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住宅ローンの借り換えで返済は軽くなる?判断の目安と注意点

この記事のもくじ
  1. 借り換えの損得は「金利差・諸費用・残り期間」で決まる
  2. 筆者の計算例:金利差で変わる総額
  3. 期間を延ばす借り換えの落とし穴
  4. すでに返済が苦しい人は、借り換えの審査に通りにくい
  5. 他の借金もあるとき
  6. 借り換えを検討する前の準備

住宅ローンの借り換えで返済が軽くなるのは、金利が十分に下がり、残りの期間が長く、諸費用を取り戻せるだけの月数が残っているときです。金利が少し下がるだけでは、諸費用を取り戻す前に終わることがあります。さらに、すでに返済が苦しい人は、借り換えの審査に通りにくい点に注意が必要です。この記事では、借り換えで減る利息と諸費用を比べる計算例を示し、払えない場合にどこへ相談するかまでを整理します。

借り換えの損得は「金利差・諸費用・残り期間」で決まる

借り換えは、いまのローンを新しいローンで完済し、新しい条件で払い直すことです。得かどうかは、次の3つで判断します。

  1. 月々の返済がいくら減るか:金利差と残高で決まります。
  2. 総返済額がいくら減るか:月々の差に残りの月数を掛けた額です。
  3. 諸費用を取り戻すのに何か月かかるか:諸費用を月々の差で割ると、取り戻すまでの月数が出ます。

住宅金融支援機構の案内も、借り換えは総返済額だけでなく、毎月の返済額と、諸費用を含めた総費用を比べるよう勧めています。借り換えに使われる主な諸費用は、金銭消費貸借契約書の印紙代、融資手数料、抵当権の設定・抹消にかかる登録免許税と司法書士報酬、火災保険料などです。

法律で金額が決まっている部分は、次のとおりです。

費用 金額の決まり方 残高2,000万円の例
契約書の印紙税 契約金額に応じて決まる。1,000万円超5,000万円以下は2万円(国税庁) 2万円
抵当権設定の登録免許税 債権金額の1,000分の4(登録免許税法 別表第一) 8万円
現在の抵当権の抹消 不動産1個につき1,000円(土地と建物で2個) 2,000円
融資手数料・保証料・司法書士報酬 金融機関や事務所ごとに違う 見積書で確かめる

最後の行の費用は商品で大きく変わるため、見積書をもらって総額に入れてください。

筆者の計算例:金利差で変わる総額

ここからは、仮の数字で筆者が計算した例です。住宅ローンの残高2,000万円、残り25年(300回)、元利均等返済、金利は借り換え前が年1.8%、借り換え後が年1.3%とします。金利は一定で、諸費用は現金で払う前提で単純にしています。

借り換えの損得の計算例(仮の数字・金利0.5ポイント差)
項目 借り換え前(年1.8%) 借り換え後(年1.3%) 差
毎月の返済額 約8万2,837円 約7万8,122円 約4,715円
25年間の返済総額 約2,485万円 約2,344万円 約141万円
諸費用(印紙2万円+登録免許税8万円+抹消0.2万円+融資手数料などに仮に30万円) - 約40万2,000円 -
差し引きの効果 - - 約101万円
諸費用を取り戻す月数 - 40万2,000円 ÷ 4,715円 約85か月(約7年1か月)

この例では、約7年1か月で諸費用を取り戻し、残りの期間で利息が減っていきます。同じ条件で、金利差が0.2ポイント(年1.8%から1.6%)だと、毎月の差は約1,907円、25年間の差は約57万円になり、諸費用の40万2,000円を引くと約17万円しか残りません。取り戻すのに約211か月(約17年7か月)かかるので、途中で売却したり、繰上返済したりすると、得にならないこともあります。

目安として、次の場合は借り換えの効果が出にくくなります。

  • 残りの期間が短い(取り戻す前にローンが終わる)
  • 金利差が小さい
  • 残高が小さく、諸費用が相対的に重い
  • 近いうちに家を売る予定がある

期間を延ばす借り換えの落とし穴

月々の返済を軽くしたいとき、金利を下げるだけでなく返済期間を延ばす方法があります。同じ例で、借り換え後の金利を年1.3%、期間を35年(420回)にすると、毎月の返済額は約5万9,296円になり、いまより約2万3,541円減ります。ただし、総返済額は約2,490万円で、借り換え前の約2,485万円より約5万3,000円増え、そこに諸費用もかかります。

つまり、期間を延ばすと月々は軽くなりますが、金利が下がっても利息を払う月数が増えるので、総額は減らないことがあります。払えない状況をしのぐ目的で期間を延ばすなら、住宅金融支援機構の返済方法の変更(返済期間の延長、一定期間の返済額の減額、ボーナス返済の変更)のほうが、手数料がかからない制度として用意されています。変更は審査があり、総返済額が増える場合があります。

すでに返済が苦しい人は、借り換えの審査に通りにくい

借り換えは新しいローンの審査なので、返済が遅れている人は不利です。理由は次のとおりです。

  • 延滞の記録:CICでは、返済日から61日以上、または3か月以上の遅れが「異動」として扱われます。異動の記録がある間は、新しい融資の審査で見られる可能性があります。
  • 返済の実績:【フラット35】借換融資の例では、申込日の前日までの1年間、正常に返済していることが条件です。
  • 返済負担率:同じ例では、すべての借入の年間返済額が年収に占める割合が、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下であることが条件です。住宅ローン以外の借金が多い人ほど、基準を超えやすくなります。
  • 審査の結果:金融機関の審査の結果によって、希望に添えないことがあります。

そのため、すでに払えない、または払えなくなりそうな人にとっては、借り換えより先に、いまの金融機関に返済方法の変更を相談するほうが、現実的な順番です。審査に申し込むと、信用情報機関に申込みの記録が残ることもあるので、通るかどうか分からないまま何社にも申し込むのは避けてください。

他の借金もあるとき

住宅ローンのほかにカードローンなどの借金があるとき、「借り換えで一緒にまとめられないか」と考える人がいます。【フラット35】借換融資は、住宅ローン以外のローンの借換えには使えないとされています。貸金業者のおまとめローンは、総量規制(年収の3分の1)の例外にあたるための条件の一つが、返済する債務がすべて貸金業者からの借入れであることです(貸金業法施行規則10条の23)。住宅ローンを含めた一本化は、この例外の枠にありません。

借金全体が重いなら、借り換えではなく、債務整理を含めた選択肢を比べる必要があります。金利が上がって払えなくなった場合は住宅ローンの金利が上がった・払えないとき、借り換えそのものの損得の考え方は借り換えとは?金利・手数料・返済期間で損得を判断する方法、払えないときの選択肢の全体図は住宅ローンが払えないときの選択肢を読んでください。

総量規制の仕組みは借金の総量規制とは?年収の3分の1を超えたときに起きることで確かめられます。

借り換えを検討する前の準備

  • 現在の金融機関から、返済予定表と残高証明書を取り寄せる
  • 借り換え先の候補の、金利、融資手数料、保証料、団体信用生命保険の条件を見積書でそろえる
  • 登録免許税、印紙税、司法書士報酬を、総額に入れる
  • 上の計算例の式で、自分の数字を入れて取り戻す月数を出す
  • 返済が遅れているなら、借り換えの前に現在の金融機関に相談する

文例:「住宅ローンの返済が苦しくなってきました。借り換えを考えていますが、その前に、返済期間の延長や返済額の見直しができるか、条件と審査の流れを教えてください。」

返済の見通しが立たず、住宅ローンを払い続けながらほかの借金を減らしたい場合は、次の記事の個人再生とは?いくら減るかの決まり方と家を残す条件・流れで、住宅ローンの特則を含めた手続きの全体を確かめてください。前の記事の車のローンが払えないときどうなる?引き上げの流れと相談先もあわせて読むと、ローン全体の優先順位をつけやすくなります。

よくある質問

Q. 金利が何ポイント下がれば、借り換えは得になりますか?

一律の数字はありません。得かどうかは、金利差、ローンの残高、残りの期間、諸費用の4つで決まります。筆者の計算例では、残高2,000万円・残り25年で金利が0.5ポイント下がると、諸費用を引いても約101万円の差になりましたが、0.2ポイントでは差が約17万円に縮みました。自分の数字で計算してください。

Q. 返済期間を延ばして月々を軽くする借り換えは、問題ありませんか?

月々は軽くなっても、総額が増えることがあります。計算例では、期間を25年から35年に延ばすと月々は約2万3,500円減りましたが、総返済額は約5万3,000円増え、諸費用も別にかかります。払えない状況をしのぐ手段として、期間を延ばす選択もありますが、総額が増えることを知ったうえで決めてください。

Q. 住宅ローンとカードローンを借り換えで1本にまとめられますか?

借り換えの対象は住宅ローンです。【フラット35】借換融資は、住宅ローン以外のローンの借換えには使えないとされています。貸金業者のおまとめローンも、総量規制の例外になる条件の一つが、返済する債務がすべて貸金業者からの借入れであることです。住宅ローンとの一本化は、商品ごとの条件を金融機関に確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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