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生活保護で家賃を滞納したら|住宅扶助の代理納付と相談先

この記事のもくじ
  1. 住宅扶助と代理納付の仕組み
  2. 滞納に気づいたときの手順
  3. 家主・管理会社への連絡の文例
  4. 家主から契約の解除や訴えの話が出たとき

生活保護を受けていて家賃を滞納してしまったら、まず担当のケースワーカー(福祉事務所)に連絡します。家賃にあたる保護費は住宅扶助で、福祉事務所が家主へ直接払う「代理納付」という仕組みがあります。厚生労働省の通知は、住宅扶助費を家賃以外に使って滞納している人には、原則として代理納付を適用する取扱いを示しています。この記事では、仕組み、連絡の手順と伝える内容、家主への連絡の文例を順に説明します。

住宅扶助と代理納付の仕組み

生活保護の種類のひとつに、住宅扶助があります(生活保護法11条)。住宅扶助は、住居や、補修などの住宅の維持に必要なものを対象とする扶助です(14条)。

代理納付は、保護の実施機関(福祉事務所)が、必要があるときに、被保護者が払うべき費用を、被保護者に代わって支払う方法です。生活保護法37条の2は、その支払があったときは、保護金品の交付があったものとみなすと定めています。家賃では、福祉事務所が住宅扶助の分を、被保護者に渡さず、家主や管理会社に直接振り込みます。

厚生労働省の通知(平成18年3月31日付)は、住宅扶助費と共益費について、住宅扶助費を支給しているのに家賃などに充てず滞納している人、公営住宅の入居者、登録住宅への新規入居者などの場合に、原則として代理納付を適用するとしています。さらに「その他の場合」として、これらに限らず、住宅扶助と共益費は原則として代理納付を適用するとも書いています。つまり、滞納していなくても代理納付になっていることがあり、いま自分が対象かどうかは、福祉事務所に聞けば分かります。

早見表:代理納付の適用についての通知の考え方
項目 通知の内容
住宅扶助費を家賃以外に使って滞納しているとき 原則として代理納付を適用する。家主が希望しない場合や住宅扶助費が満額支給されない場合などは、適用しない取扱いでもよい
公営住宅の入居者 原則適用。口座振替で住宅扶助の目的が達せられる場合や満額支給されない場合などは、適用しない取扱いでもよい
上記以外(滞納がなくても) 原則適用。口座振替で目的が達せられる場合、家主が希望しない場合、満額支給されない場合などは適用しなくてよい。家主側に不適切なサービス提供のおそれがあるときは適用しない
本人の同意・委任状 要しない。ただし、趣旨を説明し、理解を得るよう努める
福祉事務所の確認 滞納の期間・額、生活の状況、金銭の使い方を把握する

滞納に気づいたときの手順

  1. 家賃の滞納額と月数を確かめる。 通帳、家主・管理会社の請求書や督促状を手元に置きます。
  2. ケースワーカーに電話する。 担当者がいないときは福祉事務所の窓口に伝え、折り返しを頼みます。
  3. 事実と原因を伝える。 滞納が何か月分か、いくらか、なぜ払えなかったかを話します(後述)。
  4. 代理納付に切り替えられるかを聞く。 すでに代理納付の対象かも確認します。
  5. 家主・管理会社へ連絡する。 福祉事務所と話した内容を、家主に伝えます(文例は後述)。
  6. 滞納分の扱いを聞く。 滞納してしまった過去の分をどう払うかは、福祉事務所の判断が関わります。保護費は毎月の生活のためのものなので、滞納分に充てられるか、どんな払い方になるかを、窓口で聞きます。

ケースワーカーに伝える内容を、メモにしておくと話が進みます。

文例(ケースワーカーへの電話):「〇〇です。家賃が〇か月分、合計〇円たまってしまいました。〇月に、〇〇のために家賃に回せませんでした。家主から〇月〇日に督促状が届いています。今後、家賃は住宅扶助の代理納付に切り替えていただけないでしょうか。滞納している分の払い方も相談したいです。」

滞納の原因で多いのは、保護費をほかの支払いや生活費に使ってしまった場合、口座振替の引き落としができなかった場合、保護を受ける前から滞納があった場合です。どれでも、事実をそのまま伝えます。福祉事務所は、生活の維持に必要な指導や指示をすることができ(生活保護法27条1項)、家計の相談を受けて助言する仕組みもあります(27条の2)。家計の管理が苦しいなら、その助言を使います。指導や指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最小限度にとどめるものとされ、意に反して強制するものとは解釈しないと定められています(27条2項・3項)。一方で、被保護者には指導や指示に従う義務があり、従わないと保護の変更・停止・廃止の対象になりえます。その処分をする前には、弁明の機会を与えなければなりません(62条1項・3項・4項)。指示の内容に納得できないときは、黙って従わないのではなく、理由を聞いて話し合います。

家主・管理会社への連絡の文例

家主は、福祉事務所が家賃を直接払う代理納付を、すでに知っていることがあります。受給していることを家主に伝えるかどうかは、福祉事務所と相談して決めます。伝えるときは、次のような文面にします。

文例(家主・管理会社への連絡):「〇号室の〇〇です。〇月〇日からの家賃が滞っており、申し訳ありません。福祉事務所の担当と相談し、今後の家賃は福祉事務所から直接お支払いする形に変える手続きを進めています。滞納分の払い方も、福祉事務所に確認しています。〇日までに、分かった内容をお知らせします。」

「〇日までにお知らせする」と期限を決めて、守ります。連絡のとき、いつまでにいくら払えるかが決まっているなら、数字で伝えます。分割払いの頼み方の例は、家賃滞納分の分割払いをお願いするときの伝え方|大家への文例に載せています。

家主から契約の解除や訴えの話が出たとき

代理納付に切り替えることは、家賃の支払いを安定させる手段ですが、すでに家主が契約の解除を通知していたり、明け渡しの裁判を起こしていたりする場合の結論までは、保証しません。次のように分けて動きます。

生活保護を受けながら、ほかにも借金や滞納がある場合の考え方は、借金があっても生活保護は受けられる?申請の流れと返済の扱いにあります。家賃の相談先を広く知りたいときは、家賃滞納の相談先|大家・管理会社への連絡の仕方と公的な支援を読んでください。携帯代も遅れているなら、次は携帯代を滞納したらどうなる?止まる時期と強制解約・信用情報で、止まる時期を確かめます。

よくある質問

Q. 代理納付は、本人が同意しないとできませんか?

厚生労働省の通知は、代理納付を行うのに被保護者の同意や委任状は要しないとしています。一方で、実施機関は、被保護者に代理納付の趣旨を説明し、理解を得るよう努めるとされています。納得できない点は、ケースワーカーに理由を聞きます。

Q. 口座振替で家賃を払えているのに、代理納付に変わりますか?

通知が「口座振替で住宅扶助の目的が達せられる場合」を適用しなくてよい例に挙げているのは、公営住宅の項目と「その他の場合」の項目です。家賃以外に使って滞納している人の項目に並ぶ例外は、家主が希望しない場合や住宅扶助費が満額支給されない場合などです。自分がどの項目の扱いになるかは、福祉事務所に確かめます。

Q. 滞納したことは、ケースワーカーに話したほうがよいですか?

話したほうが、対応が早くなります。通知では、滞納があるとき、実施機関が滞納の期間と額、生活の状況、金銭の使い方などを把握するとされています。隠さずに事実と原因を伝え、家賃を払う方法を一緒に決めます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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