借金の基本・返せないとき / Q&A

借金があると結婚できない?相手に伝える時期と結婚後の影響

この記事のもくじ
  1. 借金があると結婚できない?相手に返済義務が生じるかの原則と例外
  2. 結婚後に影響が出やすい場面
  3. 借金を相手に打ち明ける時期の目安
  4. 相手に伝える内容と文例
  5. 結婚前に借金を整理しておく選択肢

借金があることを理由に結婚できなくなる法律の決まりはありません。また、結婚しても相手が本人の借金を返す義務を負うのは、保証人になった場合など一部の例外に限られます。気をつけたいのは法律より信頼とお金の計画です。婚姻届を出す前、遅くとも新居や住宅ローンなど二人のお金を動かす話が出る前に、借金の総額と完済までの計画を数字で伝えてください。

借金があると結婚できない?相手に返済義務が生じるかの原則と例外

民法762条は、結婚前から持っている財産と、結婚中に自分の名前で得た財産を、その人だけの財産(特有財産)としています。借金も同じ考え方で、契約したのが本人なら、返す義務を負うのは本人です。結婚して名字や住所が変わっても、借金が夫婦の共同の借金に変わるわけではありません。

ただし、相手にも返す義務が生じる形がいくつかあります。

早見表:結婚相手が借金を返す義務を負うか
借金の形 相手に返す義務 確かめること
本人の名義だけの借入れ(カードローン・リボなど) 原則なし 契約書・会員ページの名義
相手が保証人・連帯保証人になっている あり(保証の範囲で) 保証契約の書面
二人で連帯債務者になっている(ペアローンなど) あり ローンの契約書
夫婦の日常の家事のための債務 連帯して責任を負うことがある(民法761条) 何のための支払いか
本人が亡くなった後の相続 相続すれば引き継ぐ 相続放棄の期限

表の4行目の「日常の家事」は、民法761条で、夫婦の一方が日常の家事のために結んだ契約の債務について、もう一方も連帯して責任を負うと定めているものです。生活費や家賃のような暮らしのための支払いが典型とされ、本人の趣味や遊びのための借入れは範囲外とされやすいといわれますが、どこまでが範囲かは事情によって判断されます。詳しい線引きは夫婦の借金と日常家事債務の範囲で扱っています。

結婚後に影響が出やすい場面

借金そのものは本人の問題でも、結婚後の暮らしでは次の場面で影響が表に出ます。

  1. 住宅ローン・車のローンの審査:審査は申し込んだ人の信用情報や収入を見て各社が判断します。二人の収入を合わせて借りる形では、本人の返済状況が審査に関わります。
  2. 家計の手取り:結婚後に家計を一つにすると、毎月の返済額が二人の生活費から出ていくことになります。
  3. 相手が保証人を頼まれる場面:新しい借入れや借り換えで保証人を求められ、相手が保証人になると、相手の信用情報にも保証人として登録されることがあります(CIC のよくある質問)。
  4. 名字・住所の変更:契約先に登録した氏名・住所を変える手続きが要るので、会員ページや契約書の届け出の決まりを確かめます。

逆に、本人の借入れの記録が、結婚によって相手の信用情報に載る仕組みにはなっていません。信用情報は契約した本人ごとに登録され、支払能力の調査以外の目的に使うことは認められていません。

借金を相手に打ち明ける時期の目安

伝える時期に正解はありませんが、遅くなるほど相手が判断に使える時間が減ります。次の表の「この前までに」を目安にしてください。

二人の段階 この前までに伝えたい理由
婚約・両家への挨拶 結婚するかどうかを相手が考える材料になる
結婚式・新生活の費用を決める 予算と、誰がいくら出すかに関わる
婚姻届を出す 家計を一つにするかどうかを決める前に話せる
新居の賃貸契約・住宅ローンの申込み 審査や保証人の話が出る前に対策を考えられる

すでに返済日に払えていない月がある、督促が来ているといった状態なら、結婚の準備より前に伝えることを勧めます。結婚後に給料の差し押さえなどで初めて知られると、借金そのものより「隠していた」ことが二人の関係を傷つけやすいからです。

相手に伝える内容と文例

打ち明けるときは、気持ちの話だけで終わらせず、次の5つを数字で用意します。

  • 借入先と、それぞれの残高・金利
  • 毎月の返済額の合計
  • 借りた理由(生活費・学費・遊び・ギャンブルなど、隠さずに)
  • 完済の予定年月と、そのための家計の計画
  • 返済が遅れたことがあるか、督促や裁判の書類が来ているか

借入一覧の作り方は借金の返済計画の立て方にまとめています。話すときは、謝ることと、これからの計画を分けて伝えると、相手も質問しやすくなります。

文例:「結婚の前に、話しておかなければいけないことがある。カードローンとリボで、いま全部で120万円の借金がある。毎月4万円ずつ返していて、このままなら再来年の秋に終わる計画。理由は一人暮らしを始めたころの生活費。紙にまとめてきたから、見ながら聞いてほしい」

文例(相手に頼みたいことがあるとき):「返済は自分の給料から続けるつもり。ただ、家計を一つにするかどうかは、この数字を見てから一緒に決めたい。保証人をお願いすることはしない」

相手から聞かれやすいのは「ほかに隠している借金はないか」「また借りないか」「返せなくなったらどうするか」の3つです。最後の問いには、返せなくなった場合の相談先と手続きを調べてあることを示すと、相手の不安を数字と手順で受け止められます。

結婚前に借金を整理しておく選択肢

結婚までに借金を減らしておきたいときの道は、大きく4つです。①家計を見直して自力で返す、②返済日や返済額を借入先と相談する、③借金の公的な相談窓口で状況を整理してもらう、④弁護士・司法書士に依頼して債務整理をする、です。

債務整理をすると信用情報に記録が残り、一定の期間はローンやカードの審査に影響します。結婚前後で住宅ローンを考えている二人には大きな話なので、債務整理が結婚に与える影響と相手への伝え方を読んでから、相手と一緒に決めてください。手続きごとの違いは債務整理の種類の比較で確かめられます。結婚後の仕事の変化も気になる人は、借金があると転職で不利になるかに続けて読んでください。

よくある質問

Q. 結婚したら、相手の収入から借金を返してもらってもよいですか?

夫婦で話し合って家計から返す形をとる人もいますが、借金の名義は本人のままで、相手に返す義務が移るわけではありません。相手が本人の借金を代わりに払うと、贈与とみなされる場合があります(相続税法8条)。金額が大きいときは、税務署に扱いを確かめてから決めてください。

Q. 相手の親にも借金のことを伝えるべきですか?

法律上、相手の親に伝える義務はありません。ただ、両家の援助で新居を借りる・結婚式の費用を分ける・住宅ローンの連帯保証を頼むといった話が出るなら、お金の話が親に及ぶ前に、相手と二人で伝えるかどうかと伝える範囲を決めておくと行き違いを防げます。

Q. 借金を打ち明ける勇気が出ないときは、どうすればよいですか?

気持ちを話す前に、借入一覧と返済計画を紙にまとめてください。数字がそろうと「どれだけ悪いか」ではなく「いつまでにどう返すか」の話として切り出しやすくなります。それでも一人で抱えきれないときは、先に公的な相談窓口で返済の見通しを整理してから話す方法もあります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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