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任意整理で延滞損害金と将来利息はどうなる?和解での扱い

この記事のもくじ
  1. 任意整理の延滞損害金・経過利息・将来利息の違い
  2. 延滞損害金と利息の上限
  3. 和解で延滞損害金と将来利息はどう話し合われるか
  4. 和解書で確かめる項目と、和解後に遅れたとき

任意整理の和解では、元本とは別に経過利息(最後の返済の後、和解の時点までにたまった利息)、延滞損害金(遅れたことへの損害金。遅延損害金とも言います)、将来利息(和解後の分割期間にかかる利息)の3つをどう扱うかが話し合われます。弁護士会が示してきた統一基準は「延滞損害金や将来利息は付けず、残った元本を分割で返す」という提案の考え方ですが、和解は業者との合意なので、どこまで付けないかは業者との交渉で決まります。結果は和解書の文面で確かめます。

任意整理の延滞損害金・経過利息・将来利息の違い

借金の残りは、いくつかの要素に分けて見ると、任意整理で何が話し合われるのかが分かります。督促状には、催告する金額の内訳として元本・利息・遅延損害金の別を書くことが貸金業法施行規則19条3項で求められているので、手元の督促状で自分の内訳を確かめられます。

借金の残りを分ける4つの言葉
言葉 中身 いつの分か 任意整理での論点
元本 借りたお金のうち、まだ返していない額 借りたときから 利息制限法の上限で計算し直すと減ることがある
経過利息 最後に払った日の後、和解の話し合いの時点までにたまった利息(呼び方や数え方は業者や事務所で幅がある) 最後の返済から和解の時点まで 和解の額に含めるかどうか
延滞損害金(遅延損害金) 返済日に遅れたことへの損害金 遅れた日から和解の成立まで 和解の額に含めるか、どこまで含めるか
将来利息 和解後に分割で返す期間にかかる利息 和解の後、完済まで 付けるか付けないか、付けるなら何%か

延滞損害金は、民法419条が定める「金銭の支払いが遅れたときの損害賠償」です。約定の利率が法定利率より高ければ、契約で決めた利率になります。契約時の書面には遅延損害金の定めを書くことが貸金業法17条で求められているので、契約書や会員サイトの書面の「遅延損害金」の欄で率を確かめられます。

期限どおりに返せなくなると、契約の「期限の利益の喪失」の条項によって残りを一括で払う義務が生じ、残り全体に延滞損害金がかかる計算になることがあります。延滞が長い人ほど、和解の話し合いの中で延滞損害金の扱いが大きな論点になります。借金一般の延滞損害金の仕組みは、借金の延滞金(遅延損害金)の上限と増える仕組みで扱っています。

延滞損害金と利息の上限

延滞損害金にも、利息にも、法律の上限があります。和解案の数字を見るときの物差しになります。

項目 上限 根拠
利息(元本10万円未満) 年20% 利息制限法1条
利息(10万円以上100万円未満) 年18% 利息制限法1条
利息(100万円以上) 年15% 利息制限法1条
延滞損害金(貸金業者・カード会社などの業者の貸付け) 年20% 利息制限法7条1項
延滞損害金(個人間など、業者でない貸付け) 利息の上限の1.46倍 利息制限法4条1項

業者の延滞損害金は年20%を超える部分が無効です。筆者の計算で例を示すと、残元本50万円に年20%の延滞損害金が90日かかると、50万円×20%×90日÷365日で約2万4,658円になります。依頼から和解まで数か月かかれば、このくらいの額が話し合いの対象になるということです。

任意整理では、取引の初めから利息制限法の上限で計算し直す「引き直し計算」もします。日本司法書士会連合会の指針は、任意整理事件の定義に、引き直し計算をした結果、借金がなくなる場合や過払い金が出る場合も含めています。昔から借りている人は、元本そのものが小さくなることがあります。取引の記録(取引履歴)は、貸金業法19条の2で開示を求められます。金利の上限の全体は借金の金利の上限(利息制限法と出資法)を見てください。

和解で延滞損害金と将来利息はどう話し合われるか

弁護士が任意整理を進めるときの考え方として、1996年に東京三弁護士会、2000年に日本弁護士連合会の協議会で採択された「統一基準」があります。兵庫県弁護士会が2009年に公表した要請書は、その中身を次の3つとして載せています。

  1. 取引を始めた時点からの、すべての取引の経過の開示を求める。
  2. 利息制限法の上限の利率で計算し直し、最後の取引の日の残りの元本を確かめる。
  3. 返済案を出すときは、それまでの延滞損害金や将来利息は付けない。

ただし、これは弁護士の側が出す提案の基準で、法律で決まった和解の条件ではありません。同じ要請書は、業者の側が経過利息・将来利息・延滞損害金の支払いを強く求めて和解が成立しない例が出てきていることも書いています。実際の和解では、次のような分かれ道があります。

業者の対応 和解の形の例 読者への影響
統一基準のとおり応じる 残元本だけを、利息なしで分割 返す総額は残元本と同じ
経過利息や延滞損害金の一部を求める 残元本+一部の損害金を、利息なしで分割 総額が少し増える
将来利息を求める 残元本に利息を付けて分割、または回数を短くする 月の返済額か総額が増える
和解に応じない 和解が成立しない 他の手続きを考える

将来利息が付くかどうかで、返す総額は大きく変わります。筆者の計算では、残元本50万円を60回で返すとき、利息なしなら月約8,333円で総額50万円です。年18%の利息を付けて元利均等で返すと月約1万2,697円、総額約76万円で、差は約26万円になります。どの会社がどう対応するかの傾向は書けませんが、業者が応じないときの次の手は任意整理に応じない業者があるときの次の手で、返済の回数の決まり方は任意整理の返済期間と月の返済額が決まる考え方で説明しています。

和解書で確かめる項目と、和解後に遅れたとき

和解の条件は、事務所から説明を受け、和解書(合意書)で確かめます。日本司法書士会連合会の指針も、依頼者の経済的な利益を損なうような安易な和解をしてはならないと定めています。説明を受けるときは、次の項目を一つずつ見ていきましょう。

  • 和解の金額は、元本だけか、経過利息・延滞損害金を含むか(内訳)
  • 分割の期間に利息(将来利息)が付くか、付くなら何%か
  • 毎月の返済額・回数・初回の支払日・振込先
  • 何回遅れたら残りを一括で払うことになるか(期限の利益の喪失の条項)
  • 一括になった後の延滞損害金の率
  • 繰り上げて返したときに、利息の扱いが変わるか

文例(事務所への質問):「A社との和解案について、和解金額の内訳(元本・経過利息・遅延損害金)と、分割中に利息が付くかどうかを教えてください。また、何回分遅れたら一括返済になるのか、そのときの遅延損害金の率も書面で確認させてください。」

日本公証人連合会は、分割払いの約束では「元金の分割弁済を怠り、その額が2回分(または一定の金額)に達したとき」に期限の利益を失う、といった条項を入れる例を示しています。任意整理の和解書にも同じ形の条項が入っていることがあり、遅れが重なると、残りの一括払いと延滞損害金を求められることがあります。払えない月が出そうなら、遅れる前に事務所に連絡します。考え方は任意整理の返済が払えないときの再和解にまとめています。完済後の手続きは、前に読む任意整理の完済後にすることを、和解の前に業者が裁判を起こす場合については、次に読む任意整理中に給料差し押さえはあるかを読んでください。

よくある質問

Q. 任意整理をすれば、将来利息はどの会社でもなしになりますか?

なしになるとは限りません。弁護士会の統一基準は将来利息を付けない返済案を出す考え方ですが、和解は業者との合意なので、利息を付けた分割や、返済の回数を短くする条件を求められることがあります。どうなったかは、和解書の「利息」「損害金」の書き方で確かめます。

Q. 依頼してから和解までの間も、延滞損害金は増えるのですか?

契約のうえでは、返済期日を過ぎた分には和解が成立するまで延滞損害金が増えていく計算になります。業者の和解案にこの期間の損害金が含まれているかどうかが、話し合いの論点の一つになります。期間が長くなるほど額が大きくなるので、書類を早めにそろえることが役に立ちます。

Q. 和解した後に返済が遅れたら、延滞損害金はつきますか?

和解書には、決められた回数を遅れたら残りを一括で払い、その後は損害金を払うという条項が入っていることがあります。条項の中身は和解ごとに違うので、何回遅れたら一括になるのか、損害金の率は何%かを、和解書で確かめておきます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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