個人再生と住宅・車のローン / 悩み整理

住宅ローンが払えないときの選択肢|銀行への相談・売却・個人再生

この記事のもくじ
  1. 払えなくなりそうな段階でまずやること
  2. 分かれ道の表:家を残したいか、収入の見込みがあるか
  3. 銀行への相談:話し方と準備
  4. 滞納が始まったあとの時期の見方
  5. 売却・個人再生・自己破産の要点

住宅ローンが払えなくなりそうなときは、滞納する前に、返済中の金融機関へ返済条件の変更を相談するのが最初の一手です。そのうえで、家を残したいか、これから払える収入の見込みがあるかで、売却、個人再生、自己破産などの道が分かれます。急いで確かめたいのは、保証会社が代わりに払った日(代位弁済)から数えて6か月という期限です。この記事では、先にやること、分かれ道の表、銀行への相談の話し方、各手続の要点を順に説明します。

払えなくなりそうな段階でまずやること

遅れが出る前なら、次の3つを1〜2日で済ませます。

  1. **契約と残高をそろえる:**金銭消費貸借契約書、返済予定表、直近の残高が分かる通知書、保証会社の名前を確認します。
  2. **家計の「入る・出る」を月ごとに書く:**手取り、ボーナスの有無、ローン以外の借金の返済、固定資産税、管理費・修繕積立金(マンションの場合)を並べて、「毎月いくらなら払えるか」を出します。作り方は借金の相談に持っていく書類と準備にあります。
  3. **返済中の金融機関に連絡する:**住宅金融支援機構は、返済でお困りのお客さま向けに返済方法の変更メニューを用意しており、申請手続は返済中の金融機関に連絡するよう案内しています。民間の銀行の住宅ローンも、まず契約した窓口が相談先になります。

この3つの途中で、ほかの借金(カードローン、リボなど)が重なっていると分かる人は、住宅ローンだけの相談では足りません。全体を見て手続を選ぶ必要があります。

分かれ道の表:家を残したいか、収入の見込みがあるか

分かれ道の早見表:住宅ローンが払えないときの選択肢
家を 収入の見込み 考える選択肢 次にすること
残したい ある(一時的に苦しい) 返済条件の変更(期間の延長など) 返済中の金融機関に、遅れる前に相談する
残したい ある(他の借金が重い) 個人再生の住宅資金特別条項 条件(抵当権・分割払いなど)を登記事項証明書で確かめ、弁護士に相談
手放してもよい ある・ない 売却(任意売却を含む) 時価とローン残高を比べ、残る借金の額を見る
手放してもよい ない(返済のめどが立たない) 自己破産 家を含む財産を換価する手続の流れを知る
迷っている どちらも 上のどれが使えるかを弁護士と確認 契約書・登記事項証明書・家計表を持って相談

表のとおり、選べる手は「家を残す」方向と「手放す」方向に大きく分かれます。残す方向は、遅れが小さいうちほど選べる手が多くなります。収入が細っておらず、条件が合うなら、借り換えで月々の返済を軽くできる場合もあります。判断の目安は住宅ローンの借り換えで返済は軽くなる?判断の目安と注意点にあります。

銀行への相談:話し方と準備

住宅金融支援機構(フラット35などの機構の融資)の返済方法変更メニューは、大きく3つのタイプです。①離職や病気などで収入が減って返済が大変になった場合、②しばらくの間、返済額を減らしたい場合、③ボーナス返済が負担になっている場合で、いずれも手数料はかかりません。ただし、変更中と変更後に返済を続けられるかが審査され、希望どおりにならないことも、変更で総返済額が増えることもあると案内されています。民間の銀行のローンは、各行が用意する形が違うので、窓口で尋ねます。応じるかどうか、どんな条件になるかは金融機関が決めます。

相談前に、次のメモをそろえます。

  • 払えなくなった理由(収入の減少、病気、離婚、ほかの借金など)と、その見込み(いつまでか)
  • 毎月払える額(家計表から出した額)
  • 希望する形(期間の延長、一定期間だけ軽くする、ボーナス払いの見直しなど)
  • 他の借金の有無と合計額

文例:「住宅ローンの返済について相談したいです。○月から収入が月○万円減り、今の返済額だと、○月以降の引き落としができなくなる見込みです。毎月○万円なら払えます。返済期間の延長など、条件を見直す方法があるか教えてください。必要な書類と、結果が出るまでの期間も知りたいです。」

話した日時・担当者・言われた内容はメモに残し、条件が決まったら書面で受け取ります。一方で、条件変更を相談している間も、結果が出るまでは契約どおりの引き落としが続くことがあります。決まるまでの返済日と引き落としをどう扱うかを、担当者にその場で聞いておきます。

相談先の窓口の案内は、借金の相談窓口はどこ?にまとめています。住宅ローンの相談先は、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「困ったときの相談窓口」のページにも、住宅金融支援機構(返済中の方の専用窓口)などが載っています。番号は同ページで確かめます。

滞納が始まったあとの時期の見方

遅れが続くと、金融機関からの督促、分割で払える権利の喪失、保証会社による代位弁済、抵当権の実行(競売)の順に進むのが一般的です。各段階の期間と、段階ごとにできることは、住宅ローンが払えないと競売に?滞納からの流れと任意売却の時期にまとめています。

この記事で押さえたいのは、代位弁済の日付だけです。民事再生法198条2項は、保証会社が保証債務の全部を履行した日から6か月を経過する日までに再生手続開始の申立てがあれば、住宅資金特別条項を定められるとしています。代位弁済のあと6か月を過ぎると、個人再生で住宅ローンを払い続ける特則が使えなくなるので、通知書の日付を見て残りを数えます。通知の見方は代位弁済の通知が届いたらにあります。

売却・個人再生・自己破産の要点

  • **売却(任意売却を含む):**住宅金融支援機構は、返済の継続が難しいとき、家を売って債務を減らす任意売却を案内しています。競売のような強制的な処分ではなく、通常の売買として進めるので、競売より高く売れる可能性があるとされています。売出価格は機構が確認し、確認していない価格では抵当権の抹消に応じられない場合があると案内されています。
  • **個人再生:**住宅ローンを契約どおり払いながら、ほかの借金を減らして分割で払う形です。住宅資金特別条項の条件と流れは個人再生で住宅ローンを払い続ける特則で説明しています。家の価値とローン残高の差による影響は個人再生のオーバーローンとアンダーローンで計算例を見られます。
  • **自己破産:**破産手続開始の時に持っている財産は破産財団に属するのが原則です(破産法34条1項)。家は換価される財産に入るのが基本なので、家を手放す前提で考えます。住み続ける方法は自己破産すると持ち家はどうなる?にあります。

住宅ローンの金利が上がったことが原因なら、条件変更の相談の順番を住宅ローンの金利が上がった・払えないときでさらに詳しく見られます。

個人再生や自己破産を考える段階では、弁護士に依頼する選択肢があります。選ぶときは、住宅ローンを残す手続の経験があるか、面談で状況を聞いて手続の見通しと費用の総額を書面で示してくれるか、を確かめます。事務所を選ぶ項目は債務整理の事務所の選び方に、無料の相談窓口は借金が返せないとき法テラスでできることにあります。

よくある質問

Q. 住宅ローンを1回遅れただけで、家を取られてしまいますか?

1回の遅れですぐに家を失うとは限りません。家を失うのは、遅れが続いて、保証会社の代位弁済や抵当権の実行(競売)まで進んだ場合です。ただ、遅れが出た後は選べる手が減っていくので、遅れる前か、遅れた直後に、返済中の金融機関へ連絡します。滞納から競売までの流れは別の記事にまとめています。

Q. 銀行に相談したら、信用情報に傷がつきますか?

相談した段階で記録が残るのか、条件変更が成立した後にどう記録されるのかは、金融機関ごとに扱いが違います。心配なときは、相談の際に信用情報への登録の有無を尋ねて、答えを書面かメールでもらいます。信用情報と住宅ローン審査の関係は、[信用情報に傷があると住宅ローンは組めない?](/shinyo-jutaku/)で扱っています。

Q. 家を売ってもローンが残るときは、どうすればよいですか?

家の売却額が残高を下回るオーバーローンのときは、抵当権を外すために金融機関の承諾が要り、残る借金の返し方を決める必要があります。残りの返済の計画を立てるには、個人再生や自己破産も含めて弁護士に相談します。家の価値と残高の差の影響は、個人再生の計算例で確かめられます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

個人再生で住宅ローンを払い続ける特則|家を残す条件と流れ

住宅ローンの金利が上がった・払えないとき|返済条件の変更と相談の順

住宅ローンが払えないと競売に?滞納からの流れと任意売却の時期

個人再生のオーバーローンとアンダーローン|家の価値で変わること