自己破産 / 用語

自己破産の予納金とは?金額の決まり方と納める時期・分納の確認

この記事のもくじ
  1. 予納金とは:何のための費用か
  2. 同時廃止と管財事件で、予納金はどう違うか
  3. 金額は裁判所ごとに公表されている
  4. 少額管財とは何か
  5. 納める時期と、分けて納められるか
  6. 自分の申立先の予納金を確かめる手順

自己破産の予納金は、破産の手続きにかかる費用として、申立てのときに裁判所へ前もって納めるお金です。破産法は、申立てをするときに裁判所の定める金額を予納しなければならないと定めています(22条)。金額は全国一律ではなく、裁判所が定めて公表しています。同時廃止なら1万円台、管財事件なら最低20万円からが、東京地方裁判所の令和8年1月1日現在の一覧の額です。いくら、いつ、分けて納められるかは、申立先の裁判所の資料で確かめます。

予納金とは:何のための費用か

松江地方裁判所の案内は、予納金を、財産の管理に伴う費用、破産管財人の報酬、官報公告費用などの手続費用にあてるため、あらかじめ納めてもらう現金だと説明しています。

破産法の上では、次の位置づけです。

  • 申立てのとき、裁判所の定める金額を予納する(22条1項)。この決定に不服があるときは、即時抗告ができる(同2項)。
  • 手続費用の予納がないときは、裁判所は破産手続開始の決定をしない(30条1項1号)。
  • 例外として、申立人の資力などを考えて特に必要と認めるときは、裁判所が手続費用を仮に国庫から支弁できる(23条1項)。

つまり予納金は、払えなければ手続きが始まらない費用です。ほかに、収入印紙(破産手続開始の申立て1,000円、免責許可の申立て500円)と郵便切手が別に要ります。印紙と切手を含めた、弁護士費用との合計の考え方は自己破産の費用はいくら?裁判所の費用と弁護士費用の内訳にあります。

同時廃止と管財事件で、予納金はどう違うか

予納金の額は、手続きが同時廃止か管財事件かで大きく分かれます。

手続き 破産管財人 予納金の中身 額の水準(東京地裁・令和8年1月1日現在)
同時廃止 選ばない 官報公告費用 13,046円
管財事件 選ぶ 管財人の費用(引継予納金)と官報公告費用 個人は最低20万円と、1件につき20,397円

財産が少なく、管財人を選んでも手続費用に足りないと裁判所が認めると、開始と同時に手続きが廃止されます(破産法216条1項)。それ以外は管財事件で、管財人が財産を調べ、お金に換え、債権者に配当します。どちらになるかは裁判所の判断で、基準は裁判所ごとに違います。分かれ目は自己破産の同時廃止と管財事件の違い|分かれ目と費用・期間で扱います。

金額は裁判所ごとに公表されている

予納金の額は、申立先の裁判所が公表しています。同じ項目でも、裁判所と資料の日付で額が違います。

各地の裁判所が公表している予納金の例(資料の日付つき)
裁判所(資料の日付) 同時廃止 管財事件(個人)
東京地方裁判所(令和8年1月1日現在) 13,046円 最低20万円と、1件につき20,397円
高松地方裁判所(令和7年4月1日現在) 11,859円 少額管財の自然人は、裁判所予納金15,499円と引継予納金211,000円
札幌地方裁判所(令和6年9月20日) 11,859円 本人申立ての案内(令和6年1月)では、最低20万円以上で一括払いのみ

同時廃止の額が11,859円と13,046円に分かれているのは、資料の日付が違うからです。東京地方裁判所が破産管財人あてに出した令和8年1月の文書は、個人の管財事件の官報公告費用を、令和7年以前の申立ては18,543円、令和8年以降の申立ては20,397円と書いています。官報公告費用は年度で変わるため、古い額が載った記事を見たら、資料の日付を見ます。

予納金は「事案に応じて変更される場合があります」と東京の一覧に書かれています。負債が多い、債権者が多い、事業をしていた、不動産があるといった事情で、額が上がる裁判所もあります。

少額管財とは何か

少額管財は、破産法の用語ではなく、各地の裁判所が運用で使う呼び名です。千葉地方裁判所の一覧には、少額管財は、申立代理人である弁護士と管財人との適切な役割分担という枠組みを使うことで管財人の負担を軽くし、予納金を低くしたものと説明されています。基本事件の管財人引継分は20万円です。高松地方裁判所にも少額管財の欄があります。

東京地方裁判所の一覧には「少額管財」という語は出てきません。個人の管財事件の欄に「最低20万円」と書かれています。「少額管財なら20万円」という説明を見たときは、裁判所の呼び名と、申立代理人が付く前提かどうかを、申立先の一覧で確かめます。

納める時期と、分けて納められるか

納める時期は、申立てのときとされる裁判所が多く、松江地方裁判所は、破産・免責の申立てのときに必要なものとして、同時廃止なら11,859円、管財事件なら20万円以上で裁判所が定める金額を挙げています。札幌地方裁判所は、書類を提出するときに現金1万5000円と印鑑を持参するよう案内しています。東京地方裁判所は、官報公告費用を窓口での現金、銀行振込、電子納付で納められると案内しています。管財事件の引継予納金の納付期限や方法は、申立先の案内に従います。

分けて納められるかは、裁判所ごとに違います。千葉地方裁判所の一覧は「予納金の分割納付の取扱いはしていません」と書き、札幌地方裁判所の案内は、管財事件の費用は最低20万円以上で一括払いのみとしています。東京地方裁判所の費用一覧には、分割納付の記載がありません。

払える見通しが立たないときの手は、自己破産の費用が払えないとき|分割・積立・法テラスの使い分けにまとめています。生活保護を受けている人の管財事件では、東京地方裁判所の文書によると、法テラスが引継予納金20万円などを立て替える制度があります。くわしくは生活保護を受けていても自己破産できる?費用の扱いと流れにあります。

自分の申立先の予納金を確かめる手順

  1. **申立先の地方裁判所を決める。**申立先は原則として債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
  2. その裁判所のウェブサイトで、破産の手続費用の一覧を探す。「破産 手続費用」「予納金」で、裁判所名とあわせて検索します。
  3. **資料の日付を見る。**令和8年の申立てなら、令和8年以降の額を載せた資料かを確かめます。
  4. **同時廃止と管財事件の両方の額を書き出す。**個人用の欄を選び、法人用の欄と取り違えません。
  5. **分割納付の記載と、納付の期限・方法を探す。**記載がなければ、裁判所の窓口か申立てを担当する弁護士に聞きます。
  6. **見積書と合わせて総額を出す。**弁護士に払う分と、裁判所に納める分を合計します。見積書の見方は自己破産の弁護士費用の内訳|着手金・報酬・分割払いと見積書にあります。

裁判所は、破産の申立てをするかどうかなどの相談には応じられません。額の決め方に迷うときは、弁護士や司法書士、法テラスに聞きます。

よくある質問

Q. 古い記事に書かれた予納金の額は、今も使えますか?

そのまま使うのは避けてください。官報公告費用などの改定で、同じ裁判所でも年度によって額が変わっています。東京地方裁判所の一覧では、個人の管財事件の官報公告費用は、令和7年以前の申立てで18,543円、令和8年以降の申立てで20,397円とされています。記事や広告の額は、申立先の裁判所の最新の一覧と照らして確かめてください。

Q. 同時廃止になれば、予納金は少なくて済みますか?

同時廃止の予納金は管財事件より小さいのが通常ですが、どちらになるかは裁判所が判断します。財産が多いと見られれば管財事件になり、予納金は最低20万円の欄に入ります。見通しは、申立てを依頼する弁護士や司法書士に、財産の状況を伝えて聞いてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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