借金の基本・返せないとき / Q&A

借金はいくらからやばい?年収と毎月の返済額で見る危険ライン

この記事のもくじ
  1. 借金はいくらからやばい?2つの物差しで答える
  2. 物差し1:年収の3分の1(総量規制)
  3. 物差し2:手取りに占める毎月の返済額
  4. 返済が利息だけで消えていないかを確かめる
  5. 金額以外に見る「やばい」サイン
  6. 「やばい」と分かったら次にすること

借金がいくらからやばいかは、金額だけでは決まりません。同じ100万円でも、手取り40万円の人と18万円の人では重さがまったく違うからです。この記事では、法律にある「年収の3分の1」という線と、手取りに占める毎月の返済額という2つの物差しで、自分の借金が自力で返せる範囲かを試算します。計算例はすべて筆者の計算です。

借金はいくらからやばい?2つの物差しで答える

先に答えを書きます。次の2つのどちらかに当てはまるなら、自力での返済が難しくなり始めている段階と考えて、相談先を探してよい状態です。

  1. 貸金業者からの借金の合計が、年収の3分の1に近い、または超えている。 法律上、それ以上は新しく借りられない線です。
  2. 今の借金を3年(36回)で返し終えるのに必要な月額が、手取りから生活費を引いた残りより大きい。 3年で返し終えられない額は、返済が長引いて利息が積み上がりやすくなります。

3年を物差しにするのは、借金を整理する手続きでも3年が一つの区切りになっているためです。日本司法書士会連合会は、任意整理の分割期間はおよそ3年程度の和解が多いと説明しています。個人再生の返済期間も、法律で原則3年と定められています(民事再生法229条2項)。

物差し1:年収の3分の1(総量規制)

貸金業者(消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど)からの借金の合計が年収の3分の1を超える貸付けは、原則としてできません(貸金業法13条の2)。年収300万円なら上限は100万円です。この線に近づくと、新しい借入れで今の返済をつなぐことができなくなり、借りて返す形で回している人にとっては行き止まりの地点になります。

銀行・信用金庫のカードローンは総量規制の対象外なので、借金全体が3分の1を下回っていても安心とは言えません。仕組みの全体は年収の3分の1を超えたときに起きることを整理した記事にあります。次の物差しも合わせて使います。

物差し2:手取りに占める毎月の返済額

2つ目の物差しは、借金を3年で返し終えるのに必要な月額です。金利は利息制限法の上限(元本10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%)で置き、毎月同じ額を払う方式で計算しました。

早見表:借金を3年(36回)で返し終えるのに必要な月額と、手取りに占める割合(筆者の計算)
借金の額(年利) 36回で返す月額 手取り20万円 手取り25万円 手取り30万円
30万円(18%) 約1.08万円 5.4% 4.3% 3.6%
50万円(18%) 約1.81万円 9.0% 7.2% 6.0%
100万円(15%) 約3.47万円 17.3% 13.9% 11.6%
150万円(15%) 約5.20万円 26.0% 20.8% 17.3%
200万円(15%) 約6.93万円 34.7% 27.7% 23.1%
300万円(15%) 約10.40万円 52.0% 41.6% 34.7%

自分に当てはめるときは、次の順で計算します。

  1. 給与明細で、手取り(振り込まれる額)を確かめる。
  2. 家賃・食費・光熱費・通信費・保険料・子どもの費用など、毎月決まって出ていくお金を足す。
  3. 手取りから2を引いた残りが、返済に回せる上限になる。
  4. 早見表の「36回で返す月額」がその上限より大きければ、3年では返し終えられない。

たとえば手取り22万円で生活費が17万円なら、返済に回せるのは5万円です。借金が150万円なら36回の月額は約5.2万円で、すでに上限を超えています。この場合、毎月5万円ずつ払っても完済は3年より後にずれ込み、その間も利息がかかり続けます。

200万円前後の借金について手取り別に期間を出した例は、借金200万円は返せるかを手取り別に計算した記事にあります。

返済が利息だけで消えていないかを確かめる

金額が小さくても危ないのは、毎月の支払いのほとんどが利息に消えている状態です。毎月の利息は、おおよそ「残高×年利÷12」で計算できます。

残高(年利) 1か月の利息(筆者の計算) 毎月の支払い 元金が減る額
50万円(18%) 7,500円 10,000円 2,500円
100万円(15%) 12,500円 15,000円 2,500円
100万円(15%) 12,500円 20,000円 7,500円

100万円を年15%で借り、毎月1万5,000円を払う場合、1回目に元金が減るのは2,500円だけです。筆者の計算では、この払い方を続けると完済まで145回(約12年)かかり、払う利息の合計は約116万円と、借りた額を上回ります。同じ借金でも毎月2万円にすると79回・利息約58万円まで縮みます。

自分の状態は、利用明細や会員ページの「元金」「利息」の内訳で確かめられます。毎月の支払いのうち利息が半分を超えているなら、支払いを続けていても残高がなかなか減らない状態です。残高・金利・月額から完済までの月数を出す方法は、借金返済シミュレーションのやり方で手順を紹介しています。

金額以外に見る「やばい」サイン

金額の物差しに当てはまらなくても、次のサインがあれば危険が近づいています。

  • ある会社への返済のために、別の会社から借りた
  • 借入先が3社以上ある
  • 返済日に間に合わず、遅れた月がある
  • 税金・国民健康保険料・家賃の支払いを後回しにしている
  • 毎月、最低額しか払えていない

借りて返す形は、借金が減らずに利息だけが増える典型です。内閣官房の懇談会資料に載った金融庁の委託調査では、3年以内に消費者金融を使った人のうち9.4%が、借りた目的に「貸金業者への返済資金」を挙げています。貸金業者から3件以上借りている人は、2025年3月末で147万人いました(金融庁がJICCの公表資料から作成)。

「やばい」と分かったら次にすること

2つの物差しやサインに当てはまったら、次の順で動くと無理がありません。

  1. 借入先・残高・金利・毎月の返済額を一覧にする(借入一覧の作り方と返す順番の決め方)。
  2. 来月の支払いが難しいなら、支払日の前に業者へ相談する。返済を待ってもらう方法と、手続きで請求が止まる仕組みは借金の返済を一時停止できるかを整理した記事にまとめています。
  3. 3年で返し終えられない計算になったら、公的な窓口か弁護士・司法書士に一覧を見せて相談する。借金が少なくても相談してよいかの目安は債務整理はいくらからできるかの記事にあります。

窓口の番号と受付時間は借金の公的な相談窓口の一覧で確かめられます。「まだ大丈夫かもしれない」と迷う段階で計算しておくほど、選べる方法は多く残ります。

よくある質問

Q. 借金が年収の3分の1を超えていたら、違法になって一括で返すよう求められますか?

総量規制は貸金業者が新しく貸すときの決まりで、借りた人が処罰されることはないと金融庁は説明しています。超えていても、すぐに一括返済を求められるわけではなく、契約どおりに返していけばよいとされています。ただし、貸金業者から新しく借りることは原則できなくなります。

Q. みんなはいくらくらい借りているのですか?

金融庁がJICCの公表資料から作った図では、2025年3月末の貸金業者からの無担保無保証の借入れは、1人当たり57.7万円でした。銀行カードローンや住宅ローンは含まない数字なので、自分の借金全体と比べる目安にはなりません。人と比べるより、自分の手取りで返し切れるかを計算するほうが役に立ちます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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