ヤミ金・依存・追い詰められたとき / 制度解説

ギャンブル依存症と借金|治療・相談の窓口と回復の進め方

この記事のもくじ
  1. ギャンブル等依存症対策基本法が決めている体制
  2. 治療・相談の窓口を探す
  3. 治療の中身:心理療法と、自助グループとの併用
  4. 「カウンセリング」は2種類ある:依存症のカウンセリングと借金のカウンセリング
  5. 回復の進め方:借金を後回しにしない

ギャンブル依存症と借金の悩みは、保健所・精神保健福祉センター・依存症の専門医療機関という「治療・相談の窓口」と、財務局や法テラスなどの「借金の窓口」を並べて使うのが基本です。ギャンブル等依存症対策基本法は、国と地方公共団体に、相談支援と専門的な医療の体制づくりを求めています。本人だけでなく家族も、窓口を使えます。

すぐ動きたい人は、次の2つから始めてください。

  1. お住まいの地域の保健所か精神保健福祉センターに電話し、ギャンブルの相談ができるか、予約が要るかを聞く
  2. 借金の全体が分かる範囲で書き出し、借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方で借金の窓口を選ぶ

死にたい気持ちが強いときは、治療の話より先に、借金で死にたいと思ったとき|24時間つながる相談先と最初の一歩の24時間の相談先に電話してください。

ギャンブル等依存症対策基本法が決めている体制

基本法(平成30年法律第74号)は、ギャンブル等依存症が本人と家族の日常生活・社会生活に支障を生じさせ、多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪などの重大な社会問題を生んでいることを前提に、対策を進めると目的に書いています(1条)。ギャンブル等には、公営競技、ぱちんこ屋の遊技、その他の射幸行為が含まれます(2条)。

条文の中で、窓口や医療に関わる部分を整理します。

早見表:基本法の条文と、使える窓口の対応
条文 定めていること 読者にとっての意味
3条 発症・進行・再発の各段階に応じた対策と、本人・家族が日常生活を送れるようにする支援。多重債務などの問題との連携 治療と借金の相談は、つなげて使う前提になっている
16条 住んでいる地域にかかわらず適切な医療を受けられるよう、専門的な医療を行う医療機関などを整える 専門医療機関の整備が国と自治体の責務
17条 精神保健福祉センター、保健所、消費生活センター、日本司法支援センター(法テラス)での相談支援の体制を整える 依存症と借金の両方を、公的な窓口で相談できる
19条 当事者が支え合う民間団体の自発的な活動を支援する 自助グループや家族会は公的な位置づけの支援対象
20条 医療機関、センター、保健所、消費生活センター、法テラス、民間団体などの連携協力体制の整備 窓口をまたいだ紹介が想定されている

このほか、基本法には、インターネットで違法に行われるオンラインギャンブルの情報を国内の不特定の人に示す行為などを禁じる規定(9条の2)があります。5月14日から20日はギャンブル等依存症問題啓発週間(10条)、政府は3年ごとに実態調査をして公表します(23条)。条文の全文は、e-Gov法令検索で読めます。

治療・相談の窓口を探す

厚生労働省は、依存症の相談を受ける機関として、保健所、精神保健福祉センター、依存症相談拠点、自助グループ・回復支援施設、家族会を挙げています。都道府県と指定都市では、「依存症対策地域支援事業」で依存症相談員を置く相談拠点を整えています。

窓口 内容 探し方
保健所 こころの健康、医療、福祉の相談に加え、ギャンブル等依存症の家族の相談も受ける 市区町村・保健所のサイトで担当地域を確認
精神保健福祉センター 精神保健福祉全般の相談。家族教室や家族会を開くところもある 全国精神保健福祉センター長会の一覧
依存症相談拠点・専門医療機関 依存症の専門的な相談と治療 依存症対策全国センターの検索ツール(都道府県から探せる)
精神科病院・クリニック 依存症の専門治療をしていない病院もある 受診前にホームページか電話で確認

選ぶときのコツは、最初の1回を「相談」と決めることです。治療を始めるかどうかは、話を聞いてから考えられます。電話の第一声は「ギャンブルをやめられず借金もあるが、本人が相談できるか」で足ります。

治療の中身:心理療法と、自助グループとの併用

依存症対策全国センターは、心理療法を、依存症の治療でもっとも頻繁に使われる方法として紹介しています。代表例は認知行動療法で、ギャンブルを続けてしまう理由(気分がよくなる、嫌なことを忘れられるなど)を学習の仕組みとして理解し、引き金や考え方の癖に気づいて、意識的に対処する練習をします。ほかに、マインドフルネスやソーシャルスキルトレーニングを行う施設や、似た境遇の人と話すグループセラピーを行う施設があります。

自助グループは、同じ問題を抱える人が自発的に集まり、体験や思いを分かち合う場です。当事者以外の専門家に運営を任せない独立したグループであることが特徴で、医療機関での治療と並行して参加できます。ギャンブルの分野では、次の団体が同センターの一覧に載っています。

対象 団体
当事者 ギャンブラーズ・アノニマス(GA)
家族・友人 ギャマノン、全国ギャンブル依存症家族の会、GAFA(ギャンブルに問題を持つ人の家族や友人のための会)

電話番号とウェブサイトは、同センターの自助グループのページに、最新のものが載っています。ミーティングには、当事者だけの回と、家族や関係者も参加できるオープンの回があるので、参加前に各団体のサイトで確認してください。女性だけのミーティングが開かれている団体もあります。

特定の団体の効果を保証するものではなく、相性もあります。自助グループは医療機関の治療と並行して使えるので、どちらか一方に決める必要はありません。最初の1回は「聞くだけ」で構いません。

「カウンセリング」は2種類ある:依存症のカウンセリングと借金のカウンセリング

「ギャンブル 借金 カウンセリング」で検索する人は、次の2つを混同しがちです。

依存症のカウンセリング・心理療法 借金のカウンセリング
扱うこと ギャンブルをしてしまう気持ち、引き金、行動のパターン 家計の把握、返済方法、債務整理の選び方
場所 依存症の専門医療機関、精神保健福祉センター、保健所 日本クレジットカウンセリング協会、財務局の窓口、弁護士会・司法書士会
目的 やめ続けること 借金を返す道筋を決めること

日本クレジットカウンセリング協会の「多重債務ほっとライン」は、公益財団法人として相談料金はかからないと案内し、カウンセリングで家計・生活や返済・整理の方法を扱い、可能な場合は無料で任意整理を行うとしています。流れは、電話相談、面接カウンセリングの予約、来所してのカウンセリングです。センターの所在地や混雑時の予約は、協会のサイトで確かめてください。番号と受付時間は借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方にあります。

回復の進め方:借金を後回しにしない

回復は一直線には進みません。依存症対策全国センターは、やめている最中にもう一度ギャンブルをしてしまう「スリップ」は回復の途中で非常によく起こると説明し、すぐに専門の医療機関に行って再びやめることを勧めています。スリップを一度も経験しない人のほうが少ない、とも書かれています。

目安として、次の順に進めると、借金とのバランスを取りやすくなります。

  1. 相談する。 保健所か精神保健福祉センターで、ギャンブルの相談の入口に立つ
  2. 借入れを止める。 貸付自粛制度などで、新しく借りられない状況をつくる(手順は家族のギャンブルの借金|肩代わりの前に知る相談先と貸付自粛制度に整理しています)
  3. 借金を書き出す。 借入先、残高、毎月の返済額を一覧にする
  4. 借金の整理を相談する。 債務整理の種類は債務整理の種類を比較|任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の違いで確認できる
  5. 続ける場所を決める。 通院、自助グループ、家族の会など、毎週または毎月通える場所を持つ

ギャンブルでできた借金でも、自己破産の申立てはできます。免責の判断には経緯が考慮されるので、浪費やギャンブルの借金でも自己破産できる?裁量免責の考え方で仕組みを確かめてください。パチンコが中心なら、パチンコの借金がやめられないとき|依存の相談先と返済の整理も参考になります。

買い物がやめられず借金が増えている場合、ギャンブルの窓口がそのまま使えるかは自治体によって違います。精神保健福祉センターで相談できるかを含め、買い物依存症で借金が増えたとき|相談窓口と支払いの整理で案内しています。

よくある質問

Q. ギャンブル依存症は、治療で治りますか?

厚生労働省は、依存症について「回復することは可能」とし、専門機関への相談や自助グループなどの支援を受けながら、ギャンブルなどに頼らない生活を目指せると説明しています。糖尿病や高血圧のような慢性疾患といわれ、付き合い続ける姿勢も要ります。依存症対策全国センターは、やめている途中でもう一度してしまう「スリップ」は回復の途中でよく起こると説明しています。そうなったときは、すぐ相談先に話して、またやめることを勧めています。

Q. 借金が残ったままでも、治療や自助グループに行けますか?

行けます。借金の整理と依存症の相談は、片方が終わるのを待つ必要がありません。基本法も、依存症の窓口と、消費生活センターや法テラスなど借金の窓口が連携することを求めています(20条)。借金の窓口の選び方は、ギャンブルの借金と家族の記事で整理しています。

Q. 「カウンセリング」と言われると、借金の相談とどう違いますか?

依存症の心理療法やカウンセリングは、ギャンブルを続けてしまう気持ちや行動のパターンに向き合う医療・相談の領域です。借金のカウンセリングは、家計や返済方法、債務整理を整理する相談で、日本クレジットカウンセリング協会などが行っています。両方が必要な人が多いので、並行して使ってください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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