借金返済のために副業やアルバイトを増やす前に確かめること
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借金返済のために副業やアルバイトを増やすなら、始める前に4つを確かめてください。①増える手取りで完済がどれだけ早まるか、②勤め先の就業規則で副業がどう扱われているか、③確定申告と住民税の申告が必要になるか、④体と本業がもつか、です。収入を増やすのは有効な手ですが、①の計算で効果が小さい人や、すでに返済日に払えていない人は、働く時間より先に返済の条件を見直したほうが早く楽になることがあります。
副業やアルバイトの収入で借金返済はどれだけ早まるか
最初に、副業で増える手取りを全額返済に上乗せした場合の効果を計算します。下の表は、借金150万円・年15%の借入れを毎月3万円で返している人が、上乗せをした場合の筆者の計算です(利息は年利の12分の1を毎月の残高にかける概算。実際の利息は日割りで計算されるため、各社の返済表や会員ページで確かめてください)。
| 毎月の返済額 | 完済までの回数 | 支払う利息の合計(概算) |
|---|---|---|
| 3万円(上乗せなし) | 79回(6年7か月) | 約86万7千円 |
| 5万円(2万円を上乗せ) | 38回(3年2か月) | 約38万4千円 |
| 6万円(3万円を上乗せ) | 31回(2年7か月) | 約26万円 |
月2万円の上乗せで、完済は約3年5か月早まり、利息は約48万円少なくなります。ただし、これは上乗せを3年以上続けられた場合の数字です。半年でやめれば効果はその分だけになります。自分の借入れで同じ計算をするときは、借金の返済計画の立て方と借入一覧の作り方の表を使い、残高・金利・毎月の返済額を並べてから上乗せの額を決めてください。借金の総額が200万円前後なら、借金200万円を手取り別に返せるかで期間の目安を比べられます。
計算するときは、副業の「売上」ではなく、交通費・道具代・税金を引いた手取りで考えます。翌年の住民税が増える分を見込まずに全額を返済に回すと、翌年の6月以降に家計が苦しくなります。目安として、副業の手取りの一部を税金用に分けておくと安全です。
始める前に勤め先の就業規則と働く時間を確かめる
副業を認めるかどうか、届け出が要るかどうかは、会社の就業規則で決まります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、裁判例の考え方として、働いていない時間の使い方は基本的に本人の自由で、会社が制限できるのは次のような場合だとしています。
- 本業の仕事に支障が出る場合
- 業務上の秘密が漏れる場合
- 競業によって会社の利益が害される場合
- 会社の名誉や信用を損なう、信頼関係を壊す行為がある場合
同じページには、厚生労働省のモデル就業規則が副業の規定を設けていることや、会社に副業の内容を届け出るときの様式例も載っています。就業規則に「届け出」「許可」とあれば、その手続きを先に済ませます。
もう一つ見落としやすいのが働く時間です。労働基準法38条は、働く場所が違っても労働時間は通算すると定めています。本業とアルバイトの両方で雇われて働く場合は、合計の時間で残業の扱いが決まるため、副業先に本業の勤務時間を伝えるよう求められることがあります。睡眠を削る時間の組み方は、返済が長期戦になるほど続きません。
確定申告と住民税の申告:副業の形で手続きが変わる
副業の収入が増えると、税金の手続きが変わります。国税庁のタックスアンサー(1900番)によると、会社員で確定申告が必要になる主な場合は次のとおりです。
| 副業の形 | 所得税の確定申告が必要になる目安 |
|---|---|
| 本業1か所の給与+業務委託・フリマ販売などの副業 | 給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える |
| 本業の給与+アルバイトの給与(2か所以上) | 年末調整されなかった給与の収入と、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える(給与収入が少ない人の例外あり) |
アルバイトで月2万円の給与を1年間受け取ると、年24万円になり、表の20万円を超えます。業務委託などの場合は、収入から経費を引いた「所得」で判断します。
住民税は別の決まりです。地方税法317条の2は、給与以外の所得がある人に、3月15日までに市区町村へ住民税の申告をするよう求めています。所得税の確定申告をすれば、それで住民税の申告をしたものとみなされます(同317条の3)。つまり「20万円以下だから何もしない」は住民税の面では通りません。
業務委託など給与以外の副業の住民税は、申告書に書けば、本業の給与からの天引きではなく自分で納める方法(普通徴収)を希望できます(同321条の3第2項)。アルバイトの給与は給与所得なので、この選び方の対象にはなりません。個別の税額の計算や申告の仕方は、税務署や市区町村の窓口で確かめてください。
副業の探し方で避けたいもの
返済を急ぐ人ほど、条件のよすぎる話に引き寄せられがちです。次の特徴がある話は、収入より先にお金を払わせる仕組みのことが多いので、申し込む前に立ち止まってください。
- 始める前に「登録料」「教材費」「サポート費」を求められる
- 「借金があっても月○万円」「スマホだけで稼げる」と、借金を抱えた人に向けて勧誘している
- 教材費を払うためにカードのリボ払いや新しい借入れを勧められる
- 給料を先に受け取れる、と言って手数料を取る(給与の買取りとして金融庁が注意を呼びかけている形)
最後の形や、後払いで買った品物を換金させる誘いは、ヤミ金の被害にあったときの対応と相談先で扱う手口と重なります。契約してしまったときは、消費生活センターに相談できます。
体を壊す前に返済条件の見直しへ切り替える目安
副業は、本業の収入が安定していて、毎月の約定額をすでに払えている人の「上乗せ」の手です。次のどれかに当てはまったら、働く時間を増やす前に返済の条件を見直す段階と考えてください。
- 本業と副業を合わせて、週に休める日がない状態が1か月以上続いている
- 本業でミスや遅刻が増えた、体調を崩して休んだ
- 副業の手取りを足しても、毎月の残高がほとんど減らない
- 返済のために別の会社から借りている
- すでに返済日に払えなかった月がある
1と2は、副業そのものが本業の収入を危うくしている合図です。3〜5は、収入を増やしても追いつかない借金の形になっている合図です。この段階では、返済できないときの業者への連絡の仕方と文例で返済日や返済額を相談するか、借金の公的な相談窓口と受付時間で状況を整理してもらう道があります。借金が増えては返す流れを繰り返している人は、借金を繰り返す原因の書き出しと防ぐ仕組みも合わせて読んでください。
返済の負担そのものを軽くする方法には、弁護士・司法書士に依頼する債務整理もあります。手続きごとの違いは債務整理の種類の比較にまとめています。副業はその後の家計を立て直す段階でも役に立つので、どちらか一方だけを選ぶ話ではありません。
よくある質問
Q. 副業の収入が年20万円以下なら、税金の手続きは何もしなくてよいですか?
所得税の確定申告が要らない場合でも、給与以外の所得があれば住民税の申告は別に求められます(地方税法317条の2)。確定申告をした場合は、その申告で住民税の申告をしたものとみなされます(同317条の3)。手続きの細かい扱いは、お住まいの市区町村の住民税の担当で確かめてください。
Q. 会社に黙ってアルバイトをしてもよいですか?
副業をどう扱うかは会社ごとの就業規則で決まります。厚生労働省のガイドラインは、働いていない時間の使い方は基本的に本人の自由としつつ、会社が制限できる場合も示しています。まず就業規則で届け出や許可の手続きを確かめ、決まりに沿って進めるのが、本業の収入を守るうえでも安全です。
Q. 副業で返すのと、返済額を業者に相談するのは、どちらを先にすべきですか?
毎月の約定額を払えているなら、副業で上乗せして残高を減らす道があります。約定額そのものが払えない月がある、別の借入れで返しているといった状態なら、働く時間を増やすより先に返済条件の相談や公的な窓口への相談を考える段階です。
出典・参考にした公的な情報
- 副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)(厚生労働省)
- 副業・兼業(ガイドライン・モデル就業規則・届出様式例)(厚生労働省)
- 労働基準法 第38条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- タックスアンサー(1900番)給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)
- 地方税法 第317条の2・第317条の3・第321条の3(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 違法な金融業者に関する注意喚起(金融庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。