生活費が足りないときの公的な相談先|家計改善支援と住居確保給付金
この記事のもくじ
生活費が足りないときの公的な相談先は、**住んでいる地域の「自立相談支援機関」**です。生活困窮者自立支援制度の窓口で、仕事・住まい・家計の困りごとをまとめて相談でき、家計を一緒に見直す家計改善支援や、家賃相当額を支給する住居確保給付金につないでもらえます。今日の食べ物や今夜の住まいに困っているときも、まずここか、市区町村の福祉事務所に連絡します。
いま、死にたいほど追い詰められているときは、借金や家計の話より先に、#いのちSOS(0120-061-338、毎日24時間)に電話してください。ほかの相談先は借金で死にたいと思ったときの24時間の相談先にまとめています。
生活費が足りないときの相談は、自立相談支援機関から
生活困窮者自立支援法は、支援の対象となる「生活困窮者」を、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者と定めています(3条1項)。「おそれのある者」とあるとおり、まだ生活が破綻していない段階から相談できます。借金があることは対象から外す条件になっていません。
困りごとの中身によって、使う窓口と制度は次のように分かれます。迷ったら、まず自立相談支援機関に話せば、ほかの窓口にもつないでもらえます。
| 困りごと | 主な窓口 | 使える制度・支援 |
|---|---|---|
| 毎月赤字で、何から手をつければよいか分からない | 自立相談支援機関 | 自立相談支援、家計改善支援 |
| 仕事を失った・収入が大きく減り、家賃が払えない | 自立相談支援機関 | 住居確保給付金、就労の支援 |
| 今の収入や資産では最低限の生活もできない | 市区町村の福祉事務所(生活保護の担当) | 生活保護 |
| 一時的にまとまったお金が必要 | 市区町村の社会福祉協議会 | 生活福祉資金貸付制度 |
| 借金の返済が苦しく、借入が複数ある | 財務局の多重債務相談窓口など | 借金の整理の相談、専門家への橋渡し |
財務局などの借金の窓口の番号と受付時間は借金の公的な相談窓口と受付時間、公的な貸付の対象と窓口はお金を借りるなら公的機関からという場合の生活福祉資金、生活保護と借金の関係は借金があっても生活保護は受けられるかで扱っています。
生活困窮者自立支援制度で受けられる7つの支援
厚生労働省の制度の案内では、次の支援が並んでいます。自治体によって実施していない事業もあるので、使えるかは窓口で確かめます。
| 支援 | 中身(厚生労働省の説明の要点) |
|---|---|
| 自立相談支援 | 支援員が相談を受け、一人ひとりに合った支援プランを一緒に作る |
| 住居確保給付金 | 離職などで住まいを失った人、失うおそれの高い人に、就職に向けた活動などを条件に一定期間、家賃相当額を支給 |
| 就労準備支援 | すぐに働くのが難しい人に、原則1年の間、基礎能力を養いながら就労に向けた支援 |
| 家計改善支援 | 家計の「見える化」と課題の把握、支援計画の作成、関係機関へのつなぎ、必要に応じて貸付のあっせん |
| 就労訓練 | その人に合った作業の機会を提供しながら、中・長期で一般就労に向けて支援(いわゆる中間的就労) |
| 子どもの学習・生活支援 | 子どもの学習支援、居場所づくり、進学や高校中退防止の支援 |
| 居住支援 | 住まいのない人などに、一定期間、宿泊場所や衣食を提供し、退所後の自立も支援 |
この中で、生活費が足りない人に関わりが深いのが家計改善支援と住居確保給付金です。
家計改善支援でしてもらえることと、相談の流れ
家計改善支援は、法律では「収入、支出その他家計の状況を適切に把握すること及び家計の改善の意欲を高めることを支援するとともに、生活に必要な資金の貸付けのあっせんを行う事業」と定められています(3条5項)。厚生労働省の説明でも、家計の「見える化」に加えて根本的な課題を把握し、関係機関へのつなぎまで行うとされています。家計簿のつけ方を教わるだけの場ではなく、家計を圧迫している原因を一緒に探し、必要な窓口へ渡してもらえるのが特徴です。
相談のおおまかな流れは次のとおりです。
- 自立相談支援機関に電話か来所で相談を申し込む
- 支援員と面談し、収入・支出・滞納・借金の状況を話す
- 家計表などで家計を「見える化」し、課題を整理する
- 支援計画を作り、必要なら役所の担当課・社会福祉協議会・法律の専門家などにつなぐ
- 計画に沿って、定期的に家計の状況を一緒に確かめる
相談のときに持っていくと話が早いもの:
- 収入が分かるもの(給与明細、年金の通知、手当の通知)
- 通帳と、カード・ローンの利用明細
- 家賃・公共料金・税金の請求書や督促状
- 借入先と残高を書き出したメモ(分かる範囲でよい)
全部そろわなくても相談はできます。家計の記録をつけ始めたい人は借金返済中の家計簿のつけ方、FPの相談との違いは家計の立て直しの相談はFPと公的窓口どちらがよいかを参考にしてください。
住居確保給付金の要件と支給期間
住居確保給付金は、家賃が払えなくなりそうなときに、自治体から家主や不動産仲介業者などへ家賃相当額を直接支払う制度です。厚生労働省の制度概要では、主な要件が次のように示されています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 離職などの状況 | 主たる生計維持者が、離職・廃業後2年以内である、または個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減っている |
| 収入 | 直近の月の世帯収入が、市町村民税の均等割が非課税となる額の12分の1(基準額)と家賃(上限あり)の合計を超えない |
| 預貯金 | 世帯の預貯金の合計が、市区町村が定める額(基準額の6か月分。ただし100万円を超えない額)を超えない |
| 求職活動 | ハローワークなどに申し込んで求職活動を行うこと(自営業の方は経営の改善に取り組むことで可となる場合もある)。面接や応募の回数などの具体的な基準は、自治体の窓口で確かめる |
支給額は市区町村や世帯の人数で違い、生活保護の住宅扶助額が上限です。世帯収入が基準額を超える場合は「基準額+家賃額−世帯収入額」が支給されます。支給期間は原則3か月、延長は2回までで最大9か月です。
また、生活困窮者自立支援法3条3項2号は、収入が著しく減少して家賃を払うのが難しくなった人のうち、家計を改善するために新たな住居を確保する必要があると認められる人も、住居確保給付金の対象として定めています。厚生労働省の案内(住居確保給付金のご案内)では、これが「転居費用の補助」にあたり、収入が大きく減り、家賃が安い住宅に転居する必要がある人に、家計改善の支援のなかで転居によって家計が改善すると認められることなどを要件に、転居に要する費用を支給するとされています。収入と資産の要件は家賃の補助と同じで、転居先の家賃が今より多少高くても、通院先に近く交通費が安くなるなどして家計全体が改善すれば対象になる可能性がある、という説明です。上限があることと、敷金・前家賃などは補助の対象外であることも案内されているので、使えるかどうかと支給の中身は自立相談支援機関で聞いてください。家賃の滞納がすでに始まっている場合の大家への伝え方は家賃滞納の相談先と公的な支援で扱っています。
窓口の探し方と、最初の電話で伝えること
自立相談支援機関の場所は自治体ごとに違い、役所の外に窓口がある地域もあります。探し方は次のどれかです。
- 厚生労働省が案内する「生活困窮者支援情報共有サイト」の窓口一覧で、都道府県・市区町村を選ぶ
- 市区町村の役所の代表番号に電話し、「生活困窮者自立支援の相談窓口につないでほしい」と伝える
- 一覧に載っていないときは、都道府県や市区町村の福祉の担当課に聞く
生活保護の相談・申請の窓口は、住んでいる地域を担当する福祉事務所の生活保護担当で、福祉事務所を置いていない町村では町村役場でも申請できます。厚生労働省の説明では、事前の相談で制度の説明を受け、他の社会保障施策の活用も一緒に検討します。
最初の電話では、うまく話そうとしなくてかまいません。次のように、状況を短く伝えれば十分です。
文例:「生活費が足りなくて、家賃と借金の返済も遅れそうです。どこに相談すればいいか分からないので、話を聞いてもらえる窓口を教えてください。」
文例:「先月仕事を辞めて、来月の家賃が払えそうにありません。住居確保給付金のことを相談したいです。」
電話がつらいときは、役所の窓口に直接行って同じことを伝えても大丈夫です。一人で家計の穴を埋めようとして借入を重ねる前に、公的な窓口で道筋を一緒に考えてください。
よくある質問
Q. 借金があっても自立相談支援機関に相談できますか?
生活困窮者自立支援法は、支援の対象を「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」と定めていて、借金があることを対象から外す条件は書かれていません。借金の返済が生活を圧迫していることも、家計の困りごととしてそのまま話せます。
Q. 市役所に行けばいいのか、どこに行けばいいのか分かりにくいです。
自立相談支援機関の場所や窓口の名前は自治体によって違います。市役所の福祉の担当課に「生活困窮者自立支援の相談窓口はどこですか」と聞くか、厚生労働省が案内する窓口一覧のサイトで住んでいる市区町村を探すと早く見つかります。
Q. 生活保護を申請する前に、ほかの制度を使い切らないといけませんか?
厚生労働省の説明では、福祉事務所での事前の相談で、生活保護制度の説明を受けながら他の社会保障施策の活用も検討する流れになっています。何を先に使うかは窓口で一緒に考えるもので、自分だけで判断して申請をあきらめる必要はありません。
出典・参考にした公的な情報
- 生活困窮者自立支援法 第3条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 生活困窮者自立支援制度(厚生労働省)
- 住居確保給付金 制度概要(厚生労働省)
- 住居確保給付金のご案内(家賃の補助・転居費用の補助)(厚生労働省)
- 生活保護制度(厚生労働省)
- 生活福祉資金貸付制度(厚生労働省)
- まもろうよ こころ(相談窓口)(厚生労働省)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。