借金の基本・返せないとき / 比較

借金返済アプリや表計算で管理するときの選び方と記録すべき項目

この記事のもくじ
  1. 借金返済アプリに必要な機能のチェック表
  2. アプリの種類と表計算:どれを借入の管理に使うか
  3. 記録すべき項目と、明細から写す手順
  4. 表計算で作るときの式の例

借金返済アプリは、①複数の借入先を登録できる、②借入先ごとに年利を入れて利息を計算できる、③返済日の前に通知が来る、④繰り上げ返済や追加の借入れを反映して残りの期間を計算し直せる、の4つを満たすかで選びます。借入先が2〜3社で毎月同じ額を返しているならアプリで足ります。返済方式が残高で変わる、ボーナス月に多く返す、家族の分も一緒に管理するなど条件が複雑なら、明細に合わせて式を直せる表計算のほうが向いています。特定のアプリの順位はつけず、選ぶときに確かめる点を並べます。

借金返済アプリに必要な機能のチェック表

チェック表:借金返済アプリを選ぶときに確かめる機能
機能 なぜ要るか 確かめ方
複数の借入先の登録 借入先ごとに年利と返済日が違う 無料版で登録できる件数を見る
年利(実質年率)の入力 利息の額と完済時期を出す 借入先ごとに別の率を入れられるか
返済方式の選択 元利定額・元金定額・残高スライドで計算が変わる 自分の契約の方式が選べるか
返済日の通知 遅れると遅延損害金がかかる 何日前に通知できるか、複数設定できるか
繰り上げ・追加借入の反映 残高が変わると完済時期も変わる 臨時の入金や借入れを1件ずつ入れられるか
実際の残高での上書き 計算と明細のずれを直す 残高を手で修正できるか
データの書き出し 機種変更や相談のときに使う 表の形式で書き出せるか
借入れの広告の有無 返済中に借り直すきっかけになりうる 画面にカードローンなどの広告が出ないか

最低限必要なのは上の4行です。下の4行は、使い始めてから困りやすい点です。特に残高の上書きは大切で、アプリの計算は日数や端数の扱いが契約と少し違うだけで、月ごとにずれが積み重なります。毎月1回、会社の明細の残高に合わせ直せるアプリを選ぶと、ずれが大きくなる前に止められます。

銀行口座やカードと連携して自動で記録するタイプは手間が減る一方で、ログインの情報を預けることになります。連携するなら、運営する会社、データの扱い、連携を解除する方法を利用規約とプライバシーポリシーで読んでから決めます。連携しないで、明細を見て手で入れる使い方でも、月に1回なら負担は大きくありません。

アプリの種類と表計算:どれを借入の管理に使うか

道具は大きく3種類あります。1つ目は家計簿アプリで、収入と支出を日々記録する道具です。借入先ごとの年利や残高を持てないものが多く、借金の管理には向きません。2つ目は返済専用のアプリで、借入先ごとに年利と返済方式を入れ、完済の時期を出します。3つ目は表計算で、式を契約に合わせて直せるので、ボーナス返済や不規則な入金にも対応できます。

アプリは通知で返済日を知らせてくれますが、方式が契約と合わないと計算がずれます。表計算は通知がないので、スマホのカレンダーで補います。通知だけをアプリやカレンダーに任せ、残高と利息の記録は表計算で持つ組み合わせもあります。相談のときは、表計算の一覧をそのまま印刷できると話が早く進みます。日々の家計簿との道具の比べ方は借金返済中の家計簿のつけ方の表にまとめました。

記録すべき項目と、明細から写す手順

アプリでも表計算でも、記録する項目は同じです。借入先ごとに、次の項目をそろえます。

  1. 借入先の名前と、契約番号の末尾など自分で区別できる印
  2. 最初に借りた日と、借りた元本の額
  3. 年利(貸付けの利率)と、遅延損害金の利率
  4. 返済方式と、毎月の返済日
  5. 毎月の約定の返済額
  6. 返済した日と、実際に返した額
  7. そのうち利息に充てられた額と、元本に充てられた額
  8. 返済後の残高
  9. 手数料など、返済とは別にかかったお金

1〜5は契約書から写します。貸金業者は契約のときに渡す書面に、貸付けの金額、利率、返済方式、返済期間や回数、遅延損害金の定めなどを書くことになっています(貸金業法17条)。6〜8は毎月の受取証書や利用明細から写します。貸金業者は返済を受けるたびに、受け取った額と、利息・遅延損害金・元本への充て方を書いた受取証書を渡すことになっており、預金口座への払込み(振込など)で払った場合は請求すれば交付されます(同法18条)。

忘れている借入れがありそうなら、信用情報を開示すると、登録されている契約の一覧が分かります。申込み方は信用情報の開示のやり方にまとめています。借入先ごとの一覧ができたら、返す順番を決める作業に進みます。順番の決め方は借金の返済計画の立て方と借入一覧の作り方で説明しています。

表計算で作るときの式の例

表計算で管理する場合は、1行を1回の返済にして、次のような列を作ります。

列 中身 入れる式の例
A 返済日 日付を入れる
B 返済前の残高 前の行の返済後の残高(H列)を参照
C 前回からの日数 今回の返済日−前回の返済日
D 年利 0.18 のように小数で入れる
E 利息 =ROUNDDOWN(B2D2/365C2,0)
F 返済した額 明細の額を入れる
G 元本に充てた額 =F2-E2
H 返済後の残高 =B2-G2

利息の列は「残高×年利÷365×日数」で、円未満を切り捨てる例です。切り捨てか四捨五入かは契約によって違うので、最初の数か月はE列の計算と明細の利息を見比べ、合うように直します。払ったお金は先に手数料と利息に充てられるので、G列の元本は「返した額−利息−手数料」として計算するのが実際の明細に近い形です(充当の順序は借金の利息の計算方法で説明しています)。手数料がある月は列を1つ足して引きます。

毎月の明細と比べて利息がずれるときの確かめ方は、借金の利息の計算方法と日割りの式で説明しています。完済までの月数を先に見通したいときは借金返済シミュレーションのやり方が、返済を家計全体の中で管理したいときは借金返済中の家計簿のつけ方が役に立ちます。友人や家族から借りたお金を返している場合は、アプリの記録だけでなく受け取った側の書面も残しておくと、後で食い違いが起きにくくなります。書面の作り方は個人間の借金返済の領収書の書き方にまとめています。

よくある質問

Q. 無料の借金返済アプリでも管理できますか?

借入先が少なく、毎月同じ額を返しているなら、無料の範囲で足りる場合があります。無料版で登録できる借入先の数や、通知・書き出しの機能が制限されていないかを先に確かめます。有料版に切り替えるのは、無料版で困る点がはっきりしてからで十分です。

Q. アプリの残高と、会社の明細の残高がずれるのはなぜですか?

アプリが毎月を同じ日数で計算していたり、返済方式が実際の契約と違う設定になっていたりすると、利息の額がずれます。途中の追加の借入れや、ATMの手数料を入れ忘れている場合もあります。ずれたときは明細の残高を正しい値として上書きし、翌月からはその値を起点に計算させます。

Q. 家計簿アプリと借金の管理は分けたほうがよいですか?

家計簿は「毎月いくら返済に回せるか」を出す道具、借金の管理は「どの借金がいつ終わるか」を見る道具で、役割が違います。1つのアプリで両方できれば便利ですが、借入先ごとの年利や残高を細かく扱えないなら分けたほうが見やすくなります。家計簿の付け方は借金返済中の家計簿の記事にまとめています。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

借金の返済計画の立て方|借入一覧の作り方と返す順番の決め方

借金返済中の家計簿のつけ方|アプリと手書きで続ける管理のコツ

借金返済シミュレーションのやり方|利息と完済までの期間を計算

個人間の借金返済の領収書の書き方|残す項目とテンプレート