借金の基本・返せないとき / Q&A

借金を一括返済するメリットと注意点|申し込み方と残高の確かめ方

この記事のもくじ
  1. 一括返済のメリットと、先に確かめる注意点
  2. 一括返済の申し込み方と完済金額の確かめ方
  3. 完済したあとに確かめることは3点だけ
  4. 手元にいくら残してから一括返済するか

借金は、返済日を待たずにいつでも全額を返せます。民法591条2項は、借りた人は返す時期の定めがあってもなくても、いつでも返すことができると定めています。一括返済の申し込みは、返す日を決めて、その日に返すといくらで終わるか(完済金額)を会社に確かめ、その額を円単位まで入金する、という流れです。完済金額は残高だけでなく、前回の返済日から返す日までの日割りの利息を含むので、残高どおりに払うと少額が残ることがあります。

一括返済のメリットと、先に確かめる注意点

比較:一括返済のメリットと注意点
メリット 注意点
その後の利息がかからなくなる 生活費まで出すと、次の出費でまた借りやすい
返済日の管理と督促の心配がなくなる 返す時期を決めた契約では、早く返すことで生じた貸主の損害の賠償を求められることがある
解約すれば借りられる枠がなくなり、借り直しを防げる 完済しても解約しなければ契約は続き、信用情報も契約中として残る
借入先が減り、家計の見通しが立てやすくなる 端数が残ると、完済したつもりで終わっていないことがある

利息がかからなくなる効果は、残高と年利で決まります。残高30万円・年18%なら、1か月あたり約4,500円の利息が、一括返済した月から先はかかりません(1か月を1年の12分の1とした筆者の計算)。

注意点のうち見落としやすいのは、早く返したときの費用です。民法591条3項は、返す時期を決めていた場合に、早く返されたことで貸主が損害を受けたときは、借りた人に賠償を求められると定めています。早く返すときの手数料の有無や額は契約ごとに違うので、契約書の「期限前弁済」「繰上返済」の欄を先に見ておきます。

なお、ここでいう一括返済は、自分から進んで全額を返すことです。返済が遅れて会社から残りを一度に払うよう求められた場合は、期限の利益を失ったという別の話になります。その場合の対応は消費者金融の滞納で一括請求が来たときにできることを読んでください。

一括返済の申し込み方と完済金額の確かめ方

一括返済は、次の手順で進めます。

  1. 返す日を決める。給料日や、口座振替の引き落とし日と重ならない日を選ぶ。
  2. 会員ページ・アプリ・電話で、その日に返した場合の完済金額を確かめる。
  3. 円単位まで払える方法を選ぶ。円単位で入金できる方法(インターネット返済や振込など)を選ぶ。ATMは千円単位などの制限がある機器もあるため、会社に確かめる。
  4. 決めた日に入金する。日がずれると日割りの利息が変わるので、遅れたら完済金額を聞き直す。
  5. 翌日以降に会員ページで残高が0円になっているかを見る。

完済金額の中身は、残高+前回の返済日から返す日までの利息+未払いの手数料、が基本の形です。たとえば残高30万円・年18%で、前回の返済から20日後に完済するなら、利息は300,000×0.18÷365×20で約2,958円、完済金額は302,958円になります(筆者の計算・円未満切り捨て)。払ったお金は先に利息に充てられるので(順序は借金の利息の計算方法にあります)、利息分が足りないと元本が残ります。

電話で聞くときは、次のように伝えると一度で必要な情報がそろいます。

文例:「契約番号の末尾〇〇の借入れを、〇月〇日に全額返したいと考えています。その日に入金する場合の完済金額と、円単位まで入金できる方法を教えてください。完済したあとに解約の申し出が必要かどうかも知りたいです。」

日割りの利息の出し方は、借金の利息の計算方法と日割りの式で詳しく説明しています。

完済したあとに確かめることは3点だけ

入金して残高が0円になったら、①最後の返済の受取証書を保管する(貸金業者は、預金口座への払込みで払った場合も請求すれば交付します。貸金業法18条)、②借用書などを差し入れていれば返してもらう(同法22条)、③また借りる心配があれば解約を申し出る、の3点を確かめます。完済証明書の扱いや、信用情報への反映、解約しないと契約が続く点は、借金の返済が終わったらやることに順番にまとめました。

2010年6月より前からの取引を完済した場合は、払いすぎた利息がなかったかを確かめる材料を残しておきます。完済後の扱いは完済後の過払い金請求と書類がないときの調べ方にまとめています。

手元にいくら残してから一括返済するか

一括返済でつまずきやすいのは、手元のお金をすべて返済に回し、翌月の急な出費のためにまた借りることです。残す額は、金額の目安を探すより、自分の家計から次の順で積み上げると決めやすくなります。

  1. 次の収入日までの生活費(食費・日用品・交通費)。
  2. 次の収入日までに来る固定費(家賃・光熱費・通信費・保険料)。
  3. 半年以内に来る大きな支払い(税金・車検・更新料・学費など)。
  4. 病気や家電の故障など、急な出費に備える予備。

この合計を引いて、残りで完済できるなら一括返済、届かないなら届く分だけを上乗せして返す繰り上げ返済が向いています。

計算例(筆者の計算・数字は例です):貯金が50万円あり、借入れは残高30万円(年18%)の1社だけだとします。次の収入日までの生活費と固定費が18万円、半年以内の車検で10万円、予備で10万円を残すなら、残す額は38万円で、返済に回せるのは12万円です。30万円には届かないので、一括返済はせず、12万円を繰り上げ返済に回します。12万円に年18%の利息は1か月あたり1,800円(120,000×0.18÷12)なので、それだけの利息が毎月減ります。残る18万円は、約定の返済を続けながら次の収入で上乗せします。

仮に貯金が80万円なら、残す額38万円を引いた42万円で30万円を一括返済でき、その後の利息4,500円(300,000×0.18÷12)が毎月かからなくなります。手元は30万円減って50万円になりますが、残す額の38万円は上回ります。この確認をせずに全額を返すと、翌月に借り直すことになりかねません。

口座振替で返している場合は、引き落とし日の直前に全額を入れると二重に払う形になることがあります。入金の日は引き落とし日から離し、その日の完済金額を会社に確かめてから入れます。

全額でなく一部を返すときの効果の出方は借金の繰り上げ返済で利息が減る仕組みと返すタイミングで、貯金との優先順位は借金返済と貯金はどちらを優先するかで説明しています。

借入先が複数あって全部は返せないときは、どれを一括で終わらせるかを選びます。利息の合計を減らすなら年利の高い借金から、返済日の数と管理の手間を減らすなら残高の小さい借金から終わらせる、という2つの考え方があります。選び方の具体例は借金返済のコツと見直す10項目にまとめています。民法136条は、返す期限は借りた人のために定めたものと推定し、その利益は、相手方の利益を害しない範囲で放棄できるとしています。早く返すかどうかは家計に合わせて選べますが、返す時期を決めた契約では、民法591条3項の賠償の定めがあることも、先に見ておきます。

よくある質問

Q. 一括返済すると信用情報に悪い記録が残りますか?

約束どおりに全額を返したこと自体は、延滞のような不利な記録ではありません。CICでは契約の内容と支払いの状況が、契約期間中と契約が終わってから5年間保有されます。完済しても契約を解約しなければ「契約中」のまま残るので、記録を早く終わらせたいなら解約まで済ませます。

Q. 口座振替で返している場合、一括返済の入金はいつすればよいですか?

引き落とし日の直前に別の方法で全額を入れると、引き落としの請求がすでに確定していて、二重に払う形になることがあります。多く払った分は返金や次回への充当で戻りますが、手間がかかります。引き落とし日から少し離した日を選び、その日の完済金額と、引き落としを止める必要があるかを会社に聞いてから入金します。

Q. 一括返済のあと、すぐに解約したほうがよいですか?

また借りる心配があるなら、完済と同時に解約を申し出るほうが借りられる枠が残らず安心です。一方で、クレジットカードに付いたキャッシング枠のように、解約するとカードそのものが使えなくなる場合は、公共料金などの支払いの切り替えを先に済ませます。迷うときは、キャッシング枠だけを0にできるかを会社に聞く方法もあります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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