債務整理の全体と選び方 / Q&A

債務整理すると携帯・スマホはどうなる?分割中の端末と新規契約

この記事のもくじ
  1. 債務整理で携帯・スマホが使えなくなるかは「2つの支払い」で決まる
  2. 手続き別の早見表:通信料と端末代の扱い
  3. 回線を止めないために、依頼の前後でしておくこと
  4. 債務整理の後に携帯を新しく契約・機種変更する方法
  5. 携帯の契約と信用情報の記録を確かめる

債務整理をしても、毎月の通信料を払い続けていれば、それだけで回線が止まるわけではありません。影響が出るのは、端末代を分割で払っている場合と、通信料をすでに滞納している場合です。任意整理なら端末代の分割を対象から外して払い続ける選び方ができますが、個人再生と自己破産では外せません。手続きの後に新しく端末を分割で買うのは、信用情報の記録が残っている間は難しくなるので、一括購入や手持ちの端末の利用を考えます。

債務整理で携帯・スマホが使えなくなるかは「2つの支払い」で決まる

携帯電話の請求には、性格の違う2つの支払いが混ざっています。

  • 通信料:回線を使う毎月の料金(基本料・データ通信料・通話料など)
  • 端末代の分割:スマートフォン本体を分割で買った代金。携帯会社が代金を立て替え、毎月の請求に上乗せして回収する割賦の契約

信用情報機関のCICは、会員会社の例に携帯電話会社を挙げており、端末代の分割は割賦の契約として信用情報に登録されます。通信料は回線の利用料で、端末代とは別の契約です。債務整理で問題になるのは、主にこの端末代の分割と、すでに払えていない通信料です。

手続き別の早見表:通信料と端末代の扱い

早見表:債務整理の手続き別に見る携帯の支払い
支払い 任意整理 個人再生 自己破産
滞納していない通信料 対象外。毎月払い続ける 毎月払い続ける 毎月払い続ける
滞納している通信料 対象にするかを選べる 申立て前の滞納分は債権として手続きに入れる 申立て前の滞納分は債権として手続きに入れる
端末代の分割の残り 対象にするかを選べる 債権として手続きに入れる(再生計画によらない返済は原則できない) 債権として手続きに入れる
回線の利用 通信料を払っていれば続けやすい 滞納分を手続きに入れたときの扱いは携帯会社に確かめる 同左

任意整理は、話し合う相手を選べる手続きです。端末代の分割と通信料を対象から外せば、携帯会社との契約はこれまでどおり続きます。外した分は約束どおり払い続けることが前提なので、家計表で毎月の請求額を払えるかを先に確かめます。外せる範囲の考え方は任意整理中の携帯分割はどうなる?で扱っています。

個人再生と自己破産は、全部の債権者を平等に扱う手続きです。端末代の分割が残っていれば、携帯会社(または立て替えた会社)も債権者の一人として一覧に載せます。個人再生では、手続開始の後は再生計画の定めによらない返済が原則として禁じられています(民事再生法85条1項。少額の債権を早く返す例外は、裁判所の許可が要ります=同条5項)。自己破産でも、支払不能になった後に特定の債権者にだけ返す行為は否認の対象になりえます(破産法162条1項)。義務でない返済で特定の債権者に特別の利益を与えることは、免責不許可事由にも挙がっています(252条1項3号)。「スマホだけは払い続けたい」という希望は、依頼先に正直に伝え、どう扱うかを決めてもらいます。手続きごとの詳しい扱いは個人再生で携帯・スマホはどうなる?と自己破産したら携帯・スマホはどうなる?にあります。

回線を止めないために、依頼の前後でしておくこと

携帯の回線は、仕事の連絡だけでなく、銀行や行政のサービスの本人確認、債務整理の依頼先との連絡にも使います。止まると困る場面が多いので、次の順で準備します。

  1. 請求書を2つに分けて読む:会員ページで、通信料と端末代の分割(残りの回数・残高)がそれぞれいくらかを書き出します。
  2. 滞納があるかを確かめる:滞納している月があれば、その金額と支払期限、利用停止の予告が届いているかを確認します。滞納したときの流れは携帯代を滞納したらどうなる?にまとめています。
  3. 支払い方法を確かめる:通信料をクレジットカード払いにしていて、そのカードを債務整理の対象にするなら、カードが止まる前に口座振替や払込票に切り替えます。カード払いの料金が遅れれば、カードの延滞として登録されるとCICは説明しています。
  4. 依頼先に携帯の状況を伝える:通信料・端末代・滞納の有無・支払い方法を伝え、どれを対象にするか、手続き中に毎月の請求をどう払うかを確認します。
  5. 毎月の通信料を見直す:手続き中と後は家計を締める時期です。使っていないオプションや、データ量の大きすぎるプランを見直すと、返済に回せるお金が増えます。

回線と端末の契約は別なので、端末代を手続きに入れても、通信料を期日どおり払っていれば回線の利用料の滞納にはなりません。ただ、端末代を手続きに入れた後に回線の契約をどう扱うかは携帯会社の約款と運用によります。依頼先を通じて、回線を使い続けられるかを確かめておくと安心です。

債務整理の後に携帯を新しく契約・機種変更する方法

手続きの後に困りやすいのが、新しい端末を分割で買うときです。信販会社などが間に入って端末代を分割にする契約(個別信用購入あっせん)では、割賦販売法が、契約の前に支払可能見込額を調べることを業者に義務づけています(35条の3の3第1項)。調査には指定信用情報機関の情報を使い(同条3項)、1年間の支払額が見込額を超える契約は結べません(35条の3の4)。携帯会社が自社で分割を受ける形かどうかは契約書面で確かめられますが、どちらの形でも、CICは携帯電話会社を会員会社の例に挙げています。

信用情報には、CICなら契約終了後5年間、JICCなら2019年10月1日以降の契約は契約終了後5年以内、債務整理などの記録が残ります。この間は、端末の分割の審査が通りにくいと考えておきます。

比較:記録が残っている間の携帯の持ち方
方法 割賦の審査 注意すること
端末を一括で買う なし(分割の契約をしない) まとまったお金が要る。中古や型落ちの端末なら負担が小さい
今の端末を使い続ける なし 電池の交換や修理で延命できるかを確かめる
SIMのみを契約する 端末の分割はなし 回線の契約に必要な本人確認や支払い方法を確かめる
家族の名義で契約する 名義人の家族が審査を受ける 払う責任は名義人。遅れれば家族の記録になる

回線の契約そのものの審査は、端末の割賦とは別に各社の基準で行われます。回線を新しく申し込むときは、通信料を口座振替で払えるかも含めて、契約の条件を店舗やサイトで確かめてください。

携帯の契約と信用情報の記録を確かめる

端末代の分割を手続きに入れた場合、その契約は信用情報に記録が残ります。記録がいつ消えるかは、手続きの種類と契約の終わり方で変わります。自分の記録がどうなっているかは、開示で確かめられます。

  • 端末代の分割の記録は、主にCICとJICCで見る(携帯電話会社はCICの会員会社の例に挙げられている)
  • 報告書の契約の種類や会社名の欄で、携帯会社の契約を探す
  • 記録が消えたかを確かめてから、分割の機種変更を申し込む

開示の手順は信用情報の開示のやり方に、機関ごとの年数はブラックリストの期間の早見表にまとめています。携帯と同じく毎月の支払いが続くカードの扱いは債務整理するとクレジットカードはどうなる?を、住まいのお金の話は次の債務整理すると住宅ローンは組める?を読んでください。

よくある質問

Q. 債務整理中に機種変更はできますか?

端末を分割で買う機種変更は、割賦の審査で信用情報が照会されるため、記録が残っている間は通りにくくなります。端末を一括で買う、手元の端末を使い続ける、といった方法なら割賦の審査は要りません。個人再生や自己破産の手続き中は、大きな買い物や新しい契約の前に依頼先に相談してください。

Q. 家族の名義で新しく契約してもよいですか?

家族の名義にすると、料金と端末代を払う責任は名義人の家族が負います。遅れれば家族の信用情報に記録が残るので、名義を借りるなら、誰がいくら払うかを決め、家族の口座から引き落としが遅れないようにしておきます。

Q. 携帯料金をカード払いにしているときは、どうなりますか?

カードが止まると、携帯料金の引き落とし先がなくなります。カード払いのまま遅れた分は、カードの利用分として扱われます。カードが止まる前に、携帯会社の会員ページや店舗で口座振替や払込票に切り替えておきます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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