借金返済のコツ|完済までに見直す家計と返し方の10項目
この記事のもくじ
借金返済のコツは、①上乗せする先を決めて多めに返す、②遅れない仕組みを作る、③新しく借りない仕組みを作る、④固定費を削って返済に回す額を毎月作る、の4つにまとまります。どれも1回決めれば毎月効き続けるものばかりで、気合いや節約の我慢に頼る方法より長続きします。下のチェック表は、完済までに手を付ける順に10項目を並べたものです。
借金返済を早める10項目のチェック表
| 番号 | 項目 | やること | 効く理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 借入一覧 | 借入先・残高・年利・返済日・毎月の額を1枚にまとめる | どこに上乗せすれば得かが見える |
| 2 | 返す順番 | 年利の差が大きければ年利の高い借金に、そろっていれば残高の小さい借金に上乗せし、他は約定の額だけ返す | 利息を減らすか、借入先を早く減らすかを選べる |
| 3 | 遅れない仕組み | 返済日をそろえ、口座振替や通知を使う | 遅延損害金と信用情報への記録を防ぐ |
| 4 | 固定費 | 通信・保険・サブスク・車・住居を見直す | 1回の見直しが毎月の返済原資になる |
| 5 | 返済用の口座 | 給料日に返済額を別の口座へ移す | 使ってしまう前に返済分を確保する |
| 6 | 変動費の予算 | 食費や日用品を週ごとの予算で管理する | 月末の不足と追加の借入れを防ぐ |
| 7 | 臨時収入の使い道 | 賞与や還付金の何割を返済に回すか先に決める | 迷っている間に使ってしまうのを防ぐ |
| 8 | リボと借入枠 | 自動リボを外し、使わない借入枠を減らす | 知らないうちに残高が増えるのを止める |
| 9 | 借りて返さない | 返済のための借入れをしない | 借りる先が変わるだけで残高は減らない |
| 10 | 借りられない仕組み | 必要なら貸付自粛制度を使う | 衝動的な借入れを手続きで止める |
返し方を変える:一覧・順番・遅れない仕組み(項目1〜3)
最初にやるのは、借入一覧を作ることです。借入先ごとに、残高、年利、返済日、毎月の返済額、返済方式を書き出します。思い出せない借入れがありそうなら、信用情報を開示すると登録されている契約が分かります。一覧の作り方と返す順番の決め方は、借金の返済計画の立て方と借入一覧の作り方で詳しく説明しています。
一覧ができたら、上乗せする先を1つに決めます。年18%の借金と年15%の借金があり、どちらかに10万円を上乗せできる場合で比べると、1か月あたりに減る利息は年18%なら約1,500円、年15%なら約1,250円です(1か月を1年の12分の1として計算した筆者の計算)。差は毎月積み重なるので、年利の差が大きいときは余裕のある分を年利の高い借金に集め、ほかは約定の額だけを払い続けます。年利がそろっているときは、残高の小さい借金から終わらせて借入先を減らす選び方もあります。3社の金利が15〜20%の例で2つの方法を比べると、利息の差は約5,000円でした(筆者の計算。借金の返済計画の立て方の表)。
3つ目は、遅れない仕組みです。返済日を過ぎると、利息ではなく遅延損害金がかかり、貸金業者などの貸付けでは上限が年20%で(利息制限法7条1項)、契約の利率より高い率が定められていることがあります。返済日がばらばらなら、変更できる会社では給料日の直後にそろえ、口座振替や返済日前の通知を設定します。遅れが続いたときの記録の残り方はブラックリストの期間の早見表で確かめられます。
家計を変える:固定費・返済用の口座・予算(項目4〜7)
返済に回すお金を毎月作るには、変動費の節約より固定費の見直しが効きます。固定費は一度下げれば、その後も毎月同じだけ浮くからです。見直す順番の例は次のとおりです。
- 通信費:料金プランと、使っていないオプション。
- 保険:保障の重なり、貯蓄型の保険料の大きさ。
- サブスク:動画・音楽・アプリ・会員サービスの自動更新。
- 車:駐車場代、保険、ローンを含めた月の総額。
- 住居:更新の時期に合わせた家賃の見直しや住み替え。
固定費から立て直す手順は、赤字家計の立て直し方と固定費の見直しにまとめています。収入を増やして返す方法を考えるなら、先に借金返済のために副業やアルバイトを増やす前に確かめることを読んでください。
浮いたお金は、気づくと生活費に吸い込まれます。給料日に、返済額と上乗せ分を返済用の口座へ先に移しておくと、残りのお金だけで1か月を回す形になります。食費や日用品は月ではなく週の予算で管理すると、月末に足りなくなってカードで払う、という流れを止めやすくなります。
賞与や税の還付金のような臨時収入は、入る前に使い道を決めておきます。全額を返済に回すと、次の急な出費でまた借りることになりかねないので、手元に残す額を先に決め、残りを繰り上げに回します。残す額の考え方は借金返済と貯金はどちらを優先するかで、繰り上げの効果は借金の繰り上げ返済で利息が減る仕組みと返すタイミングで説明しています。
借りない仕組みを作る:リボ・借りて返す・貸付自粛(項目8〜10)
返しているのに残高が減らないときは、まずどこかで借入れが足されていないかを疑います。カードの支払いが自動でリボになる設定があれば外し、使っていないキャッシング枠やカードローンの枠は減らすか解約します。自動リボの外し方はリボ払いの設定を解除する方法で扱っています。
返済のために別の会社から借りるのは、借りる先が変わるだけで、利息のかかる残高は減りません。貸金業法21条1項6号は、貸金業者が取立てのときに、ほかから借りて返すよう求めることを禁じています。法律が貸す側に禁じるほど、借りて返す流れは返す人を追い込みやすいということです。すでに借りて返す状態になっているなら、カードローンの返済と借入の繰り返しを止める方法を先に読んでください。
自分の意思だけで借入れを止めにくいときは、貸付自粛制度があります。本人が日本貸金業協会か全国銀行個人信用情報センターに申告すると、3つの信用情報機関に貸付自粛の情報が登録され、銀行や貸金業者が審査のときに使います(金融庁、2019年3月29日から実施)。申告の仕方は家族のギャンブル借金と貸付自粛制度で説明しています。
どれも難しいときは相談に切り替える
10項目を見直しても返済が回らないときは、返し方の工夫で解決できる段階を過ぎています。次のどれかに当てはまったら、自力で続けるより相談に切り替えるほうが、結果として早く終わることがあります。
- 返済のために、別の会社やカードから借りた月がある。
- 約定の最低額しか払えない月が続き、残高がほとんど減らない。
- 食費・家賃・光熱費を削って返済に回している。
- 返済日に間に合わなかった、督促の電話や書面が来た。
- 税金・国民健康保険・家賃などの支払いが遅れ始めた。
相談先は状況で選びます。借金全体の整理なら借金の公的な相談窓口と受付時間、生活費そのものが足りないなら家計改善支援と住居確保給付金の相談先、手続きで返済の負担を変える方法を比べたいなら債務整理の種類の比較が入口です。生活困窮者自立支援制度の家計改善支援では、家計を見える形にして支援の計画を作り、必要に応じて関係機関へのつなぎや貸付けのあっせんもしています(厚生労働省)。
固定費を削っても返済に回す額が足りないときは、収入を増やす道もあります。始める前に確かめることは借金返済のために副業やアルバイトを増やす前に確かめることにまとめています。
よくある質問
Q. 借金をすぐ返す方法はありますか?
全額を払えるお金が手元にない限り、明日すぐに終わらせる方法はありません。早めるために使えるのは、約定の額に上乗せして返すことと、支出を削ってその上乗せ分を毎月作ることの2つです。別のところから借りて返すと、借りる先が変わるだけで残高は減らないので、早く返すことにはなりません。
Q. 金利の高い借金と残高の少ない借金、どちらから返すのが得ですか?
払う利息の合計だけを比べるなら、年利の高い借金に上乗せするほうが少なくなります。ただ、残高の少ない借金を先に終わらせると、返済日と管理する相手が1つ減り、続けやすくなる面があります。年利の差が小さいときは続けやすいほうを選び、差が大きいときは年利の高いほうを優先するのが目安です。
Q. 副業で収入を増やして返すのはよい方法ですか?
増えた収入をそのまま上乗せの返済に回せれば、完済は早まります。ただし、勤め先の規則、税の申告、体調、本業への影響などを先に確かめないと、かえって家計が崩れることがあります。始める前の確認点は、副業やアルバイトを増やす前に確かめることの記事にまとめています。
出典・参考にした公的な情報
- 貸金業法 第21条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 利息制限法 第7条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸付自粛制度について(金融庁)
- 生活困窮者自立支援制度(厚生労働省)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。