パチンコの借金がやめられないとき|依存の相談先と返済の整理
この記事のもくじ
パチンコの借金がやめられない状態は、意思が弱いからではなく、依存症という病気の可能性があります。ギャンブル等依存症対策基本法は、ぱちんこ屋の遊技も対象に含めており、保健所や精神保健福祉センターが相談を受けています。借金が増えているなら、「①借入れを止める」「②依存の相談をする」「③借金を書き出して整理する」を同じ時期に始めるのが現実的な進め方です。
今日1円でも借りないために、まず次の3つを決めてください。この記事の下の節で、それぞれの具体的なやり方を説明します。
- 新しい借入れ、カードのキャッシング、後払い現金化をしない
- 手持ちのお金と給料の振込口座を、遊技に使えない状態にする(家族や専門家に管理を手伝ってもらう)
- 保健所か精神保健福祉センターに電話して、予約を取る
借金で追い詰められて眠れない、「死にたい」と考えてしまうときは、借金で死にたいと思ったとき|24時間つながる相談先と最初の一歩に、24時間つながる相談先を載せています。
やめられないのは、依存症のサインかもしれない
依存症対策全国センター(国立病院機構久里浜医療センターが運営)は、ギャンブル依存症について、人生に大きな損害が出ても、したい衝動が抑えられない状態と説明しています。症状の例として挙げられているものを、パチンコに置き換えて確かめてください。
- 勝ったときの興奮を求めて、使う金額がどんどん増える
- やめようと努力したことがある(けれど続かなかった)
- つらい気分を紛らわすために打つ
- 負けた分を、打って取り戻そうとして、また戻ってしまう
- 打っていることを隠すために嘘をつく
- 打つために借金をし、誰かにお金を無心した
同センターは、少しでも当てはまるなら、お住まいの精神保健福祉センターか専門の医療機関に相談するよう案内しています。「自分は大丈夫」と考える前に、専門の窓口に話してみてください。自分では認められない気持ちがあっても、まず状況を話すところから始められます。
依存症対策全国センターの説明では、治療の中心になる心理療法の一つが認知行動療法です。「イライラしているときにパチンコをしたらすっきりした」といった経験から、遊技と気分の改善が結びついてしまう仕組みを理解し、引き金に気づいて対処する練習をします。入院や一定のプログラムが終わっても完璧に身につくものではなく、日々の練習を続けることが大切だとされています。
相談先:保健所・精神保健福祉センター・専門医療機関
| 相談先 | 何をしてくれるか(厚生労働省の案内) | 準備しておくこと |
|---|---|---|
| 保健所 | 電話や面談で、依存症の相談を受ける。希望すれば保健師の訪問もある | 面談や訪問は事前に電話予約。お住まいの担当保健所を調べる |
| 精神保健福祉センター | 都道府県・政令指定都市ごとに1か所(東京都は3か所)。依存症の本人・家族の相談を電話や面接で受ける | 事業内容はセンターごとに違うので、電話で確かめる |
| 依存症相談拠点・専門医療機関 | 依存症対策全国センターのサイトで検索できる | 受診前に、ギャンブルの診療をしているかを確かめる |
| 自助グループ | 当事者が集まって体験を語り合う(ギャンブラーズ・アノニマスなど) | 受付時間は各団体のサイトで確認。治療と並行できる |
病院選びでは、精神科でも依存症の専門治療をしていないところがあります。電話かホームページで、ギャンブル(ぱちんこ)の相談や治療を受けているかを確認してください。相談先の探し方と自助グループの全体像は、ギャンブル依存症と借金|治療・相談の窓口と回復の進め方で、家族ができることは家族のギャンブルの借金|肩代わりの前に知る相談先と貸付自粛制度で説明しています。
窓口へ電話するときの話し方の例です。
文例:「パチンコがやめられず、借金が増えて困っています。依存症かどうか見てもらいたいのですが、本人が相談できますか。借金の整理の相談先も教えてください。」
パチンコ固有の相談先:RSNの電話相談とホールの申告プログラム
パチンコ・パチスロの依存には、専門の電話相談もあります。認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)が、遊技の依存で悩む本人と家族の電話相談を行っています。相談は無料ですが通話料は自己負担で、主に地域の公的機関や相互援助グループを紹介する窓口です。特定のホールへの苦情や金銭の貸与、医療機関の紹介は扱いません。電話番号と受付時間は変わることがあるため、公式サイト(rsn-sakura.jp)の電話相談のページで、かける前に確かめてください。
また、ぱちんこ業界には、依存対策として「自己申告・家族申告プログラム」があります。仕組みと申込み方法はホールごとに違うことがあるため、利用したいときは来店するホールのスタッフに尋ねてください。借入れを止める仕組みとは別に、通う場所の側で歯止めをかける方法です。
借入れを止める:今日からできる仕組み
借金が増えるのを止める仕組みを、4つ整理します。
- 貸付自粛制度に申告する。 日本貸金業協会か全国銀行個人信用情報センターに申告すると、信用情報機関に貸付自粛の情報が登録され、会員の銀行や貸金業者が審査で使います。登録期間は申告日から5年を超えない期間で、原則として3か月は撤回できません。会員の判断を拘束するものではないので、借入れが完全に止まる保証はありません。申告できるのは原則として本人です。手続きは家族のギャンブルの借金|肩代わりの前に知る相談先と貸付自粛制度の表にまとめています。
- カードを物理的に手放す。 キャッシングの枠があるカードや、カードローンのアプリは、家族や信頼できる人に預けるか、解約の手続きをします。
- お金の通り道を変える。 給料の振込先と生活費の口座を分け、遊技に使える現金を手元に置かない仕組みにします。家計の管理を家族に手伝ってもらう方法もあります。
- ヤミ金・個人間融資・後払い現金化に近づかない。 追い詰められると、審査のない借入れの勧誘に手が伸びます。手口はSNSの個人間融資は危ない|給与ファクタリングの手口と相談先と後払いでお金を借りるのは危険?ツケ払い現金化がヤミ金にあたるおそれで確かめてください。
借金を書き出す表と、状況別の整理の道
借金の整理は、金額と状況が見えないと相談先も動けません。次の項目を、紙かスマホのメモに書き出してください。分からない欄は空白で構いません。
| 借入先 | 借りた時期 | 残高 | 毎月の返済額 | 滞納の有無 |
|---|---|---|---|---|
| (例:カード会社A、消費者金融B、家族、知人など) |
次に、1か月の収入と、必要な支出(家賃、食費、光熱費、通信費、保険、税金など)を書き、返済に回せる額を出します。パチンコに使っていた金額も、使った実額で書き出してください。使った額を数えることは、責めるためではなく、現実を知るための作業です。
借金の整理は、状況に応じて道が分かれます。
| 状況の目安 | 考えられる道 | 詳しい説明 |
|---|---|---|
| 毎月の返済は続けられるが苦しい | 家計の見直し、公的窓口での相談 | 借金が返せないときに最初にやる5つのこと|放置した場合の流れも |
| 返済が難しくなってきた | 債務整理(任意整理、個人再生、自己破産、特定調停) | 債務整理の種類を比較|任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の違い |
| ギャンブルや浪費が借金の原因 | 自己破産の申立ては可能。免責は経緯を含め裁判所が判断する | 浪費やギャンブルの借金でも自己破産できる?裁量免責の考え方 |
どの道を選ぶかは、収入、借金の額、財産、家族の状況によって変わります。個別の判断は弁護士や司法書士の仕事で、このページでは決められません。無料で相談できる窓口は、借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方で確かめられます。
スリップしたときの考え方
やめている途中で、一度だけ打ってしまうことを、依存症対策全国センターは「スリップ」と呼んでいます。回復の途中では非常によく起こることで、一度も経験せずに回復する人のほうが少ない、と同センターは説明しています。
大切なのは、スリップを放置して打ち続けないことです。スリップは再発のきっかけであって、再発そのものではありません。すぐに打つのをやめ、相談先に正直に話してください。「やめられなかった」という事実を隠すと、嘘が積み重なり、借金の発覚が遅れます。
家族に打ち明けるのが怖いときは、先に保健所や精神保健福祉センターへ相談して、話し方を一緒に考えてもらう方法があります。借金が見つかってしまった家族の側の動き方は、家族のギャンブルの借金|肩代わりの前に知る相談先と貸付自粛制度にまとめています。
よくある質問
Q. パチンコは、法律上のギャンブルに含まれますか?
ギャンブル等依存症対策基本法は、ギャンブル等を「法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為」と定めています(2条)。ぱちんこの遊技も、依存症対策の対象に入っています。「趣味だから」と相談を遠ざけず、生活やお金に支障が出ているなら窓口に話してください。
Q. 少額ずつしか打っていないのに、依存症といえますか?
診断は医療機関が行うもので、金額だけでは決まりません。依存症対策全国センターは、やめようと努力したことがある、つらい気分を紛らわすために遊技する、負けた分を取り返そうとして戻る、借金を作って誰かにお金を無心した、などを症状の例に挙げています。いくつか当てはまれば、保健所や精神保健福祉センターに相談してください。
Q. 借金を返し終えれば、パチンコはやめられますか?
借金を整理しても、やめられない状態が残っていると、再び借りてしまうおそれがあります。依存症対策全国センターは、借金問題を解決しても、原因の依存症に向き合わなければ借金を繰り返し、問題が悪化していくと説明しています。借金の整理と、依存の相談を並行して進めてください。
出典・参考にした公的な情報
- ギャンブル等依存症対策基本法(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- ギャンブル依存症の症状とサイン(依存症対策全国センター)
- 身近な人がギャンブル依存症なのでは?と心配な方へ(依存症対策全国センター)
- 依存症のための心理療法(依存症対策全国センター)
- もしもスリップしてしまったら(依存症対策全国センター)
- 依存症対策(相談機関等)(厚生労働省)
- 貸付自粛制度のご案内(全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター))
- 多重債務相談窓口リーフレット2026(東京都版)(金融庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。