借金の基本・返せないとき / 手順

借金返済中の家計簿のつけ方|アプリと手書きで続ける管理のコツ

この記事のもくじ
  1. 借金返済中の家計簿は「返済を先に引く」型でつける
  2. 記録するのは5つの項目だけ
  3. アプリ・表計算・手書きの選び方
  4. 月末の締めと見直しの手順
  5. 続かないとき・家計簿の提出を求められるとき

借金返済中の家計簿は、**手取りから返済額を家賃と同じ固定費として先に引き、残りで暮らす「先に引く型」**でつけると、赤字の原因と返せる余力がはっきりします。記録する項目は「日付・費目・金額・払い方・メモ」の5つで足ります。アプリでも手書きでも、続けられる方を選べばよく、大事なのはカード払いや後払いを使った日に書くことと、月末に残高と照らし合わせることです。以下で、見本の家計表、つけ方の手順、道具の選び方、続かないときの工夫を順に紹介します。

借金返済中の家計簿は「返済を先に引く」型でつける

ふつうの家計簿は、収入から使ったお金を引いていき、残りを見る形です。返済中にこの形でつけると、返済は月末の引き落としで後から出ていくため、月の途中では使えるお金が実際より多く見えます。そこで、月の初めに返済額を固定費として引いてしまい、残りを生活費の予算として扱います。

見本:返済額を固定費として先に引いた1か月の家計表(筆者の例)
区分 費目 予算
収入 手取り 220,000円
固定費 返済(A社カードローン) 25,000円
固定費 返済(B社カードのリボ) 20,000円
固定費 家賃 65,000円
固定費 光熱費 12,000円
固定費 通信費 8,000円
固定費 保険料 7,000円
固定費の合計 137,000円
生活費の予算(手取り−固定費) 83,000円
変動費 食費 42,000円
変動費 日用品 8,000円
変動費 交通費 6,000円
変動費 医療・予備 10,000円
変動費 交際・娯楽 7,000円
先取り 手元資金への積み立て 10,000円
※数字は作り方を示す筆者の例。変動費と先取りの合計は83,000円で、生活費の予算と一致する(検算済み)。

この型の利点は3つあります。1つ目は、返済額が手取りの何割を占めているかが一目で分かることです。見本では返済4万5千円が手取りの約2割です。2つ目は、生活費の予算が月の初めに決まるので、使える残りが毎日見えることです。3つ目は、「手元資金への積み立て」を返済と同じように先に取り分けられることです。どれだけ手元に残してから繰り上げに回すかの考え方は、借金返済と貯金はどちらを優先するかで計算例とともに扱っています。

記録するのは5つの項目だけ

項目を増やすほど、記録は面倒になって続きません。返済中の家計簿に必要なのは次の5つです。

項目 書き方 返済中に大事な理由
日付 使った日 給料日前に偏っていないかが分かる
費目 食費・日用品など10個以内 予算を超えた費目を特定する
金額 100円単位の切り上げでもよい 月末の残高との照合に使う
払い方 現金/口座/カード/後払い 来月以降の請求になる支出を見落とさない
メモ 「急な出費」「つきあい」など一言 毎月起きる出費か、一度きりかを見分ける

とくに「払い方」の列が、返済中の家計簿の要です。カード払いやスマートフォンの後払いは、使った月には口座のお金が減らないので、現金だけを記録していると家計が黒字に見えます。翌月の引き落としで初めて赤字が出てくると、足りない分をまた借りる流れになりやすいため、カードや後払いで払った分も使った日にその月の支出として書きます。

費目は、見本のように10個以内に絞ります。細かく分けるより、「どの費目が予算を何円超えたか」が毎月比べられることの方が大切です。家計簿とは別に、借入先・残高・金利・返済日を並べた借入一覧を1枚作り、毎月の締めで残高を書き換えます。

アプリ・表計算・手書きの選び方

道具は、続けられるものが一番です。それぞれの向き不向きを比べます。

道具 向いている人 気をつけること
銀行口座やカードと連携するアプリ 入力が面倒で続かなかった人 連携の設定で金融機関のログイン情報を預ける仕組みのものがある。提供会社と取り扱いを確かめる。現金払いは手で足す
手入力の家計簿アプリ スマートフォンをいつも持ち歩く人 費目を初期設定のまま使うと多すぎるので、10個以内に減らす
表計算(スマートフォンやパソコン) 返済の残高や利息も一緒に管理したい人 合計の式が崩れていないか、月に一度確かめる
手書きのノート 画面より紙の方が頭に入る人 レシートをためずに、その日か翌日には書く

どの道具でも、レシートをその場で写真に撮っておくと、書き忘れた日に後からまとめて記録できます。返済の管理に使う道具の選び方と、借入一覧に入れる項目は借金返済アプリや表計算で管理するときの選び方でさらに詳しく扱っています。

月末の締めと見直しの手順

家計簿は、つけるだけでなく月末に締めることで役に立ちます。次の5つを、毎月同じ日(給料日の前日など)に15分ほどで行います。

  1. 口座と財布の残高を、家計簿の計算上の残高と照らし合わせる:差が大きければ、通帳とカードの明細で書き漏れを探す。
  2. 費目ごとの合計を出し、予算との差を書く:超えた費目に印をつける。
  3. カード・後払いの来月の請求額を確かめる:家計簿の「払い方」の列と、カード会社の利用明細が合っているかを見る。
  4. 借入一覧の残高を書き換える:返済後の残高を、会員ページや明細で確かめて書く。残高が思ったほど減っていなければ、利息の割合が大きいということです。
  5. 翌月の予算を決める:超えた費目は、原因が一度きりか毎月かで扱いを変える。毎月なら予算を増やし、別の費目を削る。

3か月続けると、毎月決まって超える費目と、たまたま超えた費目の区別がつくようになります。食費が毎月超えるなら予算の方が実態に合っていないので、固定費の見直し(通信費・保険料など)で生活費の予算を広げる方が現実的です。固定費から見直す順番は赤字家計の立て直し方で紹介しています。

続かないとき・家計簿の提出を求められるとき

家計簿が続かない理由は、入力の手間か、赤字を見るのがつらいかのどちらかであることが多いものです。手間が理由なら、費目を減らす、連携アプリに替える、1日1回まとめて書くことにする、で軽くできます。赤字を見るのがつらいなら、赤字の原因が自分の使い方より返済額の大きさにあることも少なくありません。見本の表で返済が手取りの3割、4割を占めているなら、やりくりの工夫だけで埋めるのは難しくなります。

家計を誰かと一緒に見たいときは、自治体の自立相談支援機関が行う家計改善支援を使えます。生活困窮者自立支援法3条5項は、これを収入・支出などの家計の状況を把握し、家計の改善の意欲を高めることを支援する事業と定めています。厚生労働省の説明では、家計状況の「見える化」と根本的な課題の把握、支援計画の作成、関係機関へのつなぎ、必要に応じた貸付のあっせんを行い、相談者が自分で家計を管理できるように支えるとされています。FPに頼む場合との違いは家計の立て直しの相談はFPと公的窓口どちらがよいかで比べています。

自己破産や個人再生を申し立てるときは、家計の収支を書いた書類を出します。書式や何か月分かは申立先の裁判所に問い合わせることになっているので、ふだんから家計簿をつけておくと下書きに使えます。手続きごとの書き方は個人再生の家計簿の付け方と自己破産の家計簿と必要書類で扱っています。

よくある質問

Q. 家計簿は1円単位で正確につけないと意味がありませんか?

返済中の家計簿で大事なのは、毎月の赤字か黒字か、どの費目が予算を超えたかが分かることです。100円単位の切り上げや、レシートのない小さな出費を「雑費」にまとめても、月末の残高と大きくずれなければ役目は果たせます。ずれが大きい月だけ、通帳やカードの明細で原因を探します。

Q. クレジットカードで払った分は、引き落としの月に書くのですか?

返済中の家計簿では、カードで払った日にその月の支出として書くことをすすめます。引き落としの月に書くと、使った月の家計は黒字に見え、翌月以降に赤字が後から出てくるため、使いすぎに気づくのが1〜2か月遅れます。

Q. 家族と同じ家計簿を使った方がいいですか?

家計を一緒にしているなら、少なくとも固定費と返済額の欄は共有すると、誰の支出で予算を超えたかの話がしやすくなります。借金のことを家族に話していない場合は、まず自分の分だけの記録から始め、話す時期は別に考えてかまいません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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