借金の基本・返せないとき / Q&A

借金の繰り上げ返済は得?利息が減る仕組みと返すタイミング

この記事のもくじ
  1. 繰り上げ返済で減るのは利息か返済期間か
  2. 繰り上げ返済の申し込み方と手数料
  3. 繰り上げより先にお金を回すところ
  4. 一括返済との違いと使い分け

借金の繰り上げ返済で減るのは、繰り上げた額にこの先かかるはずだった利息です。毎月の返済額を変えずに払い続ければ、返済期間が縮み、その期間分の利息がまるごと減ります。筆者の計算では、残高50万円・年18%を毎月13,000円ずつ返す借金で、最初に10万円を繰り上げると、完済までの期間は58か月から42か月に、利息の総額は約25.1万円から約14.1万円に減ります。早く返すほど効果は大きく、同じ10万円でも3年後に繰り上げると減る利息は約2.9万円にとどまります。

繰り上げ返済で減るのは利息か返済期間か

利息は残高×年利×日数で決まるので、元本を早く減らせば、その元本に将来かかる利息がなくなります。年18%の借金なら、10万円の元本は1か月あたり約1,500円の利息を生み続けます(1か月を1年の12分の1とした筆者の計算)。繰り上げ返済は、この1,500円を完済までの残りの月数分まとめて消す操作だと考えると分かりやすくなります。

次の表は、残高50万円・年18%・毎月13,000円の借金に、10万円を繰り上げる時期を変えて比べたものです。

比較:10万円を繰り上げる時期と減る利息(筆者の計算)
返し方 完済までの月数 利息の総額 繰り上げなしとの差
繰り上げなし 58か月 251,057円 —
最初に10万円 42か月 140,515円 110,542円少ない
12か月後に10万円 44か月 171,647円 79,410円少ない
24か月後に10万円 47か月 198,596円 52,461円少ない
36か月後に10万円 48か月 221,795円 29,262円少ない
毎月5,000円を上乗せ 37か月 151,629円 99,428円少ない

計算の前提:1か月の利息は残高×年18%÷12(円未満切り捨て)。毎月の返済額は13,000円のまま変えない。繰り上げはその月の返済の前に元本に充てる。

表から読み取れることは3つあります。1つ目は、同じ10万円でも早く返すほど減る利息が大きいことです。2つ目は、繰り上げの効果は「期間が縮む」形で出ることで、毎月の返済額はそのままです。3つ目は、まとまったお金がなくても、毎月5,000円の上乗せを続ければ、最初に10万円を返すのに近い効果が出ることです。ただし上乗せの合計は最大で185,000円(5,000円×37か月)になるので、続けられる額で決めます。

注意したいのは、毎月の返済額が残高で決まる方式(残高スライド方式など)です。繰り上げで残高が区分の境目を下回ると、次から約定の返済額が下がる契約があります。下がった額だけを払うと、期間はあまり縮まず、効果が薄まります。繰り上げたあとも、それまでと同じ額を払い続けると表のような効果に近づきます。完済までの残りの月数を自分の数字で出したいときは、借金返済シミュレーションのやり方を使ってください。

繰り上げ返済の申し込み方と手数料

カードローンなどでは、約定の額より多く入金して、多い分で元本を早く減らす形で繰り上げます。進め方は次のとおりです。

  1. 契約書か会員ページで、繰り上げ返済の手数料と、最低いくらから受け付けるかを確かめる。
  2. 返済日より前の入金を、その月の返済として扱うか、追加の返済として扱うかを確かめる。
  3. 手数料のかからない方法(インターネット返済や、手数料のかからないATMなど)を選ぶ。
  4. 入金後、会員ページで元本がいくら減ったかを見る。

繰り上げで入れたお金も、その時点までにたまった利息に先に充てられます。払ったお金は先に利息に充てられる決まりなので(借金の利息の計算方法)、前回の返済から日がたっていると、繰り上げ額の一部は利息に回ります。元本を効率よく減らしたいなら、約定の返済の直後に繰り上げると、たまった利息が少なく、元本に回る割合が大きくなります。

ATMの手数料にも気をつけます。貸金業者の貸付けでは、ATMの利用料は取引額1万円以下で110円、1万円を超えると220円までなら、利息とはみなされずに別にかかることがあります(貸金業法12条の8第2項、同法施行令3条の2の3)。年18%の借金で1万円を1か月早く返して減る利息は約150円なので、少額をATMで何度も返すと、減った利息の多くを手数料が打ち消します。

住宅ローンや自動車ローンのように返す時期を決めて借りる契約では、一部繰上返済の手数料や受け付ける最低額が決まっていることがあります。民法591条3項は、返す時期を決めた契約で早く返されて貸主に損害が出たときは賠償を求められるとしているので、契約書の繰上返済の欄を先に読みます。リボ払いの繰り上げは、カード会社ごとに手続きが違うため、リボ払いの繰り上げ返済の効果と手続きで別にまとめています。

繰り上げより先にお金を回すところ

繰り上げ返済は得ですが、手元のお金の使い道には順番があります。延滞の解消、次の収入日までの生活費、近く来る大きな支払いと予備を先に確保し、そのうえで残りを年利の高い借金から繰り上げます。順番の理由と、手元に残す額の考え方は借金返済と貯金はどちらを優先するかで詳しく扱っています。複数の借金のどれに上乗せするかは、借金返済のコツと見直す10項目の返す順番の項目を参考にしてください。

一括返済との違いと使い分け

繰り上げ返済は残高の一部を早く返す方法で、契約は続きます。一括返済は残高と日割りの利息をすべて払って借金を終わらせる方法で、解約まで進めば借りられる枠もなくなります。

比べる点 繰り上げ返済 一括返済
返す額 残高の一部 残高+返す日までの利息の全額
契約 続く 完済後、解約を申し出れば終わる
向く場面 手元資金を残しながら利息を減らしたい 完済しても生活費と予備が残る
気をつける点 空いた枠でまた借りない 端数を残さない、完済後の書類と解約

全額を返せるだけのお金があり、生活費と予備を残しても足りるなら一括返済、届かないなら届く分を繰り上げる、という分け方が基本です。全額を返すときの完済金額の確かめ方と完済後の手続きは、借金を一括返済するときの申し込み方と注意点で説明しています。返済の途中で毎月の額そのものが重くなってきたら、繰り上げの工夫より先に、借金の返済計画の立て方に戻って借入全体を見直します。

よくある質問

Q. 繰り上げ返済をした月は、いつもの返済をしなくてよいですか?

会社の決まりによって違います。返済日より前の入金を、その月の返済を前倒しで払ったものとして扱う会社もあれば、追加の返済として扱い、その月の約定の返済は別に必要とする会社もあります。後者の場合に約定の返済を忘れると延滞になるので、入金する前に扱いを確かめてください。

Q. 数千円の少額でも繰り上げる意味はありますか?

減る利息は額と期間に比例するので、少額でも意味はあります。ただ、年18%の借金に1万円を1か月早く返して減る利息は約150円で(筆者の計算)、ATMの手数料が110円かかると効果のほとんどが消えます。少額なら手数料のかからない方法で返すか、ある程度まとめてから返すほうが効率的です。

Q. 繰り上げ返済をすると、また借りられるようになりますか?

カードローンのように限度額の範囲で繰り返し借りられる契約では、返して残高が減った分だけ、また借りられる額が空きます。空いた枠を使うと、繰り上げた効果はそのまま消えます。また借りる心配があるなら、繰り上げと同時に限度額を下げられるかを会社に聞いておきます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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