債務整理の全体と選び方 / 手順

借金の減額相談の流れ|広告から申し込んで契約するまでの5段階

この記事のもくじ
  1. 相談の流れと、各段階で確かめること
  2. 1・2 申し込みと電話での聞き取り:入力だけでは何も決まらない
  3. 3 面談:方針と不利益の説明を受ける
  4. 4 方針と見積もり:総額を書面で出してもらう
  5. 5 契約:結ぶ前と結んだ後に確かめること
  6. 急がされたときと、断るとき

広告の「借金減額」から相談を申し込むと、一般には、申し込み、電話での聞き取り、面談、方針と見積もりの説明、契約の順に進みます。申し込みから面談までは相談で、費用がかかる契約を結ぶのは最後です。相談しただけで契約にはならず、見積もりに納得できなければ、どの段階でも断れます。各段階で何を聞かれ、何を確かめるのかを知っておくと、相手のペースで進められてしまうことを避けられます。

相談の流れと、各段階で確かめること

まず全体を表にします。

早見表:借金の減額相談の5段階
段階 起きること 自分が確かめること
1 申し込み フォーム・電話・LINEなどで名前と連絡先、借入の概要を伝える 運営しているのが弁護士・司法書士の事務所か。相談料はかかるか
2 電話での聞き取り 借入先の数、残高、収入、面談の日時を聞かれる 面談で話すのが誰か(資格者本人か)
3 面談 債務・資産・収入・生活の状況を詳しく話し、方針の説明を受ける 不利益の説明があったか。借入先ごとの方針が分かるか
4 方針と見積もり 手続きの種類、費用の内訳、期間の説明を受ける 書面で総額と内訳が出るか
5 契約 委任契約書を取り交わし、費用を払う 契約書の内容。払う先の口座。途中でやめたときの扱い

1・2 申し込みと電話での聞き取り:入力だけでは何も決まらない

減額診断のフォームや電話窓口で、借入先の数や残高、年収などを入力します。この段階では、方針も費用も決まりません。入力の結果として出る「減額の目安」の数字は、実際の取引の履歴を調べる前のものです。診断の仕組みは借金減額診断とは?仕組みと使う前に知っておきたい注意点で説明しています。

申し込むときに確かめることは3つです。

  • 運営しているのが、弁護士法人・司法書士法人、または個人の弁護士・司法書士の事務所か。
  • 相談料がかかるか。無料の相談をうたう事務所でも、時間や回数に条件があることがあるので、予約のときに聞きます。
  • 連絡の方法。自宅への郵便や電話が困るときは、このときに伝えます。

日本弁護士連合会の規程は、弁護士が債務整理の広告を出すときは、受任する弁護士との面談が必要なことを表示するよう努めるものとしています。面談がいらないと言い切る案内は、慎重に読みます。

電話での聞き取り:話す内容を整理しておく

申し込みのあと、事務所の担当者から電話があり、借入先の数、おおよその残高、収入、返済が遅れているかどうか、面談の日時を聞かれます。ここで聞かれるのは面談の準備で、方針の決定ではありません。

手元にそろえておくとよいものは次のとおりです。

  1. 借入先の名前と、おおよその残高の一覧(分からない分は「不明」でよい)
  2. 毎月の収入と、家賃・光熱費などの支出
  3. 督促状や裁判所からの書類があれば、その現物
  4. 通帳、給与明細など、収入が分かるもの

準備の詳しい中身は借金の相談に持っていく書類と準備|借入一覧と家計表の作り方にあります。揃っていなくても、相談は始められます。

この電話で、面談を担当するのが弁護士・司法書士本人か、事務員かを聞いておきます。日本司法書士会連合会の指針は、受任する司法書士自身が、依頼者と直接面談することを求めています。弁護士にも同じ趣旨で、受任予定の弁護士が自ら面談して聴き取ることを求める日弁連の規程があります。

3 面談:方針と不利益の説明を受ける

面談では、債務の内容、本人(生計を同じくする家族がいるときはその家族を含む)の資産・収入・生活費などを詳しく聞かれます。そのうえで、手続きの種類、見通し、費用、予想される不利益の説明があります。

説明を受けたかを、面談の最後に自分で点検します。

  • 任意整理・個人再生・自己破産・特定調停のうち、自分にはどれを勧める理由があるのか。
  • 信用情報機関に登録されて、カードやローンが使いにくくなる期間があること。
  • 自己破産の場合、一定の仕事に就けない期間があること、家などの財産を失う可能性があること。
  • 保証人がいる借入は、保証人に請求が行く可能性があること。

日弁連の規程は、事件処理の方針・見通し、費用、不利益事項の説明を求めています。日本司法書士会連合会の指針も、見通しと予想される不利益の説明を求めており、その解説は不利益の例として、信用情報機関への登録、破産の資格制限、不動産や所有権留保の車を失う可能性、保証人への一括請求の可能性を挙げています。メリットだけを話して、不利益に触れない面談は、立ち止まる理由になります。

利用できる公的な制度として、収入が少ないときの法テラス(日本司法支援センター)の費用の立替えがあり、日弁連の規程も指針も、事案に応じて制度を説明するよう定めています。内容は借金が返せないとき法テラスでできること|無料相談と費用立替の流れで確認できます。

4 方針と見積もり:総額を書面で出してもらう

面談の最後に、費用の説明があります。ここが、断るかどうかを決める場面です。次の4点を、口頭ではなく書面(見積書、料金表、委任契約書の案)で出してもらいます。

  1. 借入先1社あたりの費用と、借入先が何社になるかをかけた総額
  2. 着手金のほか、減額報酬、送金の代行手数料、実費など、後から加わる費用の有無
  3. 払う時期と方法(一括か分割か、積み立てか)
  4. 途中でやめたとき、受け取った費用がどう精算されるか

司法書士法施行規則22条は、司法書士が依頼を受けようとするとき、報酬額の算定方法その他の報酬の基準を、あらかじめ示すことを義務づけています。日本司法書士会連合会の指針の解説は、報酬表を示すだけでなく、計算例を示して説明することを求めています。弁護士も、日弁連の規程で、費用に誤解が生じないように説明し、委任契約書に書くよう求められています。見積書の見方は債務整理の料金の見積書で確かめる項目|総額・追加費用・返金の条件で説明しています。

その場で決める必要はありません。見積書を持ち帰り、ほかの事務所の説明と並べて比べます。

5 契約:結ぶ前と結んだ後に確かめること

委任契約を結ぶと、はじめて依頼になります。契約書を取り交わすのが通常なので、結ぶ前に、契約書で次のところを読みます。

  • 依頼する業務の範囲(交渉の代理か、裁判所に出す書類の作成か)
  • 費用の総額と払う方法、払う先が事務所名義の口座であること
  • 担当する弁護士・司法書士の氏名と、事務所の所在地

契約すると、事務所が借入先に受任通知を送ります(送る時期は事務所と契約の内容で決まるので、契約書で確かめます)。貸金業法21条1項9号は、弁護士・司法書士(法人を含む)から書面で受任の通知があった後に、貸金業者が正当な理由なく本人に返済を求めることを禁じています。督促が止まる仕組みと、止まらない支払いは債務整理の受任通知とは?督促が止まる仕組みと止まらない支払いにあります。

事務所を探す段階では、広告にある「無料相談」の表示だけで決めず、上の段階で確かめることを事前に質問できる事務所を選ぶ、という使い方ができます。

急がされたときと、断るとき

広告から申し込んだ場合、面談の最後に「今日中に決めれば有利になる」「枠が残りわずか」と決断を急がされることがあります。これは断る理由として十分で、見積書を持ち帰ってほかの事務所と比べてかまいません。断るときの文例(電話・メール・書面が出ないとき)と、持ち物・質問のチェック表は債務整理の無料相談を使うコツ|聞くことと持ち物のチェック表にまとめています。

広告の運営者が弁護士・司法書士か分からない、契約書がない、といった場合は、借金減額の詐欺を見分けるチェックリストの表で、資格と契約書の有無を点検します。断ったあとに費用の請求が届いたときも、契約書がなければ支払う根拠を書面で確かめます。

相談したあとの手続きが終わったあとの生活は、債務整理の後の生活はどうなる?変わることと変わらないことで扱っています。

よくある質問

Q. 借金の減額を相談したら、そのまま契約になりますか?

相談しただけでは契約になりません。弁護士・司法書士に頼む契約は、方針と費用の説明を受けたあと、依頼する側が委任契約を結んではじめて成立します。契約書は通常ここで取り交わされるので、署名の前に持ち帰って読めます。申し込みフォームの入力や電話での聞き取りの段階で、断ってかまいません。

Q. 本当に借金は減りますか?

減るかどうかは、借入先ごとの取引の履歴と、金利、借入の時期によって変わります。入力した情報だけでは決まらず、面談で債務・収入・生活の状況を聴き取ったうえで、方針と見通しの説明があります。減らず、利息をなくして分割にする形になる借金もあります。

Q. 相談は弁護士と司法書士のどちらにすればよいですか?

借入先1社あたりの額が140万円を超えるものがあるときや、自己破産・個人再生を考えるときは、弁護士のほうが代理できる範囲が広いです。借入先ごとの額が小さい任意整理なら、認定司法書士も選べます。迷うときは、面談で自分の借入がどちらに頼めるかを聞きます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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