借金の金利の上限は何%?利息制限法と出資法の数字を早見表で
借金の金利の上限は、利息制限法で決まっています。借りた元本が10万円未満なら年20%、10万円以上100万円未満なら年18%、100万円以上なら年15%で、これを超える部分の利息は無効です。さらに、貸す側が業者で年20%を超えると出資法の刑事罰の対象になります。この記事は、借金の金利に関わる法律の数字を1枚にまとめた早見表です。
借金の金利の上限の早見表
| 決まり | 数字 | 中身 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 利息の上限 | 年20% | 元本10万円未満。超える部分の利息は無効 | 利息制限法1条1号 |
| 利息の上限 | 年18% | 元本10万円以上100万円未満 | 利息制限法1条2号 |
| 利息の上限 | 年15% | 元本100万円以上 | 利息制限法1条3号 |
| 遅延損害金(業者の貸付け) | 年20% | 超える部分は無効 | 利息制限法7条1項 |
| 遅延損害金(業者でない貸付け) | 上限の1.46倍 | 年29.2%・26.28%・21.9%(筆者の計算) | 利息制限法4条1項 |
| 貸金業者の義務 | 利息制限法の上限 | 超える利息の契約・受け取り・要求をしてはならない | 貸金業法12条の8 |
| 刑事罰(業として貸す者) | 年20%超 | 5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、または両方 | 出資法5条2項 |
| 刑事罰(業として貸す者) | 年109.5%超 | 10年以下の拘禁刑か3,000万円以下の罰金、または両方 | 出資法5条3項 |
| 刑事罰(業としない貸付け) | 年109.5%超 | 5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、または両方 | 出資法5条1項 |
| 契約の無効 | 年109.5%超 | 貸金業を営む者の貸付けは、お金の貸し借りの契約そのものが無効 | 貸金業法42条1項 |
| 総量規制 | 年収の3分の1 | 個人が貸金業者から借りる合計がこれを超える貸付けは原則禁止 | 貸金業法13条の2・13条の3 |
年109.5%は1日あたり0.3%で、うるう年は年109.8%。出資法の罰則は2025年6月1日から「懲役」ではなく「拘禁刑」と書かれている。
数字の読み方で迷いやすいのは、「上限を超えた部分だけが無効になる」点です。年25%の契約でも、契約全体がなくなるのではなく、上限との差の部分の利息が無効になります。一方、年109.5%を超える場合は、貸金業法42条で契約そのものが無効になり、扱いが大きく変わります。
利息制限法の上限:借りた元本の額で3段階
区分を決めるのは「借りた元本の額」です。いま残っている残高ではない点に気をつけてください。
同じ業者から重ねて借りた場合は、前の借入れの残りの元本と新しく借りた元本を合わせた額で区分を決めます(利息制限法5条1号)。同時に2口以上借りた場合も合計で見ます(同条2号)。たとえば同じ会社に8万円の残高があるところへ5万円を追加で借りると、元本は13万円とみなされ、上限は年20%ではなく年18%になります。別の会社からの借入れとは合算しません。
名目が利息でなくても、利息として数えられるお金があります。
- 手数料・礼金・調査料など、名前を問わず元本以外に貸主が受け取るお金は利息とみなされる(利息制限法3条)。
- 保証会社に払う保証料は、利息と合わせて上限を超える部分が無効になる(利息制限法8条)。
- 貸金業者の貸付けでは、ATMの利用料のうち、取引額1万円以下で110円、1万円超で220円までの分は利息とみなされない(貸金業法12条の8第2項、同法施行令3条の2の3)。
つまり「金利は低いが手数料が別にかかる」借入れは、手数料を足した実質の率で上限と比べます。日割りでの利息の出し方は、借金の利息の計算方法と日割りの式で説明しています。
出資法と貸金業法:刑事罰と契約の無効の線
利息制限法の上限は「超えた部分が無効」という民事の決まりで、罰則はありません。罰則の線は出資法が引いています。
業として貸す者が年20%を超える利息の契約をしたり、受け取ったり、求めたりすると、5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方です(出資法5条2項)。年109.5%を超えると、10年以下の拘禁刑か3,000万円以下の罰金、またはその両方になります(同条3項)。期間が15日未満の貸付けは15日として計算し、天引きした場合は実際に渡された額を元本として計算する決まりもあります(出資法5条の4)。
登録している貸金業者については、利息制限法の上限を超える利息の契約をしてはならないと貸金業法12条の8が定めています。金融庁の貸金業法Q&Aは、上限を超える部分は無効で、行政処分の対象になると説明しています。
金利の線は2010年に変わりました。改正貸金業法が完全に施行された2010年6月18日より前は、出資法の上限が年29.2%で、利息制限法の上限との間の金利(いわゆるグレーゾーン金利)で貸す業者がありました(金融庁「貸金業法のキホン」)。その時期から取引がある人は、過払い金の対象か確かめる5項目で借りた時期と金利を見ておくと、相談の材料になります。
「10日で1割」のような貸し方は、年に直すと365%になり(筆者の計算)、年109.5%の線を大きく超えます。こうした金利で貸す相手については、闇金の金利と法律の上限で扱っています。
遅延損害金と総量規制の数字
返済日を過ぎたときにかかる遅延損害金にも上限があります。業者の貸付けでは年20%を超える部分が無効です(利息制限法7条1項)。業者でない貸付けでは、利息の上限の1.46倍、つまり年29.2%・26.28%・21.9%を超える部分が無効になります(同法4条1項、率は筆者の計算)。増え方の計算は借金の延滞金(遅延損害金)の上限と増える仕組みにまとめています。
総量規制は、金利ではなく借りられる額の線です。個人が貸金業者から借りる合計が年収の3分の1を超える貸付けは原則としてできず(貸金業法13条の2)、年収300万円なら100万円までです。銀行・信用金庫からの借入れとクレジットカードのショッピングは対象外で、すでに3分の1を超えていても、超えた額をすぐ返す必要はなく、新しい借入れができなくなります。対象の範囲や例外は借金の総量規制で年収の3分の1を超えたときに起きることで説明しています。
自分の金利が上限の内側か確かめる手順
- 契約書か会員ページで「貸付けの利率」と「遅延損害金の利率」を探す。貸金業者は契約のときに渡す書面に、利率と遅延損害金の定めを書くことになっています(貸金業法17条)。
- 借りた元本の額で、早見表の区分を決める。同じ会社から追加で借りていれば合算する。
- 保証料や手数料が別にかかっていれば、合わせた率で上限と比べる。
- 相手が登録業者かを、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確かめる。
- 上限を超えている疑いがある、または2010年6月より前から取引がある場合は、取引の記録を取り寄せる。
契約書が手元にないときは、電話や会員ページの問い合わせで聞けます。
文例:「契約番号の末尾〇〇の借入れについて、貸付けの利率と遅延損害金の利率を確かめたいです。最初に借りた日と元本の額もあわせて教えてください。書面でも見たいので、会員ページのどこに載っているかも教えてください。」
借りた人や借りていた人は、業者の帳簿の閲覧や写しを求めることができ、業者は原則として断れません(貸金業法19条の2)。取り寄せ方は過払い金の調査に必要な取引履歴の取り寄せ方に、計算し直したあとの相談先は借金の公的な相談窓口と受付時間にまとめています。上限を超えているかどうかの最終的な判断は、記録を見た弁護士・司法書士がします。
よくある質問
Q. 銀行のカードローンにも金利の上限はありますか?
あります。利息制限法と出資法は、貸主が銀行か貸金業者かを問わずにかかるので、年20%・18%・15%の区分はそのまま当てはまります。一方、貸金業法の総量規制や取立ての決まりは貸金業者に向けたもので、銀行や信用金庫の貸付けには直接はかかりません。
Q. 上限を超える利息を払っていたら、取り戻せますか?
利息制限法の上限を超える部分の利息は無効なので、払いすぎた分を過払い金として返すよう求められる場合があります。ただ、対象になるか、いくらになるかは、取引の記録を上限の利率で計算し直さないと出てきません。請求の手続きや交渉は弁護士・司法書士の仕事なので、まず取引の記録をそろえてから相談します。
Q. 友人や家族から借りたお金にも上限はありますか?
利息制限法はお金の貸し借り(金銭消費貸借)全般にかかるので、個人間の借金でも年20%・18%・15%を超える部分の利息は無効です。遅延損害金は、業者でない貸付けなら上限の利率の1.46倍までになります。業としない貸付けでも、年109.5%を超える利息を受け取ると出資法の刑事罰の対象です。
出典・参考にした公的な情報
- 利息制限法 第1条・第3条〜第5条・第7条・第8条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第5条・第5条の4(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法 第12条の8・第13条の2・第13条の3・第17条・第19条の2・第42条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法施行令 第3条の2の3(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法のキホン(金融庁)
- 貸金業法Q&A(金融庁)
- 登録貸金業者情報検索サービスの案内(金融庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。