借金の種類と違い|カードローン・キャッシング・リボ・分割の見分け方
この記事のもくじ
借金とは、返す約束でお金を借りたり、代金の支払いを後に回したりして負った支払いの義務のことです(お金の貸し借りは民法587条の「消費貸借」)。種類は大きく分けると**「お金を借りた借金」(カードローン・キャッシング・銀行ローン・個人間の借金)と、「買い物の代金を後から払う借金」**(クレジットカードのリボ払い・分割払い)の2つです。前者の多くは貸金業法と利息制限法、後者は割賦販売法という別の法律で決まりが作られていて、総量規制がかかるか、取立ての決まりがどうかが変わります。下の1枚の表で、自分の借金がどれに当たるかを見分けてください。
借金の種類と違いを1枚の表で見分ける
| 種類 | 貸し手・請求する人 | 主な法律 | 上限金利の決まり | 総量規制 | 返せないときの主な相談先 |
|---|---|---|---|---|---|
| 消費者金融のカードローン・フリーローン | 貸金業者 | 貸金業法・利息制限法 | 利息制限法(年20%・18%・15%) | 対象 | 借りている業者、財務局・消費生活センター、弁護士・司法書士 |
| クレジットカードのキャッシング | カード会社(貸金業者) | 貸金業法・利息制限法 | 利息制限法 | 対象 | カード会社、公的窓口、弁護士・司法書士 |
| ショッピングのリボ払い・分割払い | カード会社(信販会社) | 割賦販売法 | 契約(会員規約)の手数料率。明細で確かめる | 対象外 | カード会社、消費生活センター、弁護士・司法書士 |
| 銀行・信用金庫のカードローン・目的ローン | 銀行など | 銀行法など(貸金業法の外)・利息制限法 | 利息制限法 | 対象外 | 借りている銀行、公的窓口、弁護士・司法書士 |
| 住宅ローン・自動車ローン | 銀行・信販会社など | 契約・担保(抵当権・所有権留保) | 契約による | 除外 | 借りている金融機関、弁護士 |
| 家族・友人からの借金 | 個人 | 民法(消費貸借)・利息制限法・出資法 | 利息制限法、年109.5%超は刑罰(出資法) | 対象外 | 当事者の話し合い、弁護士・司法書士 |
| 奨学金(貸与型) | 日本学生支援機構など | 各機関の規程 | 機関の定め | 対象外 | 貸した機関の救済制度 |
表の上限金利は「この率を超える部分が無効になる」線です(利息制限法1条:元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)。一つの業者から追加で借りたときは、残っている元本と新しい元本を合計した額で区分を決めます。総量規制の細かい対象・除外・例外は借金の総量規制とは?年収の3分の1を超えたときに起きることにまとめています。
お金を借りた借金|カードローン・キャッシング・銀行ローンの違い
カードローンは、決められた利用枠の中で、何度でも借りて返せるローンです。貸金業法はこれを「極度方式基本契約」と呼んでいます(2条7項)。消費者金融のカードローンと、クレジットカードのキャッシングは、どちらも貸金業者からの借入で、仕組みはほぼ同じです。違いは、キャッシングがカードの中に付いた「お金を借りる機能」で、ショッピングと同じ請求書・明細にまとめて載る点です。
銀行カードローンは見た目は同じでも、貸し手が貸金業者ではありません。貸金業法2条1項は、銀行のように他の法律で貸付けの規定がある者を「貸金業」から外しています。そのため次の2つが変わります。
- 総量規制(年収の3分の1)がかからない(金融庁Q&A Q2-12)。
- 貸金業法21条の取立ての決まり(午後9時から午前8時の連絡の禁止など)は、銀行の取立てには直接かからない。
一方、利息制限法と出資法は貸し手を問わずかかるので、上限金利の決まりは銀行の借入にも及びます。銀行カードローンの返済を保証会社が保証している契約では、延滞が続くと保証会社が銀行に代わりに払い(代位弁済)、その後は保証会社から請求が来ることがあります。契約書の「保証会社」の欄で、どの会社が付いているかを確かめておくと、請求が来たときに慌てずにすみます。
買い物の後払いの借金|リボ払い・分割払いは法律が別
クレジットカードで買い物をして、代金を後から払う取引は、お金の貸し借りではありません。割賦販売法2条3項は、カード会社が店に代金を払い、利用者から後で受け取る取引を「包括信用購入あっせん」と定めています。このうち、**買った時から2か月を超えない時期までにまとめて払う取引(いわゆる1回払い・翌月一括)**は定義から外され、2か月を超える分割払いと、毎月の支払額が決まった方法で計算されるリボ払いが含まれます。
ショッピングの借金で押さえておく違いは次の3つです。
- 総量規制の対象外。 総量規制は貸金業者の「貸付け」の決まりなので、ショッピングは外れます(金融庁Q&A Q2-13)。代わりに、カード会社はカードを発行するときや利用枠を増やすときに、年収や他の借入状況から「支払可能見込額」を調べる義務があります(割賦販売法30条の2)。
- 手数料の率は会員規約で決まる。 ショッピングのリボ・分割の手数料は、規約と毎月の明細に書かれた率で計算します。リボの手数料が膨らむ仕組みはリボ払いとは?終わらない仕組みと残高を減らす返し方で計算例とともに説明しています。
- 明細では「ショッピング」と「キャッシング」が分かれている。 同じカードのリボでも、キャッシングリボは貸付けで、ショッピングリボは割賦販売法の取引です。キャッシングは貸付けなので利息制限法の上限が基準になります。ショッピングのリボ・分割は割賦販売法の取引で、手数料は代金の支払いに含まれる扱いです。手数料の料率は会員規約と利用明細で確かめます(割賦販売法30条は、手数料を含む取引条件の情報を利用者に提供するよう定めています)。上限を超えた利息を払っていないかを確かめる対象は、主にキャッシングの部分です。
家族や友人からの借金・奨学金と、借金とは別の「滞納」
個人間の借金は、民法587条の「消費貸借」です。借用書がなくても、返す約束で受け取れば貸し借りは成り立ちます。個人が業としてではなく貸す場合でも、利息制限法の上限はかかり、年109.5%を超える利息は出資法5条1項の刑罰の対象です。家族間の貸し借りの書面の作り方は家族間の借金の注意点と借用書の書き方、返したときの記録は個人間の借金返済の領収書の書き方にまとめています。
**奨学金(貸与型)**も返す義務のある借金ですが、貸金業者からの借入ではありません。日本学生支援機構には返還を減らしたり待ってもらったりする制度があるので、ほかの借金とは別に考えます(奨学金が返せないときの減額返還と返還期限猶予)。
税金・国民健康保険料・家賃・携帯電話の料金の未払いは、お金を借りたわけではない滞納です。ただし返済計画を作るときは、借金と同じ一覧に入れておくのが実用的です。税金は自己破産でも免除されない支払いで、役所の猶予や分割の制度があるなど、相談の相手と手順が借金と違うからです。
自分の借金の種類を確かめる手順
「どこから何をいくら借りているのか、はっきりしない」ときは、次の順で確かめます。
- 毎月の明細・利用代金のお知らせを集める。 カードは「ショッピング(1回・分割・リボ)」「キャッシング」の区分と残高、手数料率・利率の欄を見る。
- 契約書・会員規約を探す。 貸し手が貸金業者か銀行か、保証会社が付いているかを確かめる。見当たらなければ会員サイトで契約書面を見る。
- 取引の記録を取り寄せる。 貸金業者には、借りた人や借りていた人が帳簿の閲覧・写しを求められます(貸金業法19条の2)。
- 信用情報を開示する。 自分名義の借入やカードの契約が一覧で分かります。手順と手数料は信用情報の開示のやり方(CIC・JICC・KSC)にあります。
- 一つの表にまとめる。 「種類・貸し手・残高・金利(手数料率)・月の返済額・返済日」の6列で並べると、どこから手を付けるかが見えてきます。
カードローンの返済が苦しくなってきたときの相談の順番はカードローンが返せないとき|延滞の前に業者へ相談する順番で扱っています。
よくある質問
Q. クレジットカードのリボ払いは借金ですか?
お金を借りたのではなく、買い物の代金を後から分けて払う取引なので、法律上は貸金業法の「貸付け」ではなく割賦販売法の取引として扱われます。ただし、カード会社に払う義務が残り、手数料もかかる点では借金と同じように返済計画に入れて管理します。リボで「キャッシング」を使っている分は貸付けなので、明細で分けて確かめてください。
Q. 銀行のカードローンは総量規制の対象ですか?
金融庁の貸金業法Q&A(Q2-12)は、銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農協からの借入は総量規制の対象外と説明しています。銀行は貸金業者ではないためです。ただし利息制限法は貸し手を問わずかかるので、上限金利の決まりは銀行の借入にも及びます。
Q. 借金の種類が違うと、債務整理の扱いも変わりますか?
任意整理・個人再生・自己破産では、カードローンもリボも銀行ローンも個人間の借金も、基本的に「借金(債務)」として同じ一覧に載せます。違いが出るのは、税金など手続きで免除されない支払いや、住宅・車のように担保が付いたローンです。手続きごとの扱いは債務整理の比較の記事で確かめてください。
出典・参考にした公的な情報
- 貸金業法 第2条・第13条の2・第19条の2・第21条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 割賦販売法 第2条・第30条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 利息制限法 第1条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 出資法 第5条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民法 第587条(消費貸借)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法Q&A(Q1-4・Q2-12・Q2-13)(金融庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。