連帯保証人の解除はできる?外れられる場合と話し合いの方法
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連帯保証人が、自分の意思だけで一方的に契約を解除して外れることは難しいのが原則です。民法の保証の条文(446条から465条の10まで)には、保証人から保証契約を解除できるという定めがありません。外れる道は、主に4つです。債権者(貸主や貸金業者、銀行など)の同意を得る、借入れや契約自体を終わらせる、錯誤・詐欺などを理由に取り消す、根保証で元本が確定して将来の分を止める、です。どれが使えるかは、保証の種類と契約の経緯で決まります。
外れる道は4つ:同意・終了・取消し・元本確定
| 道 | 中身 | 向く場面 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 債権者の同意 | 債権者と合意して保証契約を終わらせる。代わりの保証人や担保を立てることが多い | 借主が返済を続けていて、債権者が保証人を変えてもよいとするとき | 債権者が応じる義務はない |
| 契約の終了 | 完済、借換え、賃貸借の解約と精算などで、保証する債務そのものがなくなる | 借主に返済・精算の見込みがあるとき | 終了までに生じた未払い分は残りうる |
| 取消し・無効 | 錯誤、詐欺・強迫、事業用融資の情報提供義務違反などで、保証契約を取り消す。書面がなければ保証は効力を生じない | 説明と実態が違った、署名していないとき | 立証が要る。早く弁護士へ |
| 元本確定 | 根保証で、死亡・破産などにより、確定後の新しい債務が保証の対象から外れる | 保証人や借主の死亡、保証人の破産手続開始など。保証人が自分の意思で起こすものではない | 確定前に生じた債務は残る |
保証人が「やめたい」と言っても、債権者は返済の見込みを保証の有無で判断しているため、応じるかは債権者の判断です。離婚や別居、借主との不仲があっても、保証契約が自動的に終わることはありません。
債権者の同意で外れる:代わりの保証人と話し合いの手順
もっとも現実的なのは、債権者に同意してもらう方法です。債権者は、返済の見込みを見て判断します。借主が返済を続けている、完済や借換えの見込みがある、代わりの保証人や担保を出せる、といった事情は、話し合いの材料になります。応じるかどうかは債権者の判断なので、次の順で準備します。
- 契約書(保証契約書、賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書)を集め、債権者・日付・極度額の有無を確かめる。極度額が何かは連帯保証人の極度額とは?2020年の民法改正で必要になった上限の定めで説明しています
- 借主に「保証人を外したい」と伝え、完済・借換え・別の保証人のどれを用意できるか話し合う。借主が行方不明なら、債権者へ直接申し出る
- 債権者に、書面で申し出る。口頭の約束だけでは、あとで「外れていない」と言われるおそれがあります
- 債権者が同意した場合は、外れる日付、外れる範囲(どの契約のどの債務か)、すでに生じている債務の扱いを書いた合意書を取り交わす
- 代わりの保証人を立てる場合は、新しい保証人が書面で契約する(民法446条2項)。根保証なら極度額も書く(民法465条の2)
文例:「〇年〇月〇日付の〇〇契約の連帯保証人の件でご相談します。私の事情で保証を続けることが難しくなりました。借主の〇〇さんは現在も返済を続けています。保証人を外していただくか、代わりの保証人を立てる方法がないか、必要な条件を教えてください。書面でお返事をいただけると助かります。」
賃貸では、国土交通省の標準契約書Q&Aが、連帯保証人が死亡して保証が確定した場合は、貸主が借主と協議して新しい連帯保証人を立てる必要があるとしています。更新のたびに保証人が書類に署名する運用なら、更新の案内が来たときが、保証を続けるか相談する機会です。標準契約書17条は、契約が更新されても連帯保証人の負担は同じと書いているため、更新の連絡がなくても保証が続くことがあります。外れたいときは、更新の時期より前に貸主へ申し出ます。
取消し・無効を争えるのは、どんなときか
保証契約そのものが有効に成り立っていなければ、外れる以前の問題になります。次のような場面では、解除ではなく取消しや無効を考えます。
- 署名した覚えがない:保証契約は書面でしなければ効力を生じません(民法446条2項)。他人が勝手に書いた書面は、あなたの保証契約とは言えないことがあります。詳しくは勝手に連帯保証人にされていたら|署名していない保証の扱いを読んでください
- だまされた・脅された:詐欺または強迫による意思表示は取り消せます(民法96条)。「名前だけ貸して、迷惑はかけない」と言われて署名した場合などで、事実関係が問題になります
- 思い違いがあった:契約の前提となる事情の認識が真実に反し、それが契約の目的や取引の社会通念に照らして重要なときは、取り消せることがあります(民法95条)。ただし、その事情が契約の基礎とされていることが示されていた場合に限られ、本人に重大な過失があると取り消せないのが原則です
- 事業のための債務の保証で、情報が提供されなかった:主債務者が、事業のための債務の保証を頼むときは、財産・収支の状況、他の債務、担保の情報を伝えなければなりません。伝えず、または事実と違う情報を伝えたために保証人が誤認して契約し、債権者がそれを知っていた(または知ることができた)ときは、保証契約を取り消せます(民法465条の10第1・2項)。保証人が法人の場合は、この規定は使えません
取消しが認められるかは、契約までのやり取りの記録で決まります。「いつ、誰に、何を言われたか」のメモ、メールやLINEの履歴、渡された書類を残して、弁護士に見せてください。
根保証は、元本確定で将来の増加が止まる
賃貸や継続的な取引の保証のような根保証は、保証の対象になる債務が時間とともに増えます。民法465条の4第1項は、保証人の財産への強制執行の開始、保証人の破産手続開始の決定、借主または保証人の死亡などで元本が確定すると定めます。確定の3つの場合の一覧は連帯保証人の極度額とは?2020年の民法改正で必要になった上限の定めにあります。
元本が確定すると、確定後に生じた新しい債務は保証の対象外になり、確定時までの債務は責任が残ります。「解除」とは違い、すでにある責任は消えません。貸金を含む根保証には、元本確定期日の定めもあります(465条の3。契約日から5年を超える日の定めは無効、定めがなければ契約日から3年)。借主が亡くなった場合の標準契約書の扱いは、17条3項が「借主または保証人が死亡したときに元本が確定する」と書いています。
外れられないとき:払える範囲を決めて相談する
債権者の同意が得られず、取消しも難しいときは、保証人として払う可能性を前提に準備します。借主の返済状況を定期的に確かめ、請求が来たら内訳を書面で求めます(賃貸の場合は賃貸の連帯保証人の責任|家賃滞納の請求で払う範囲と請求書の確かめ方)。払える額を超える保証をしているなら、連帯保証人が払えないとき|保証人の債務整理と自己破産で債務整理の入口を確認できます。
連帯保証人と普通の保証人の違いは連帯保証人とは?保証人との違いと借金を代わりに払う範囲に整理しています。相談先の選び方は借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方から探せます。
よくある質問
Q. 離婚したら、元配偶者の連帯保証人から外れられますか?
離婚だけで保証契約が終わるという定めは、民法の保証の条文にありません。夫婦で借りた住宅ローンや、配偶者の借入れの保証人になっていた場合も、外れるには債権者の同意が必要です。離婚の話し合いと並べて、借入先に「保証人を外したい」と書面で申し出ます。離婚のときの借金の分け方は[離婚するとき借金はどうなる?財産分与と夫婦の借金の分け方](/rikon-shakkin/)にあります。
Q. 保証人を別の人に変えるときは、どんな手続きになりますか?
新しい保証人が、債権者と新しい保証契約を書面で結びます(民法446条2項)。根保証なら、新しい契約にも極度額の定めが必要です(民法465条の2)。そのうえで、債権者が元の保証人を外すことに同意した旨を書面でもらいます。新しい契約だけ結んで元の保証が残ったままになることがないよう、外れる範囲と日付を書面に書いてもらってください。
Q. 借主が亡くなったら、連帯保証人は外れますか?
賃貸のような根保証では、借主の死亡で元本が確定します(民法465条の4第1項3号)。確定までに生じていた債務は保証人の責任として残り、死亡後に新しく生じる債務は保証の対象外になります。金額が決まった特定の借入れの保証には元本確定の仕組みがなく、借主の借金は相続人が引き継ぐため(民法896条)、保証人の責任も続くのが通常です。賃貸では貸主が新しい連帯保証人を求める場面があります。亡くなった側が保証人だった場合は[連帯保証人の立場は相続される?亡くなった親が保証人だった場合](/rentai-souzoku/)を読んでください。
出典・参考にした公的な情報
- 民法 第95条・第96条・第446条・第465条の2〜第465条の4・第465条の10・第896条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)(国土交通省)
- 民法改正を受けた賃貸住宅標準契約書Q&A(国土交通省)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。