前に、順番にしておくこと
期間が過ぎたと思ったら、次の順に進めます。
- 3機関で開示する:CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの報告書で、破産に関わる記録が残っていないかを見ます。
- 残高が残っていないか見る:免責後も、登録元が免責を知らないと、残高が残ったまま見えることがあります。残っていたら、免責を確認できる書類をそろえて登録元の会社に更新を頼みます。
- 1社ずつ申し込む:短い期間に何社も申し込むと、申込みの記録が並びます。CICは、申込情報を照会日から6か月保有します。
- 自己破産の対象にした会社は後に回す:機関の記録が消えても、その会社の判断は別です。対象にしていない会社から始めるほうが、判断の材料が少なくて済みます。
- 落ちても理由は聞けない:理由は機関では分からないので、半年ほど空けてから次を考えます。
記録が消えた直後は、利用の履歴がない状態です。最初は利用枠の小さいカードから、遅れずに払う実績を積むのが現実的です。
手続の前に、カードを使いすぎない
破産の手続の前後で、カードの使い方が免責の判断に響くことがあります。松江地方裁判所は、免責不許可事由の例として、現金を得る目的でクレジットカードで買い物をして、その品物をすぐに業者に売ったり質に入れたりした場合を挙げています。すでに返せない状態にあることを隠して信用取引をした場合も、不許可事由です。破産法252条1項2号と5号にあたります。
手続の準備をするときは、次のことを守ります。
- 返せない状態になってから、新しくカードで買い物やキャッシングをしない
- 買ったものを現金に換える行為(現金化)をしない
- カード払いにしている公共料金や携帯料金は、止まる前に口座振替などに切り替える
- ETCカードや家族カードは、本会員のカードが止まると使えなくなることがあるので、先に代わりを用意する
免責不許可の仕組みは自己破産の免責不許可とは?注意する行為と裁量免責の仕組みで整理しています。ほかの債務整理でのカードの扱いは債務整理するとクレジットカードはどうなる?止まる時期と再取得を読んでください。
カードを作れない間の支払い手段
| 手段 | 仕組み | 使いどころ |
|---|---|---|
| デビットカード | 使った時点で預金口座から引き落とされる。全国銀行協会は「多くは無審査」と説明 | 店頭・ネット通販。残高以上は使えない |
| プリペイドカード | 前払式支払手段の一つ。先に入金した範囲で使う | 少額の買い物・使いすぎ防止 |
| 口座振替・払込票 | 決まった日に引き落とす、または用紙で払う | 公共料金・携帯・保険料 |
| ETCパーソナルカード | 保証金(デポジット)を預けて使う高速道路専用のカード | 高速道路の料金 |
ETCパーソナルカードは、高速道路六会社が共同で発行します。申込書の内容の審査があり、デポジットは申告した有料道路の平均利用月額の4か月分(最低3,000円)、年会費は1カード1,257円税込(公式ページの令和8年3月現在の表記。令和8年10月に同じ額を確かめました)です。「審査なし」ではないので、発行元の条件を確かめてください。
後払いではないので、使うほど残高が減るだけで、借金は増えません。ただし、ホテルやレンタカー、一部の継続払いのように、デビットカードを受け付けない支払い先があります。使い分けはブラックリストの間の支払い手段|デビットカード・プリペイドの使い分けで整理します。
よくある質問
Q. 免責が確定しているのに、開示すると残高が残ったままです。どうすればよいですか?
裁判所は免責を債権者に知らせないため、登録元のカード会社などが免責を知らないと、残高が残ったまま見えることがあります。CICは、免責を確認できる書類をそろえて、登録元の会社に更新を頼むよう案内しています。機関ではなく、記録を登録した会社に連絡するのが先です。免責許可の決定書の写しなどを手元に残しておきます。
Q. 自己破産のあと、デビットカードは作れますか?
全国銀行協会は、デビットカードは多くが無審査で、使った時点で預金口座から引き落とされる仕組みだと説明しています。ただし、発行する銀行ごとに条件があり、口座を作れるかどうかは銀行の判断です。申込みの前に、発行元の条件を公式サイトで確かめてください。
Q. 家族カードやETCカードは、どうなりますか?
家族カードやクレジットカードに付いたETCカードは、本会員のカード契約に付いて発行されます。本会員のカードが解約になれば、あわせて使えなくなる扱いにしている会社があり、細かい取扱いは各社の会員規約で違います。自分が本会員なら、使っている家族に先に伝え、ETCは後述のETCパーソナルカードなどに切り替えておきます。
出典・参考にした公的な情報
- 自己破産をするとCICに登録されますか?(CIC よくあるご質問)(株式会社シー・アイ・シー)
- クレジットカードの申込みを断られたのですが、CICで理由はわかりますか?(CIC よくあるご質問)(株式会社シー・アイ・シー)
- CICが保有する信用情報(CIC)(株式会社シー・アイ・シー)
- 信用情報の内容と登録期間(JICC)(株式会社日本信用情報機構)
- 情報が登録されていなかった(0件)のに審査に通りません。なぜですか?(JICC よくあるお問い合わせ)(株式会社日本信用情報機構)
- 登録情報と加盟資格(全国銀行個人信用情報センター)(一般社団法人全国銀行協会)
- 割賦販売法 第30条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 破産法 第252条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 学生も口座があればクレジットカードを持てるのでしょうか?(デビットカードの説明)(一般社団法人全国銀行協会)
- 前払式支払手段(プリペイドカード等)(金融庁)(金融庁)
- ETCカードについて(高速道路六会社 ETC総合情報ポータル)(高速道路六会社)
- 破産・免責手続のあらまし/破産申立書(個人用)等の記入要領(松江地方裁判所)(裁判所)
- 一部情報の登録終了および登録期間の短縮について(全国銀行個人信用情報センター)(全国銀行協会)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。