任意整理 / Q&A

任意整理中の後払い決済やキャリア決済|使えるか・対象になるか

この記事のもくじ
  1. 後払い決済・キャリア決済は任意整理の対象になるか
  2. 手続き中に使うと起きること
  3. 使う前に事務所へ確かめること
  4. 後払いに頼らない支払い方に切り替える

後払い決済(買い物の代金を翌月以降に払うサービス)やキャリア決済(携帯料金と一緒に払う仕組み)の未払いも、払う義務のあるお金なので、**任意整理で話し合う相手に入れることはできます。**たとえば au かんたん決済は携帯会社のキャリア決済、atone は後払い決済のサービスにあたります(各サービスの条件は運営会社の規約で確かめます)。ただし、対象に入れたサービスは使えなくなることがあり、キャリア決済なら携帯の契約にも影響しうるので、外すか入れるかは止まると困るかどうかで決めます。そして手続き中に新しく後払いやキャリア決済を使うのは、和解の前提になった家計に、払う見込みの立たない支払いを足すことになります。使う前に、依頼している事務所へ確かめてください。

後払い決済・キャリア決済は任意整理の対象になるか

任意整理は、弁護士や司法書士が貸主ごとに返し方を話し合う手続きです。相手はカードローンや消費者金融に限らず、代金をあとで払う約束をしている会社も含まれます。後払い決済の会社に残っている代金や、携帯会社に払う予定のキャリア決済の代金も、相手に入れて分割の話し合いを申し入れることはできます。

ただ、同じ「あと払い」でも、払う相手と法律上の扱いが違います。違いを並べると、次のとおりです。

後払いの種類ごとの違いと、任意整理で考えること
種類 払う相手 法律上の扱いの例 任意整理で考えること
翌月にまとめて払う後払い決済 後払いの会社 買ってから2か月以内に一括で払うものは、割賦販売法の「包括信用購入あっせん」の定義から外れる(2条3項1号) 残高が小さければ対象にせず払い終える選び方もある
分割払い・3回払いなど2か月を超える後払い 後払いの会社・カード会社 割賦販売法の包括信用購入あっせん。利用枠を10万円以下に限る業者は「少額包括信用購入あっせん業者」の登録で営める(35条の2の3、施行令24条) クレジットカードの分割と同じように対象に入れるか考える
キャリア決済 携帯会社など 代金が携帯料金とまとめて請求される 対象にすると携帯会社が相手になり、回線や機種代の分割にも関わる
クレジットカードで払った分 カード会社 ショッピングの分割・リボは割賦販売法の取引 カード会社を対象にすれば、その分も整理に含まれる

どの会社が信用情報機関の会員かは、CICの会員会社検索とJICCの加盟会員検索で調べられます。CICは会員会社の例として信販会社や消費者金融会社のほか携帯電話会社も挙げていて、会員の会社が扱う取引のうち登録の対象になる契約は、返済の状況が信用情報に記録されます。対象に入れた会社が会員なら、和解による返済条件の変化が記録として表れることがあります。

キャリア決済を対象にするかどうかは、携帯の扱いと切り離せません。機種代の分割払いが残っている人は、任意整理中の携帯分割はどうなるかで、機種代を対象から外すかの判断材料を先に確かめてください。

手続き中に使うと起きること

依頼してから和解して返し終わるまでの間に、新しく後払いやキャリア決済を使うと、次のような問題が起きます。

  1. 和解の計画が崩れる:事務所は、いまの収入と支出をもとに月いくらなら払えるかを出し、それで貸主と話し合います。翌月以降に後払いの請求が加われば、和解した返済に回すお金が減ります。
  2. 新しい未払いが生まれる:後払いの請求を払えなければ、その会社への延滞が新たに始まります。整理の対象を後から増やすと、費用も手間も増えます。
  3. 事務所との信頼が損なわれる:手続き中の支出を知らされないまま家計が崩れると、事務所は計画を立て直せません。手続き中の借入が委任の継続にどう関わるかは、任意整理中に新たな借り入れをした場合に起きることにまとめています。
  4. 後で自己破産に切り替えるときの問題:破産手続の開始を遅らせる目的で、信用取引で商品を買い入れて著しく不利益な条件で処分することは、免責不許可事由の一つです(破産法252条1項2号)。後払いで買った商品をすぐ売って現金にするような使い方は、この点でも避けるべきです。

とくに危ないのが「後払いで買って現金化」という誘いです。金融庁は、後払いの商品売買を装って先に現金を渡す仕組みについて、実態が業としての貸付けなら貸金業に該当し、無登録ならヤミ金融として罰則の対象になるおそれがあるとして注意を呼びかけています。誘われたときの見分け方は後払いでお金を借りるのが危険な理由で確かめてください。

使う前に事務所へ確かめること

後払い決済やキャリア決済を使う予定がある、すでに使っている、という人は、依頼する時点で事務所に伝えておくと、外すか入れるかを一緒に決められます。確かめたいのは次の項目です。

  • 使っている後払い決済・キャリア決済のサービス名と、いまの未払いの残高
  • 毎月いくらぐらい使っているか(ゲームの課金・定期購入・サブスクリプションを含む)
  • 対象に入れた場合、そのサービスやスマホの契約にどんな影響が出るか
  • 対象から外した場合、手続き中も使ってよいか、使うなら月いくらまでか
  • 和解の後、完済までの間の使い方に決まりがあるか

文例:「スマホ代と一緒に払っているキャリア決済が、毎月8,000円ほどあります。後払い決済にも2万円ほど残っています。どちらを対象に入れるべきか、手続き中に使ってよいかを教えてください。」

使い道がゲームの課金などで、やめたいのにやめられない状態なら、整理の話とあわせて、課金の止め方と相談先も考えておくと安心です。ゲーム課金で借金をしたときのキャリア決済の止め方と相談先で扱っています。

後払いに頼らない支払い方に切り替える

任意整理をすると、整理の記録がある間はクレジットカードや後払いの審査が通りにくくなります。手続きを始める前に、後払いがなくても困らない支払い方を用意しておくと、急な出費のたびに後払いへ手が伸びる流れを断てます。

  • デビットカード:使ったその場で口座から引き落とされるので、残高を超えて使えない。
  • プリペイドカード・電子マネー:先に入金した分だけ使える。
  • 公共料金や携帯料金の口座振替:カード払いにしていた支払いの引き落とし先を切り替える。
  • キャリア決済の利用上限:携帯会社の会員ページで、利用限度額を下げる・使わない設定にできるかを確かめる。

どの手段がどの場面で使えるかは、ブラックリストの間の支払い手段|デビットカード・プリペイドの使い分けが参考になります。家計の記録をつけるときは、後払いやキャリア決済で払った分も使った日に書き出すと、翌月の請求で家計が崩れるのを防げます。手続きのあとの携帯やスマホの契約への影響を全体で知りたいときは、債務整理すると携帯・スマホはどうなるかも読んでおくと、手続きの後の暮らしを見通しやすくなります。

よくある質問

Q. 任意整理の対象にしなかった後払い決済は、今までどおり使えますか?

対象にしなければ、その会社に受任通知は送られません。ただし後払いの会社が利用の審査や利用枠の見直しで信用情報を確かめることはあり、整理の記録があると利用枠が下がったり使えなくなったりすることがあります。使える前提で家計を組まず、使えなくなっても困らない支払い方法を用意しておきましょう。

Q. キャリア決済の未払いだけを任意整理することはできますか?

任意整理は話し合う相手を選べるので、携帯会社への未払いだけを相手にすることも考えられます。ただ、キャリア決済の代金は携帯料金と一緒に請求されるため、携帯会社を相手にすると回線の契約や機種代の分割にも関わります。スマホを使い続けたい人は、対象に入れる前に携帯への影響を事務所に確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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