借金の基本・返せないとき / 手順

借金の返済計画の立て方|借入一覧の作り方と返す順番の決め方

この記事のもくじ
  1. 借入先一覧を作る:計画の土台になる6つの項目
  2. 毎月の返済に回せる額を決める
  3. 返す順番を決める:2つの方法を計算で比べる
  4. 計画表にして毎月見直す
  5. 計画が立たないときは一覧を持って相談する

借金の返済計画は、「借入先の一覧を作る」「毎月返済に回せる額を決める」「多めに返す順番を決める」の3つで立てられます。返す順番には、金利の高い借金から返す方法と、残高の小さい借金から返す方法があり、筆者の計算では、利息の総額は前者がやや少なく、完済できる会社の数が早く増えるのは後者でした。この記事では、一覧の見本、2つの返し方の比較、計画が立たないときの相談先を順に紹介します。

借入先一覧を作る:計画の土台になる6つの項目

計画の最初の一歩は、すべての借金を1枚の表に並べることです。次の6つの項目をそろえます。

  1. 業者名と種類:カードローン、クレジットカードのリボ払い、キャッシング、家族からの借金など。
  2. 残高:会員ページや最新の利用明細で、今日時点の残高を見る。
  3. 金利(年率):契約書や会員ページの「貸付利率」「手数料率」の欄。
  4. 返済日:毎月何日に引き落とし・振り込みが必要か。
  5. 最低返済額:今月払わなければならない額。
  6. 遅れの有無:遅れている回数と、届いている督促状の有無。

貸金業者は、契約のときに利率や返済方式を書いた書面を渡すことになっています(貸金業法17条)。書面が見当たらないときは、会員ページで契約内容を確かめるか、業者の帳簿(取引の記録)の閲覧や写しを請求することができます(貸金業法19条の2)。金利が利息制限法の上限(元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)を超えていないかも、このとき確かめます。

借入先一覧の見本(この記事の計算例で使う3社)
業者名・種類 残高 金利(年率) 返済日 最低返済額 遅れ
A社カードローン 40万円 18% 毎月27日 11,000円 なし
B社クレジットカードのリボ払い 20万円 15% 毎月10日 6,000円 なし
C社キャッシング 8万円 20% 毎月5日 3,000円 なし
合計 68万円 — — 20,000円 —

借金以外に滞納している税金・国民健康保険料・家賃があれば、同じ表の下に別の欄を作って書き出します。これらは借金より先に手当てが必要な支払いです。国税の場合、督促状を出した日から10日を過ぎても納めないと、裁判所の手続きなしで差し押さえの対象になります(国税徴収法47条)。

毎月の返済に回せる額を決める

一覧ができたら、毎月いくらまで返済に回せるかを決めます。

  1. 手取りの月収を書く(例:22万円)。
  2. 家賃・食費・光熱費・通信費・保険料・交通費など、生活に欠かせない支出を合計する(例:19万円)。
  3. 1から2を引いた額が、返済に回せる上限になる(例:3万円)。
  4. 上限から、全社の最低返済額の合計を引く。残りが「上乗せして返せる額」になる(例:3万円−2万円=1万円)。

4の答えがマイナスになる場合、最低額すら払えない計画です。その場合は順番を考える前に、家計の支出を見直すか、相談先に話す段階に進みます。支出の見直し方は借金返済中に固定費から見直す赤字家計の立て直し方にまとめています。

返す順番を決める:2つの方法を計算で比べる

上乗せして返せる額をどの借金に向けるかで、完済までの期間と利息が変わります。代表的な方法は2つです。

  • 金利の高い順:利息の負担が重い借金から減らす。見本ではC社(20%)→A社(18%)→B社(15%)。
  • 残高の小さい順:早く完済できる借金から片づける。見本ではC社(8万円)→B社(20万円)→A社(40万円)。

どちらも、各社に最低返済額を払い、残りの1万円を対象の1社に上乗せします。1社を完済したら、その会社に払っていた最低返済額も次の対象に回します。見本の3社、毎月の返済額の合計3万円で計算した結果が次の表です(利息は年利÷12で毎月計算、筆者の計算)。

返し方 全部を完済するまで 利息の総額 1社目の完済 2社目の完済
金利の高い順 28か月 約14.5万円 C社:7か月目 A社:24か月目
残高の小さい順 28か月 約15.0万円 C社:7か月目 B社:17か月目
最低返済額だけを払い続ける(月2万円) 53か月 約27.0万円 C社:36か月目 B社:44か月目

この例では、2つの方法の差は利息で約5,000円、完済の時期は同じでした。差が小さいのは、3社の金利が15〜20%の狭い範囲に収まっているためです。一方、最低額だけを払い続けると、完済まで2年以上長くかかり、利息は約12万円多くなりました。順番の選び方より、毎月上乗せして返すこと自体の効果が大きいことが分かります。

選ぶときの目安は次のとおりです。

  • 金利の差が大きい借金がある(例:年18%と年3%)なら、金利の高い順が有利です。
  • 金利がそろっていて、借入先の数を早く減らしたいなら、残高の小さい順が向いています。完済した会社の返済日と明細が一つずつなくなり、管理が楽になります。

自分の数字で計算するときは、1社ずつの返済表を作る方法を借金返済シミュレーションのやり方で紹介しています。毎月の利息の出し方は借金の利息の計算方法が参考になります。

計画表にして毎月見直す

順番が決まったら、月ごとの計画表にします。縦に月、横に会社名を並べ、各マスにその月の支払額と月末の残高を書くだけで十分です。

毎月の見直しでは、次の点を確かめます。

  • 予定どおりの額を、すべての会社に返済日までに払えた
  • 明細の残高が、計画表の残高と大きくずれていない
  • 新しい借入れやリボ払いの利用をしていない
  • ボーナスや臨時収入を、上乗せの返済に回す月を決めた
  • 税金・保険料・家賃の支払いが遅れていない

計画どおりに進まない月があっても、計画を捨てる必要はありません。その月の数字で表を引き直し、完済予定月がどれだけ延びたかを確かめます。家計と返し方を見直す具体的な項目は借金返済のコツと完済までに見直す10項目にまとめています。

計画が立たないときは一覧を持って相談する

次のどれかに当てはまる場合は、自分だけで計画を立てるのは難しい状態です。

  • 最低返済額の合計が、返済に回せる額を上回っている
  • 上乗せして返しても、完済まで3年(36か月)を超える
  • 返済のために別の会社から借りている
  • すでに遅れが出ていて、督促状が届いている

この段階では、作った借入一覧がそのまま相談の資料になります。財務局や自治体の多重債務の相談窓口では、借金の状況を聞いたうえで返し方を一緒に考え、必要に応じて弁護士・司法書士への相談につないでくれます。生活費そのものが足りない場合は、自治体の自立相談支援機関が家計改善支援として家計の見える化や計画づくりを手伝っています。窓口の一覧と受付時間は借金の公的な相談窓口と選び方で確かめてください。

返済条件そのものを見直す手続き(任意整理・個人再生・自己破産など)を考える場合は、債務整理の種類を比較した記事で、それぞれの返す額の決まり方と生活への影響を確かめられます。

よくある質問

Q. 返済日が会社ごとにバラバラで、うっかり遅れそうです。

借入一覧を返済日の早い順に並べ替え、給料日の直後に来る返済から順に、口座の残高を確かめる日を決めておくと管理しやすくなります。会社によっては会員ページで返済日を選び直せる場合があるので、給料日に近い日にそろえられないか問い合わせてみるのも一つの方法です。

Q. おまとめローンで1社にまとめれば、計画は立てやすくなりますか?

返済日が1つになる点では管理は楽になりますが、金利が下がらない、返済期間が延びるといった条件だと、利息の総額はかえって増えます。貸金業者のおまとめで総量規制の例外になるのは、金利が今より高くならないことや残高が段階的に減ることなど、法令の条件を満たす契約に限られます(貸金業法施行規則10条の23)。まとめる前に確かめる条件は[おまとめローンの前に確かめる5つの条件](/omatome/)で整理しています。

Q. 家族や友人から借りたお金も一覧に入れるべきですか?

入れてください。金利がなく督促もない借金は後回しにしがちですが、計画から外すと、返す約束の時期が来たときに家計が崩れます。返す時期と額を相手と話し合って決め、ほかの借金と同じ表で管理します。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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