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国民年金が払えないときの免除と納付猶予|申請の流れと将来への影響

この記事のもくじ
  1. 免除・納付猶予・学生納付特例の違い
  2. 所得の目安:自分が当てはまるか
  3. 申請の流れ
  4. 未納のままにするとどうなるか
  5. 払う方法とクレジットカード、国保との関係

国民年金が払えないときは、未納のままにせず、免除・納付猶予・学生納付特例のいずれかを申請します。令和8年度の保険料は月17,920円です。前年の所得が一定の基準以下なら、全額免除や納付猶予が認められる場合があり、失業した人には本人の前年所得を問わない特例もあります。申請先は、住所地の市区町村役場の国民年金窓口、年金事務所、マイナポータルなどです。

免除・納付猶予・学生納付特例の違い

払えないときの制度は3種類あります。内容を表にまとめます(日本年金機構の案内による)。

制度 対象 年金額への反映 受給資格期間
全額免除 本人・配偶者・世帯主の前年所得が基準以下 全額納付の2分の1 入る
4分の3・半額・4分の1免除 本人・配偶者・世帯主の前年所得が基準以下で、一部を納める 8分の5・8分の6・8分の7 入る
納付猶予 20歳以上50歳未満、本人・配偶者の前年所得が基準以下 反映されない 入る
学生納付特例 学生。本人の前年所得が基準以下(家族の所得は問わない) 反映されない 入る
未納 申請も納付もしていない なし 入らない

免除の種類は、全額・4分の3・半額・4分の1の4つです。なお、生活保護の生活扶助を受けている人や障害年金を受けている人は、この申請ではなく「法定免除」の届出になります。任意加入の人は免除・納付猶予を申請できません。一部免除を受けるとき、令和8年度に納める額は、4分の3免除で月4,480円、半額免除で8,960円、4分の1免除で13,440円です。審査には、本人・配偶者・世帯主の前年の所得が使われます。納付猶予は、世帯主の所得は見ず、本人と配偶者の前年所得で審査されます。

所得の目安:自分が当てはまるか

全額免除と納付猶予の所得基準は、「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」です。審査に使う「前年所得」は、2026年7月から2027年6月分の申請なら2025年(令和7年)中の所得です。筆者の計算では、次のようになります。

世帯の状況 前年所得の目安
扶養親族等がいない(本人のみ) (0+1)×35万円+32万円=67万円
扶養親族等が2人 (2+1)×35万円+32万円=137万円

4分の3免除は「88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」、半額免除は「128万円+…」、4分の1免除は「168万円+…」が基準です。学生納付特例の基準は、「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」です。これらの「所得」は収入ではなく、給与なら給与所得控除などを引いたあとの額です。基準を超えるか迷うときは、年金事務所か市区町村の窓口で、前年の所得額を伝えて聞きます。

失業・倒産・事業の廃止などで保険料を納めるのが難しいときは、失業等をした本人の前年所得にかかわらず、免除や納付猶予を受けられる特例があります。ただし、世帯主や配偶者がいる場合は、その人が所得の基準を満たしているか、同じく失業等の特例に当たっている必要があります(日本年金機構の「申請が可能な期間」のページ)。雇用保険の離職票や受給資格者証のコピーなどを添えて申請します。

早見表:国民年金が払えないときの制度の選び方

学生 → 学生納付特例/20〜49歳で所得が低い → 納付猶予または免除/失業・事業の廃止 → 特例免除/1歳未満の子を育てている → 育児免除。

申請の流れ

申請は、次の順番で進めます。

  1. 前年の所得と、世帯の状況(世帯主、配偶者)を確かめる。
  2. 申請書を、市区町村の国民年金窓口、年金事務所、またはマイナポータル(電子申請)で出す。郵送もできる。
  3. 失業による特例なら、離職票や受給資格者証のコピーを付ける。学生なら、学生証のコピーなどを付ける。
  4. 審査の結果の通知を待つ。承認されれば、その期間の保険料は免除または猶予になる。

免除等の「年度」は7月から翌年6月です。原則として毎年度の申請が必要で、全額免除と納付猶予は、継続審査の希望を出せる場合があります。申請できるのは、納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1か月前まで)です。申請期限は納付期限の2年後です。日本年金機構の一覧では、たとえば令和6年10月分(納付期限は令和6年12月2日)の申請期限は令和8年12月2日(水)です。期限を過ぎた月は、免除を申請できません。保険料が未納のままの月でも、期限内なら申請できます。

文例:「国民年金の保険料を払うのが難しい状況です。免除か納付猶予の申請をしたいので、必要な書類と手続きを教えてください。前年の所得は○万円で、現在は○○です。」

育児中の人には、2026年10月から新しい免除があります。1歳になるまでの子を養育する第1号被保険者は、届出により所得にかかわらず保険料が免除され、免除期間は納付したものとして老齢基礎年金に反映されます。令和8年10月1日以降の月分が対象で、第3号被保険者や任意加入の人は対象外です。

未納のままにするとどうなるか

払えないまま何も手続きをしないと、次のような影響が出ます。

  • 障害基礎年金・遺族基礎年金:初診日(死亡日)の月の前々月までの被保険者期間のうち、納付済み期間と免除期間の合計が3分の2未満だと、受けられない場合があります。また、その月の前々月までの1年間に未納があるときも受けられない場合があります(日本年金機構の案内)。特例もあるので、細部は年金事務所で確かめます。病気や事故のあとに過去の分の免除を申請しても、障害基礎年金の納付要件には算入されません。
  • 老齢基礎年金:受給資格期間が10年以上必要で、未納は期間に入りません。
  • 督促と差し押さえ:督促状が出され、期限(督促状を発する日から10日以上後)を過ぎると、国税滞納処分の例により財産を差し押さえられる場合があります(国民年金法96条)。保険料の徴収権は2年で時効になりますが、督促で更新されます(同法102条)。

未納の人には、日本年金機構が納付勧奨を行い、電話や文書による案内は民間事業者に委託されています。電話や封書が来たとき、不安なら、年金事務所に確かめます。免除が承認された期間の保険料は、10年以内なら後から納める「追納」で、年金額に反映できます(国民年金法94条)。

払う方法とクレジットカード、国保との関係

保険料の納付方法は、納付書、口座振替、クレジットカード、スマートフォンアプリ、ねんきんネットを使った納付の5つです。手数料はどの方法でもかかりません。日本年金機構は口座振替を一番おトクな方法としていますが、市区町村の窓口では保険料を納められず、年金事務所の窓口も原則として領収を行っていません。納付が年金記録に反映されるまでの目安は、次のとおりです(日本年金機構の案内)。

納付方法 反映までの目安
電子納付(ペイジー) 2営業日後
金融機関、郵便局の窓口 3〜4営業日後
口座振替 7〜8営業日後
スマートフォンの決済アプリ 10〜16営業日後
コンビニエンスストアでの現金納付 12〜16営業日後

クレジットカードで払うには、年金事務所に申出書を出します。保険料が一部免除(4分の3・半額・4分の1)になった人は、カードで払えません。納期限を過ぎた過去の未納分をカードで払う方法は日本年金機構の案内に書かれていないので、滞納分は納付書で払えるかを年金事務所に確かめます。

国民健康保険料も払えない場合は、窓口が別です。 国民健康保険料が払えないとき|減免・分割と医療を受けるときの扱い を、あわせて読んでください。年金保険料も、自己破産では免責されない支払いです。 税金の滞納は自己破産や債務整理で減らせる?非免責と役所への相談 で、免責されない理由と相談の順番を確かめられます。

年金保険料の督促から差し押さえまでの考え方は税金と近く、住民税の分納の相談は 住民税が払えないとき|分割と減免の相談・退職後の注意 と同じ形で進みます。生活費そのものが足りない場合は 生活費が足りないときの公的な相談先|家計改善支援と住居確保給付金 も確かめてください。

よくある質問

Q. 国民年金を払えないとき、未納のままでも大丈夫ですか?

未納のままだと、老齢基礎年金の受給資格期間に入らず、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けられない場合があります。免除や納付猶予が承認された期間は、受給資格期間に入ります。払えないときは、未納にせず申請します。

Q. 免除の申請は、過去の分にさかのぼってできますか?

納付期限から2年を経過していない期間は、さかのぼって申請できます。申請時点から2年1か月前までが目安です。ただし、病気や事故のあとに申請しても、その時点の納付要件には算入されません。

Q. 国民年金と国民健康保険の両方が払えないとき、どちらを先にしますか?

順番を決める前に、手元の通知に書かれた期日を確かめます。年金は免除や納付猶予の申請で保険料を軽くまたはなくせ、国保は軽減・減免や分割の相談になります。窓口が別なので、督促や差し押さえの予告が来る前に、それぞれへ連絡します。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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