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任意整理を安い費用で頼むには?費用を抑える前に確かめること

この記事のもくじ
  1. 任意整理を安く頼むなら「総額」で比べる
  2. 費用の安さだけで選ぶと起きやすいこと
  3. 費用を抑える手段を並べて比べる
  4. 見積もりの取り方と、安い事務所を選ぶ前の確認

任意整理をできるだけ安く頼みたいなら、見るべきは「1社あたりの着手金」ではなく、自分の社数で計算した総額(税込)です。着手金が安くても、解決報酬・減額報酬・事務手数料・返済の代行の手数料が足されて、総額では高くなることがあります。費用そのものを抑える方法としては、条件に当たれば法テラス(日本司法支援センター)の立替え、当たらなければ**事務所の分割払い(積立)**の2つがあります。

任意整理を安く頼むなら「総額」で比べる

任意整理の費用は、多くの事務所で「1社ごと」に決まります。そのため、料金表の数字をそのまま比べても、自分が払う額は分かりません。次の式に、自分の社数を入れて総額を出します。

任意整理の費用の総額を出す式
項目 数え方
着手金 1社あたりの額 × 社数
解決報酬(成功報酬) 1社あたりの額 × 和解できた社数
減額報酬 減った元本の額 × 割合(減らなければ0円)
事務手数料・通信費など 名目ごとの額(1社ごとか1件ごとか)
返済の代行の手数料 月の額 × 返済の回数(使う場合だけ)
合計 上の合計。税込か税抜かをそろえる

数字を入れた例を、仮の料金で筆者が計算しました。どちらも司法書士の事務所で、後で説明する日司連の指針の上限(1社5万円・税抜)に収まる料金とします。借入先は3社、和解後の返済は36回です。

比べる点 事務所A 事務所B
着手金(1社) 2万円 0円
解決報酬(1社) 2万円 5万円
1社あたり(税抜) 4万円 5万円
3社の合計(税抜) 12万円 15万円
税込(×1.1) 13.2万円 16.5万円

事務所Bは上限の5万円の範囲内ですが、広告で目に入りやすい「着手金0円」の分を解決報酬に回しているため、総額では3.3万円高くなります。着手金0円の事務所が高いと言いたいのではなく、着手金だけでは比べられないということです。さらに、返済の代行を月1,000円で36回使えば3.6万円が加わります。料金表の1行だけを見て「安い」と決めないことが、結果として費用を抑える近道です。費用の項目ごとの意味は、任意整理の費用の内訳と総額の出し方と任意整理の弁護士費用の見積書の見方で詳しく扱っています。

費用の安さだけで選ぶと起きやすいこと

安い料金表そのものが悪いわけではありません。ただ、総額の見えにくさや、対応してもらえる範囲の狭さが、後から費用や手間になって返ってくることがあります。

起きやすいこと 中身 確かめ方
対応の範囲が狭い 認定司法書士は、1社の借金が140万円を超える会社の和解を代理できない(最高裁 平成28年6月27日判決) 1社ごとの残高を伝え、全社を代理してもらえるか聞く
別の名目の費用が足される 日本司法書士会連合会(日司連)の指針の解説は「顧客管理費用」「通信費」などの名目で別に受け取る例が報告されていると書いている 見積書に、着手金と報酬以外の行がないかを見る
減額報酬で総額が増える 減った元本の割合で計算するため、元本が大きいほど額が増える 減額報酬の計算のもとが「元本」か「請求額」かを聞く
返済の代行がセットになっている 毎月の手数料が返済の回数だけかかる 使うかどうかを自分で選べるか聞く
途中でやめると返金がない 解説は、積立中に解除になった場合に着手金を一切返さないのは消費者契約法に反するおそれが高いと書いている 解約したときの返金の条件を契約前に読む
面談がなく説明が足りない 指針は、受任する司法書士自身が依頼者と直接面談することを原則にしている 誰と、どの方法で面談するかを聞く

報酬の上限は、司法書士は日司連の指針(債権者1社あたり5万円・税抜)、弁護士は日弁連の規程(解決報酬金は1社2万円まで・税抜、着手金に上限の金額はなし)で定められています。どちらも法律ではなく団体の決まりで、上限は「そこまでなら受け取ってよい」という線にすぎません。項目ごとの上限と総額の出し方は任意整理の費用の内訳と総額の出し方の表にまとめてあるので、ここでは数えません。上限を超える請求や、別名目の追加請求がないかを見積書で確かめるのが、安く頼むうえでの実際の備えです。

1社の借金が140万円前後ある人は、安さより先に「全社を同じ事務所で代理してもらえるか」を確かめましょう。範囲の考え方は任意整理を司法書士に頼むときの1社140万円の線にまとめています。

費用を抑える手段を並べて比べる

料金表を比べるほかにも、費用の負担を軽くする手段があります。それぞれ向く人が違います。

手段 向く人 注意する点
法テラスの立替え 収入・資産が一定の基準以下の人 法テラスと契約している弁護士・司法書士に頼む。立て替えた費用は法テラスに分割で返す
事務所の分割払い(積立) 基準に当たらないが、毎月決まった額なら払える人 総額は変わらない。払う時期が分かれるだけ
対象にする会社を絞る 一部の借金だけなら返し続けられる人 外した借金の返済はそのまま残る
特定調停(裁判所の手続き) 自分で書類をそろえ、裁判所に出向ける人 弁護士・司法書士の報酬はかからないが、手続きは自分で進める

法テラスの立替えは、総合法律支援法30条で定められた業務で、費用を払う資力がない人などが対象です。基準に当たるかは、世帯の人数・収入・資産で決まるので、サポートダイヤルに電話して確かめます。流れは借金が返せないときに法テラスでできることで説明しています。

事務所の分割払いを使う場合、依頼の後に業者への返済が止まる期間に、毎月決まった額を事務所に積み立てて費用にあてる形がよく使われます。一度に払えない人の考え方は、次に読む任意整理の費用が払えないときの分割払いと法テラスの立替で整理しています。対象の絞り方は任意整理は一社だけでもできるか、裁判所の手続きは債務整理の特定調停とはを見てください。

見積もりの取り方と、安い事務所を選ぶ前の確認

安さで比べるなら、2〜3の事務所に同じ条件を伝えて見積書を出してもらうのが確かです。伝える条件は、借入先の名前、1社ごとの残高、借りはじめた時期、毎月返せる額の4つです。条件がそろっていないと、総額を並べても比べられません。

文例(見積もりの依頼):「任意整理の費用の見積もりをお願いします。借入先は3社で、残高はA社50万円、B社30万円、C社20万円です。着手金・報酬・減額報酬・事務手数料・返済の代行の手数料を分けて、税込の総額で書面にしていただけますか。途中で解約した場合の返金の条件も教えてください。」

司法書士は、受任する前に報酬の算定の方法を示すことが法令(司法書士法施行規則22条)で求められており、日司連の指針は報酬額と算定方法を書いた書面を渡すことも求めています。書面を出してもらえない、口頭の「だいたい○万円」だけで契約を急がされる、という場合は、その場で決めずに持ち帰りましょう。

広告の「最大○割減額」「着手金0円」といった表示は、一般に、景品表示法5条が事業者に禁じる「実際より著しく有利と誤認させる表示」にならないよう、根拠と条件を示せることが求められる種類のものです。気になる表示があれば、条件と総額を書面で聞いてかまいません。

依頼先を選ぶなら、資格(弁護士か認定司法書士か)、受任する人との面談の有無、税込の総額の書面、途中解約の返金の条件の4点を、どの事務所でも同じように確かめましょう。債務整理全体の費用を抑える考え方は、債務整理を安い費用で頼みたいときの注意点でも比べています。

よくある質問

Q. 着手金0円の任意整理は、ほかより安いのですか?

着手金が0円でも、解決報酬などが高ければ総額は増えます。比べるのは着手金ではなく、自分の社数で出した総額(税込)です。同じ社数・同じ条件で見積書を出してもらい、項目を並べて比べてください。

Q. 任意整理の対象を減らせば、費用は安くなりますか?

1社ごとに費用がかかる料金表なら、社数が減るぶん総額は下がります。ただし、外した借金は今までどおり返し続けることになるので、毎月の返済が楽になる効果も小さくなります。外す借金を選ぶときは、保証人や担保がついていないかも含めて相談の場で確かめましょう。

Q. 司法書士のほうが弁護士より費用が安いのですか?

一律にどちらが安いとは言えず、事務所の料金表しだいです。司法書士には日本司法書士会連合会の指針、弁護士には日本弁護士連合会の規程で報酬の上限がありますが、1社の借金が140万円を超える会社は認定司法書士でも代理できないため、その会社だけ別に弁護士へ頼むと費用が重なることがあります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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