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自己破産の家計簿と必要書類|家計表の付け方と通帳で埋める方法

この記事のもくじ
  1. 申立てに必要な書類の一覧
  2. 家計表の月数と通帳の期間は、裁判所ごとに違う
  3. 家計簿(家計収支表)の付け方と記入例
  4. レシートがないときは、通帳と明細で埋める
  5. 生活保護を受けている人の必要書類

自己破産の申立てに必要な書類は、裁判所が定めた申立書の書式に付けて出します。家計簿にあたるのは、裁判所の書式の「家計収支表」(家計表)で、直前の1〜2か月分を、通帳・給与明細・領収書の金額で正確に書きます。 レシートが残っていない支出は、通帳やカードの明細から金額をたどって埋め、現金払いの分は書き方を依頼先に確かめます。この記事は、書類の一覧、家計表の付け方、レシートがないときの対応、生活保護を受けている人の書類の順に説明します。

申立てに必要な書類の一覧

裁判所のQ&Aは、個人の自己破産の申立てに必要な書類として、次を例に挙げています。申立書のほか、本籍の記載があってマイナンバーの記載がない住民票の写し、申立てに至った事情・生活状況・財産状況を書く事情説明書(陳述書と呼ぶ裁判所もあります)、債権者一覧表、財産目録、給料を受けている人は源泉徴収票・給料明細書、最近まで勤めていた人は退職金支給額証明書です。同じQ&Aは、これらは例であり、具体的には申立先の裁判所に問い合わせるよう書いています。

実際にそろえる資料は、秋田地裁の「本人申立て用」の添付書類一覧表を見ると全体像がつかめます。該当するものだけを出す形式で、主な項目は次のとおりです。

区分 主な書類 条件
本人・住まい 住民票(本籍あり、3か月以内、世帯全員) 全員
本人・住まい 賃貸借契約書、不動産登記全部事項証明書 賃貸住宅・親族所有の家に住む場合
収入 課税証明書または源泉徴収票(直近1年分)、給与明細書(直近3か月分) 給与を受けている場合
収入 生活保護受給者証、年金受給者証、雇用保険受給者証 受けている場合
借金 現在額が分かる最新の請求書・取引明細書・残高証明書 全員
借金 判決・調停調書などの債務名義、差押命令の正本 ある場合
預貯金 預貯金通帳の写し(表紙と裏面、直近1年分、申立て前1週間以内に記帳) 全員
保険・退職金 保険証券、解約返戻金(見込)額証明書、退職金(見込)額証明書 加入・見込みがある場合
車・不動産 車検証、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書 所有する場合
処分した財産 売買契約書・領収書、保険の解約返戻金が分かる資料 過去5年以内に不動産、過去2年以内に動産・保険の処分がある場合
事業 確定申告書(直近3年分)、決算書、元帳 事業をしている・していた場合
過去の免責 免責許可決定正本・再生認可決定正本 過去7年以内にある場合

債権者一覧表は、お金を返す義務のある相手をすべて書きます。新潟地裁の案内は、金融機関やクレジット会社だけでなく、家賃・学費・保育料・携帯電話代・公共料金・養育費・税金・国保などの滞納、友人や親族からの借入れ、他人の借金の保証も例に挙げています。債務の最新額は、請求書・督促状・残高証明書のコピーで示します。通帳の期間や提出する範囲の違いは、自己破産で通帳はどこまで調べられるかで詳しく扱います。

家計表の月数と通帳の期間は、裁判所ごとに違う

同じ「家計表」「通帳の写し」でも、求める期間は裁判所で違います。公表されている案内から、読み取れる範囲を表にします。

比較表:公表されている案内から見た、裁判所ごとの家計表と通帳の求め方
裁判所 家計表 通帳の写し
札幌地裁(令和6年1月版) 申立て直前の1か月分 記帳されている全ページ。申立て前1年以上の記帳があること、支払不能を意識した時期の前後の記帳があること
秋田地裁 2か月分 表紙と裏面、直近1年分。申立て前1週間以内に記帳
新潟地裁(令和3年2月改訂) 申立書の「家計の状況」欄に、同居する世帯全員分を記入 支払不能と思うようになった時期から過去1年にさかのぼる日付の記帳を含む通帳
千葉地裁(留意点) — 申立て前2週間以内に記帳した、過去2年分

この違いがあるため、ネットの体験談や他の地域の記事の月数をそのまま写してはいけません。申立てをする地方裁判所(住所地を管轄する裁判所)の書式と案内を取り寄せ、そこに書かれた月数に合わせます。裁判所は、書類の書き方や手続の一般的な説明には答えますが、自己破産をしたほうがよいかといった相談には応じません。

家計簿(家計収支表)の付け方と記入例

札幌地裁の案内を手がかりに、付け方の決まりを整理します。

  1. 期間:申立て直前の期間(札幌は1か月)を、月初から月末まで、または給料日から次の給料日の前日までで区切ります。
  2. 金額はおおよそではなく正確に:収入は通帳の振込金額・給与明細書・公的扶助の決定書の額、支出は通帳の引落し額と領収書・レシートの金額で書きます。
  3. 世帯全員分:同居している家族の収入と支出も含めます。
  4. 繰越金を確かめる:前月からの繰越金を足した収入合計と、翌月への繰越金を足した支出合計が一致するかを確かめます。繰越金が赤字になっていないか、不自然に多くないかも見ます。20万円以上の繰越があるときは、現金・預貯金の内訳を別紙(A4)で説明するよう求められています。
  5. 数か月分まとめて入る収入・出る支出は、1か月分に割る:年金、児童手当、保険料の年払いなどが対象です。
  6. 内訳が必要な欄:交通費、保険料、養育費などの送金、借金の返済、家族のローンの返済は、内容説明欄に誰の分かを書き、車検証や保険証券の写しを付けます。携帯電話代は利用明細書を見て、端末代の分割払いがあればその債務を債権者一覧表に載せます。
  7. 弁護士報酬や法テラスへの返済:支払っている場合は支出欄に書きます(法テラスで費用を立て替えるときの仕組みで扱います)。
  8. 高額な支出:理由と必要性を、別紙の上申書で説明します。

記入のイメージです。金額は書き方を示す例で、足し算は筆者の計算です。

区分 項目 金額(円)
収入 前月からの繰越金 12,000
収入 給料(手取り) 215,000
収入 収入合計 227,000
支出 家賃・駐車場 62,000
支出 食費 36,000
支出 水道光熱費 14,500
支出 通信費 8,800
支出 保険料 7,200
支出 ガソリン代・自動車関係 17,000
支出 日用品 8,000
支出 医療費 4,500
支出 借金の返済 48,000
支出 交際費 6,000
支出 その他 3,000
支出 支出合計 215,000
繰越 翌月への繰越金(227,000−215,000) 12,000

札幌地裁の案内は、家計表の収入が陳述書の職歴欄の収入と矛盾しないか、約定の毎月の支払額が経緯の記載と合っているかも確かめるよう書いています。出す前に、陳述書・債権者一覧表・家計表の数字を並べて見直します。

レシートがないときは、通帳と明細で埋める

札幌地裁の案内が求めているのは、収入は通帳の振込額・給与明細・公的扶助の決定書、支出は通帳の引落し額と領収書・レシートの金額にもとづく正確な額です。「おおよその金額ではなく」と明記されています。札幌・新潟・千葉の案内には、レシートがない現金払いをどう書くかの見本は載っていません。そのため、見本のない部分は、次の順で金額の根拠を集めて、依頼する弁護士・司法書士に書き方を確かめます。ここは、裁判所の案内ではなく筆者の整理です。

  1. 通帳・カード・電子決済の履歴で埋める:家賃、公共料金、通信費、保険料、カード払いは、通帳の引落しやカード会社・決済アプリの利用明細に額が残ります。コンビニでの公共料金の現金払いは、領収書の写しを別に出す必要があります(千葉地裁の留意点)。
  2. 現金で払った分は、引き出した額から計算する:ATMで引き出した現金の合計と、月末に手元に残った現金の差が、その月に現金で使った額の上限です。この計算の根拠は、メモに残して依頼先に見せます。
  3. 食費・日用品などへの割り振りは、依頼先に聞いて決める:現金払いを項目に分ける書き方は、裁判所と代理人の運用で違うので、自分で概算と決めて書かず、先に聞きます。
  4. これから先の分は、レシートをためる:家計表は申立て直前の期間のものです。これから申立てまでの期間が対象になるなら、領収書を取れば間に合うので、準備を始めた日から、レシートを封筒にまとめておきます。
  5. 説明のつかない支出は、そのまま書く:浪費やギャンブルへの支出を、生活費と書いてはいけません。札幌地裁は、裁判所に虚偽の説明をしたとされて免責を受けられない場合があると注意しています。

生活保護を受けている人の必要書類

生活保護を受けている人も、書類の骨格は同じです。秋田地裁の一覧表では、生活保護受給者証が収入の項目に入り、本人・配偶者・同居親族の分を出します。家計表の収入は、札幌地裁が示すとおり、通帳の振込金額と、公的扶助の決定書などの支給額で確かめます。通帳の写しには、保護費の入金も出ます。

費用の面では、弁護士・司法書士の費用を法テラスが立て替える仕組みに、生活保護を受けている人への特例があります。管財事件の予納金まで含めた扱いは生活保護を受けていても自己破産できるかと法テラスの立替えの条件で説明します。全体の流れを先に見たいときは、自己破産の流れを読んでください。裁判所に出向く場面は自己破産で裁判所に行くのは何回かにまとめています。

個人再生の申立てにも家計表を出します。再生の場合の付け方と注意は個人再生の家計簿の付け方に分けて載せるため、この記事は自己破産の書式を前提にしています。

よくある質問

Q. 家計簿は何か月分を出せばよいですか?

裁判所で違います。札幌地裁は申立て直前の1か月分、秋田地裁は2か月分と案内しています。申立てをする裁判所の書式と注意書きが基準になるので、その書式の期間に合わせます。弁護士に依頼する場合は、代理人が裁判所の運用に合わせて準備を指示します。

Q. 同居の家族の収入や支出も書くのですか?

書きます。札幌地裁の案内は、申立人だけでなく同居している世帯全員の収入と支出を書くよう求めています。家族の給与明細や領収書を見せてもらったり、事情を聞いたりして、家族の分も正確に書きます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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