時効と過払い金 / チェックリスト

借金の時効が成立しているか確かめる項目|最後の返済日と裁判

この記事のもくじ
  1. 確認する5つの項目(チェック表)
  2. ① 最後の返済日:数え始めの日は1つではない
  3. ② 契約の時期と種類:2020年4月1日をまたぐ場合
  4. ③ 裁判・支払督促・差押え:10年になるケース
  5. ④ 途中の支払いと約束:承認で数え直しになる可能性
  6. 調べ方:取引履歴と信用情報

借金の時効が成立しているかを確かめるには、①最後に返済した日、②契約した時期(2020年4月1日の前か後か)、③裁判・支払督促・差押えの有無、④途中で払った・約束した記録、⑤債権が別の会社に移っていないかの5つを、取引履歴などの書類で調べます。この記事は5項目のチェック表と、それぞれの調べ方を示すもので、時効が成立したかどうかの判定はしません。判定は事情によって変わるため、結果は弁護士や認定司法書士に見せて確かめます。

確認する5つの項目(チェック表)

チェック表:時効の成立を確かめる5項目と調べ方
項目 確かめること 調べ方
① 最後の返済日 最後に返済した日、最初に払えなかった約定の返済日、一括請求を受けた日 取引履歴、通帳の引き落とし記録
② 契約の時期と種類 契約日が2020年(令和2年)4月1日より前か後か。貸金業者か個人間か 契約書、取引履歴の最初の取引日
③ 裁判や支払督促 訴状、支払督促、判決書、差押えの通知が来たことはないか 手元の書類、住所を変えた人は旧住所に届いた郵便
④ 承認の有無 一部を払った、返済を約束した、借金を認める書面に署名した 取引履歴の入金日、メール・書面の控え
⑤ 請求元 督促状の差出人が、契約した会社と同じか 届いた請求書の社名、取引履歴の発行元

5項目すべてに「問題なし」の見通しが立ってはじめて、援用を考える段階になります。1つでも「不明」があるときは、時効が成立しているとは決められません。

① 最後の返済日:数え始めの日は1つではない

時効の期間は、権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年です(民法166条1項)。いずれか早いほうが過ぎれば、時効が完成します。カードローンやキャッシングのように、借りた会社が請求できる時期を最初から知っている債権は、通常はこの2つが重なるので、5年が目安になる、という一般的な説明になります。

ただし、数え始めの日は「最後に返済した日」と決まっているわけではありません。分割払いの契約では、約定の返済日ごとに請求できる時が来る場合があります。返済が遅れたときに残りの全額を一括で請求できる契約(期限の利益の喪失の約定)の場合は、その日が基準になる場合もあります。契約書や取引履歴で、次の3つの日付を拾い出して、メモに並べてください。

  1. 最後に返済した日(入金のあった日)
  2. 最初に払えなかった約定の返済日
  3. 一括請求の通知を受けた日(届いた書類に書いてあれば)

② 契約の時期と種類:2020年4月1日をまたぐ場合

民法の債権の規定は、2020年(令和2年)4月1日に改正されました。施行日より前に生じた債権の時効の期間は、改正前の旧法の例によります。契約などの原因が施行日前にあった場合も含まれます(改正法の附則10条)。法務省の資料によると、旧法では貸金業者などの会社からの借入れは商事の時効で5年、個人間の貸し借りは10年が目安として表に示されています。

つまり、2020年3月31日以前に結んだカードや借入の契約は、期間が5年になるのか、他の期間になるのかを、契約の種類から確かめる必要があります。リボ・カードの基本契約のように、契約は古く、借入れの時期が新しい場合に、どちらの法を当てはめるかは個別の判断になります。この点も、専門家に見てもらうところです。時効の期間と改正の違いは民法改正で借金の時効はどう変わった?2020年4月前後の違いでも説明しています。

③ 裁判・支払督促・差押え:10年になるケース

次の手続があったかを調べます。

  • 裁判(訴訟):訴状が届き、判決が確定した場合、時効の期間は10年になります(民法169条)。
  • 支払督促:裁判所の書記官が出す督促です。受け取って2週間以内に異議を出さないと、債権者の申立てで仮執行宣言が付き、さらに異議なく確定すると確定判決と同じ効力を持ちます(民事訴訟法391条・396条)。確定した場合は10年です。
  • 差押え:給料や預金の差押えがあった場合は、手続が終わるまで時効は完成せず、終わった時から新たに進みます(民法148条)。

引っ越しなどで届いた書類を見ていない人や、「裁判所からの封筒を開けなかった」記憶のある人は、特に注意します。確定した判決や支払督促があった借金の時効は判決が出た借金の時効は10年にまとめています。手元の書類が分からないときは、債権者に電話をしてはいけません(話した内容が承認とされるおそれがあるためです)。裁判所名と事件番号の有無だけを書面で尋ねる、先に簡易裁判所に問い合わせる、弁護士・認定司法書士に調べてもらう、のいずれかにします。

④ 途中の支払いと約束:承認で数え直しになる可能性

一部を払う、分割の約束をする、借金があると認める書面に署名する、といった行為は「承認」にあたるとされ、承認があると時効は新たに進み始めます(民法152条)。条文に例示はなく、どの行為が承認にあたるかは裁判例や解釈の話です。「1円でも払ったら更新される」と言い切るのではなく、「更新される可能性がある」と考えて、取引履歴の入金日を1行ずつ確かめます。電話やメールで「払います」と伝えた記憶があるかも、思い出して書き出します。

時効の期間が過ぎたあとの支払いや承認で、援用できなくなる場合もあるとされています。業者から連絡が来ても、調べがつくまで支払いの約束はしません。更新の仕組みは借金の時効の更新と完成猶予で説明しています。

調べ方:取引履歴と信用情報

取引履歴:貸金業者は取引の帳簿を備え、債務者の閲覧・謄写の請求を原則として断れません(貸金業法19条・19条の2)。履歴には、最初に借りた日、返済のたびの入金日、残高が記録されているので、①②④の確認の中心になります。請求の手順は自分の借金を調べる方法に書いています。

信用情報:CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターに開示を申し込むと、会社名、契約の種類、契約の終了、返済の状況が分かります。借入先が分からないときの手がかりになります。ただし、登録の期間は、CICが契約の終了から5年、JICCの2019年10月1日以降の契約が契約終了後5年以内、全国銀行個人信用情報センターが契約終了日から5年を超えない期間など、機関ごとの決まりで、時効の期間ではありません。開示の手順と最新の受付状況は信用情報の開示のやり方にあります。

チェックが終わったら

5項目の結果は、日付つきの一覧にまとめます。時効が成立しているかの判断は、借金の時効は5年?援用の仕組みと時効が止まる・やり直しになる場合で説明した考え方に、あなたの事情を当てはめる作業です。この当てはめは、弁護士や認定司法書士が行います。費用と依頼の違いは借金の時効援用を弁護士・司法書士に頼む費用と自分でする違いにまとめています。援用をしたあとに起きることは借金の時効援用をした後はどうなる?で確かめられます。

よくある質問

Q. 信用情報に自分の借金の記録がなければ、時効が成立したと言えますか?

言えません。信用情報の登録期間は、契約が終わってから5年を超えない期間などで、時効の期間とは別の仕組みです。記録が消えていても、借金そのものが消えたわけではありません。時効が成立したかは、最後の返済日、契約の時期、裁判の有無などで決まります。

Q. 督促状が何年も届いていなければ、時効が成立していますか?

届いていないことだけでは決まりません。督促状(催告)で延びる期間は6か月で、時効を数え直す事由ではありません。一方で、裁判や支払督促が引っ越し前の住所で進んでいた場合は、知らないうちに期間が10年になっていることもあります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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