奨学金の返済を滞納するとブラックリストに?登録の条件と時期
奨学金の返済を1回滞納しただけで、信用情報に載ることはありません。日本学生支援機構(JASSO)は、返還の延滞が3か月以上になった場合に、個人信用情報機関へ登録すると案内しています。ただし、1回目の振替不能の段階から登録についての予告が届き、3回目の不能のあとは警告、次の振替も不能になると登録、と進みます。登録を避けられる手続き(減額返還・返還期限猶予)は、延滞する前や延滞中でも使えるので、流れと時期を先に見ておきます。
登録されるまでの流れ|1回目から登録まで
JASSO のページをもとに、毎月27日の口座振替ができなかった場合の流れを整理します。
| 時点 | 起きること |
|---|---|
| 振替不能1回目 | 延滞金はかからない。翌月の振替日に2か月分をまとめて引き落とす。翌月10日以降に「振替不能通知」が届き、15日以降に、登録についてのSMSが届く |
| 振替不能3回目(3か月分すべて不能) | 翌振替日に4か月分と延滞金をまとめて引き落とす。7日以降に督促の電話が入り、10日以降に通知が届く。人的保証なら連帯保証人・保証人にも通知か電話が行く。15日以降に「個人信用情報機関への登録について(警告)」が届く |
| その次の振替も不能 | 回収を債権回収会社に委託し、同時に返還者本人の情報が個人信用情報機関に登録される |
登録の条件として、JASSO は次のように説明しています。現在返還中の人は、「個人信用情報の取扱いに関する同意書」を出していれば、延滞3か月以上で対象になります。同意書は、平成21年(2009年)4月以降に貸与を受けた人は提出が必要で、それ以前に貸与が終わっている人は任意です。新しく返還を始める人は、返還開始から6か月が過ぎた時点で延滞が3か月以上なら対象で、そのあとは毎月判定されます。
- 振替不能1回目 → 延滞金なし。翌月に2か月分を引き落とし。登録の予告SMS
- 振替不能が続く → 3回目で4か月分と延滞金。警告の通知。人的保証は保証人にも連絡
- 次の振替も不能 → 債権回収会社へ委託、個人信用情報機関に登録
- 登録後 → 毎月更新。返還が完了して5年後に削除
何が登録され、いつ消えて、何に影響するか
登録されるのは、氏名・生年月日・住所・電話番号・勤務先などの本人情報、貸与金額や最終返済日などの契約内容、延滞・代位弁済・強制回収手続・完了などの返還状況です。登録後は毎月更新され、延滞を解消するとその旨も登録されます。削除されるのは、返還が完了してから5年後です。
JASSO は、登録の影響として、スマートフォンの分割払いやクレジットカードが使えなくなる場合、住宅ローンなどの各種ローンが組めなくなる場合があると説明しています。「ブラックリスト」という名簿が別にあるわけではなく、この登録が、一般にブラックリストと呼ばれる状態です。登録先の機関は、JASSO のデータ集によると、クレジットカードを作るときや携帯電話を分割払いで買うときに登録される機関と同じです。信用情報の仕組みは信用情報とは?記録される内容と3つの信用情報機関の違いを、回復までの期間は信用情報の回復までの期間|事故情報が消える時期と確かめ方を読んでください。
延滞の規模も押さえておきます。JASSO のデータ集(令和6年度末)では、1日以上の延滞者は31万8千人(返還者の6.4%)、3か月以上の延滞者は12万7千人(2.6%)です。返還者数は、第一種と第二種を別に数えた統計上の人数です。
登録される前に使える手続き
延滞が3か月に達する前に使える手続きは、要点だけ押さえれば足ります。
- 減額返還:月額を下げて返す期間を延ばす。延滞していないことなどが条件で、返す総額は減らない。
- 返還期限猶予:承認された期間は返還が不要になる。元金・利子の免除ではない。
- 延滞据置猶予:すでに延滞中の人が使う。経済困難の基準は通常より厳しい。
どれも願出の期限が決まっていて、審査中も口座振替の請求や督促は止まりません。条件の表、収入の目安、申請の流れは奨学金が返せないとき|減額返還・返還期限猶予の条件と申請時期にまとめています。信用情報の面では、申請が承認されて延滞が3か月に達しなければ、登録の対象になりません。承認を待つあいだに延滞が進まないよう、請求のある月の残高だけは確かめておきます。
すでに延滞しているとき、これからの動き方
延滞中でも猶予は申請できます。延滞を始めた月から全期間の証明書を出せるなら一般猶予、途中から現在までの証明書なら入金のあとに一般猶予、どちらも出せなければ延滞据置猶予、という順で検討します。猶予が終わっても延滞が残っていれば、残りの割賦金と延滞金が請求されます。延滞金や督促の電話、裁判に進む流れは奨学金の返済を滞納したら?督促・延滞金・裁判までの流れにあります。
JASSOへの連絡の例(電話や窓口で):「先月の27日の引き落としができませんでした。今月は2か月分を引き落とされますが、残高が足りない見込みです。猶予か減額返還を使えるか、必要な書類を教えてください。」
返済が重なって他の借金も苦しい人は、借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方から相談先を探せます。カードを持てない間の支払い手段は、ブラックリストの間の支払い手段|デビットカード・プリペイドの使い分けで比べられます。
よくある質問
Q. 一度でも引き落としができなかったら、すぐブラックリストに載りますか?
登録の対象になるのは延滞が3か月以上になった場合です。1回目の振替不能では延滞金はかからず、翌月の振替日に2か月分がまとめて引き落とされます。ただし1回目から、信用情報機関への登録についての案内が携帯電話のSMSで届くので、翌月の振替日の前営業日までに入金できるよう、リレー口座の残高を確認してください。
Q. 延滞を解消したら、登録された情報は消えますか?
消えるのではなく、返還状況が毎月更新され、延滞を解消した旨が登録されます。情報そのものは、返還が完了してから5年後に削除されます。延滞中の期間の記録が、早く消えるわけではありません。
Q. 連帯保証人や保証人の信用情報にも載りますか?
日本学生支援機構の公式ページは、登録の対象を、同意書を提出した返還者本人として説明しています。連帯保証人・保証人の登録には触れていません。ただし、人的保証の場合は3回目の振替不能のころから保証人にも通知や電話が行くので、請求のほうは保証人に及びます。
出典・参考にした公的な情報
- 個人信用情報機関への登録(日本学生支援機構)
- 振替不能(延滞)1回目の流れ(日本学生支援機構)
- 振替不能(延滞)3回目の流れ(日本学生支援機構)
- 減額返還制度(日本学生支援機構)
- 返還期限猶予(日本学生支援機構)
- 返還期限猶予制度の申請手続き(提出時期・審査中の扱い)(日本学生支援機構)
- 返還期限猶予の願出はスカラネット・パーソナルをご利用ください(日本学生支援機構)
- 奨学金減額返還願等の提出(願出の期限)(日本学生支援機構)
- 延滞据置猶予(日本学生支援機構)
- 奨学金事業に関するデータ集(令和6年度末の延滞状況)(日本学生支援機構)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。