カードローンの返済と借入の繰り返しを止めるには|自転車操業の抜け方
この記事のもくじ
カードローンを返済しては借りるを繰り返しているなら、止めるには、①これ以上借りられない状態を先に作る、②毎月の返済額のうち利息が何円か、元本が何円減っているかを数字で出す、③その数字で自力では完済できないと分かったら、窓口や債務整理の相談に切り替える、の順に進めます。返済日にATMで入れた金額をすぐ借り直していると、手元のお金は回っても残高は減りません。この記事では、その仕組みを筆者の計算で示し、借入を止める具体的な手順を書きます。
返すために借りると、残高が減らない理由
金融庁などの資料にある調査(2024年12月〜2025年1月実施)では、消費者金融を利用した人が借りた目的に、貸金業者への返済資金を挙げた人が9.4%いました。返すために借りるのは、ごく一部の人の例外ではありません。ネット調査で母数は直近3年以内の利用経験者ですが、同じ状態の人が相当数いることは分かります。
仕組みを数字で見ます。以下は筆者の計算です。残高60万円、年利18%(利息制限法の上限、元本10万円以上100万円未満の区分)、毎月の返済額3万円とし、利息は月利1.5%(年利を12で割った値)で毎月末に1回返済する単純な形にしています。実際の利息は日割りで、利率や返済方式は契約ごとに違うため、自分の数字は契約書の利率と返済額で計算してください。
| 返済後に毎月借り戻す額 | 完済までの月数 | 払う利息の合計の目安 | 残高の動き |
|---|---|---|---|
| 0円(借りない) | 24か月 | 約11万9千円 | 毎月減る |
| 1万円 | 40か月 | 約20万3千円 | ゆっくり減る |
| 2万円 | 153か月(約12年9か月) | 約94万6千円 | ほぼ横ばいで長く続く |
| 3万円 | 完済しない | 利息が毎月約9千円ずつ積み上がる | 少しずつ増える |
最初の月の利息は、60万円×1.5%=9,000円です。3万円返せば元本は2万1千円減りますが、3万円借り戻すと残高は60万円から約60万9千円に増えます。年間では、利息だけで約10万8千円(9,000円×12か月)を払う計算です。**毎月の返済額が同じでも、借り戻す額が1万円増えるごとに、完済までの道のりは長くなります。**実際の利用枠には上限があり、枠いっぱいまで借りた時点で、返済のための借入も止まります。その時が来る前に、自分から止めるほうが傷は浅く済みます。
借入を止める手順:枠・アプリ・カードを整理する
意志の強さに頼らず、借りるまでに手間がかかる状態を先に作ります。
- 借入先を全部書き出す。 業者名、残高、利率、毎月の返済日と返済額を一覧にします。作り方は借金の返済計画の立て方|借入一覧の作り方と返す順番の決め方にあります。
- 利用枠の減額や利用停止ができるか、会員ページか契約書で確かめる。 多くの業者が会員ページや電話で受け付けていますが、方法は業者ごとに違います。残高が残っていても、新しい借入だけを止められる場合があります。
- 借入アプリを消し、ATMカードを手元から外す。 借りるまでの手順が増えるだけで、衝動の借入は減ります。
- 口座引き落としに変える。 返済日にATMへ行く形だと、そのまま追加で借りやすくなります。引き落としなら、返済のための外出と借入が結びつきません。返済方法の違いはカードローンの返済方法|ATM・振込・口座引き落としの違いで整理しています。
- 新しいカードローンを申し込まない。 返済のために別の業者から借りると、返済先が増えるだけで、合計の利息は増えます。返済額が苦しいなら、借りる前に契約先へ相談するのが先です(銀行なら借金の返済を銀行に相談するには|銀行カードローンで伝える内容と文例)。
借りる癖そのものが気になるときは、借金を繰り返す癖をやめたい|原因の書き出しと仕組みで防ぐ方法に、借りた場面の書き出し方と貸付自粛制度の説明があります。
総量規制で借りられなくなったあとに起きやすいこと
貸金業者からの借入れは、貸金業法13条の2により、全社の合計が年収の3分の1を超える貸付けは原則としてできません。金融庁のQ&Aでは、年収300万円なら上限は100万円です。さらにカードローン枠は、貸金業者が3か月以内ごとに信用情報で年収の3分の1を超えていないかを調べます(同法13条の3)。返済のための借入が続いて残高が増えると、ある日、枠が減る・止まる・追加で借りられない状態になることがあります。銀行のカードローンは総量規制の対象外ですが、銀行も審査で返済状況を見ます。
借りられなくなった直後が、いちばん危ない時期です。「審査なし」「ブラックでも貸す」とうたう連絡や、SNSでの個人間融資、給料の買取り(給与ファクタリング)、後払いの現金化に頼りたくなります。金融庁はこれらについて注意を呼びかけ、ヤミ金(ヤミ金融)には手を出さず、連絡が来ても応じないよう案内しています。登録番号を示さない業者は、無登録の可能性が高いと金融庁は説明しています。すでに連絡してしまった、取立てを受けているという場合は、闇金の被害は警察に相談できる?連絡が来たときの対応と相談先に、対応と窓口をまとめています。
親に借りて返す前に確かめること
返済のために親に借りる案は、検索でも多い悩みです。金額が大きいと、次の2点が問題になります。
- 贈与税。 国税庁は、親子の間の貸し借りでも、真に金銭の貸借であると認められる場合は借入金そのものは贈与にならないと説明しています。一方、返済の予定がない貸借は、借入金が贈与として扱われると示しています。親が子の借金を代わりに返すと、その額が贈与とみなされることもあります(相続税法8条)。例外の条件があるため、金額が大きいときは税務署か税理士に確かめてください。
- 同じ状態に戻る可能性。 親から借りたお金で完済しても、カードの枠が残っていれば、また借りられます。完済と同時に枠を閉じる手続きを同じ日にします。
親に頼む前に、返済計画を紙で作ってから話すと、お願いの内容が具体的になります。伝え方と文例は借金を親に相談するときの伝え方|話す前に準備することと文例、肩代わりを受けるときの注意は借金を親が肩代わりする前に|贈与税と繰り返しを防ぐ条件を読んでください。
自力で返せるか、相談に切り替えるかの目安
次のどれかに当てはまるなら、自力だけで続けるのは難しい状態です。
- 返済日の前後で、借入を挟まずに3か月続けられなかった
- 毎月の返済額のうち、半分以上が利息になっている
- 返済のために、2社以上から借りている
- 借入を止めたあとの生活費が、手取りから足りない
この状態では、まず公的な窓口が使えます。財務局などの多重債務相談窓口は、借金全体の状況を聞いて、返し方や家計の助言をしてくれます。番号と受付時間は借金の公的な相談窓口と受付時間にまとめています。複数社の借金が重なっているなら、カードローンが返せないとき|延滞の前に業者へ相談する順番で、延滞する前に業者へ連絡する順番を確認できます。
返済額を減らす方法には、業者との返済条件の相談のほか、弁護士や認定司法書士に頼む債務整理があります。債務整理には、信用情報への登録や、手続きによって失うものがあります。違いは債務整理の種類を比較|任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の違いで比べられます。
借金を一つにまとめる選択肢(おまとめローン)を考える人も多いですが、返済が回らない状態で新しい借入を組むと、条件が合わなければ返済総額が増えます。債務整理と比べた表は借金のおまとめと債務整理はどちらがいい?返済額と影響で比較にあります。
債務整理を依頼するなら、選ぶときは「受任する弁護士か認定司法書士本人と面談できるか」「報酬額と算定方法を書面で示してもらえるか」「1社あたりの借金が司法書士の代理できる範囲(個別の債権ごとに140万円以下)に収まるか」を確かめてください。依頼前に聞くことは、債務整理は弁護士と司法書士どっち?140万円の線と選ぶときの確認点にまとめています。
よくある質問
Q. 返済した直後にまた借りるのは、そんなにいけないことですか?
借りること自体が禁止されているわけではありません。問題は、返済の原資を新しい借入で作っていると、残高が減らず、利息だけが毎月出ていく点です。返済した翌日に借りている状態が続くなら、それは返済になっていないので、枠を下げて借りられない状態にするところから始めます。
Q. 利用枠を自分で下げると、信用に傷がつきますか?
枠の減額を申し込んだだけで延滞や異動として登録されるとは、公的な資料には書かれていません。ただし手続きの方法や、その後に枠を戻せるかは業者ごとに違います。会員ページや契約書面で方法を確かめ、不明なら業者の窓口に電話で聞いてください。
Q. 借金の返済のために親に借りるのは、よい方法ですか?
金額が少なく、本人が返せる見通しがあるなら選択肢になりますが、借金の返済に使うこと自体が繰り返しの原因になりやすい点に注意が必要です。家族が払える額には限りがあり、関係も壊れやすいので、借りる前に返済計画を紙に書き、借用書と返済の記録を残してください。
出典・参考にした公的な情報
- 貸金業法 第13条の2・第13条の3(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法Q&A(総量規制)(金融庁)
- 利息制限法 第1条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向(第23回多重債務者対策に関する懇談会 資料1)(内閣官房・金融庁ほか)
- 多重債務相談窓口リーフレット2026(東京都版)(金融庁)
- No.4420 親から金銭を借りた場合(国税庁)
- 相続税法 第8条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。