借金を司法書士に相談する流れ|認定司法書士の確かめ方と範囲
借金は司法書士にも相談できます。ただし、貸金業者との任意整理や過払い金の交渉を代理できるのは「認定司法書士」だけで、範囲は1社(個別の債権)ごとに140万円以下です。自己破産・個人再生では、司法書士は裁判所に出す書類の作成で支援し、申立てをするのは本人になります。この記事は、相談する前に済ませておく準備の手順です。司法書士検索で認定を確かめる方法、予約の電話で伝えること、総合相談センターの選び方の順に説明します。
借金で司法書士に頼める範囲(140万円の線)
司法書士法3条は、司法書士の仕事を号ごとに分けています。借金の相談に関わるのは次の3つです。
| 仕事 | 根拠 | 借金での例 | 誰ができるか |
|---|---|---|---|
| 裁判所に出す書類の作成と、その相談 | 司法書士法3条1項4号・5号 | 自己破産・個人再生の申立書の作成 | 司法書士 |
| 簡易裁判所の手続きの代理 | 同6号 | 140万円以下の訴訟・支払督促・民事調停(特定調停を含む) | 認定司法書士 |
| 140万円以下の民事の紛争の相談と、裁判外の和解の代理 | 同7号 | 任意整理・過払い金の交渉 | 認定司法書士 |
140万円は、裁判所法33条1項1号が定める簡易裁判所の訴訟の上限額で、最高裁の平成28年6月27日の判決は、借金の総額ではなく債務整理の対象となる個別の債権の額で見るとしました。数え方の例と、弁護士に頼む場合との線引きは債務整理は弁護士と司法書士どっちか、任意整理に絞った話は任意整理を司法書士に頼むときの1社140万円の線にあります。代理人を立てて自己破産・個人再生を進めたい場合は、弁護士に頼みます。
認定司法書士の確かめ方(司法書士検索の使い方)
日本司法書士会連合会の司法書士検索は、連合会に登録されている司法書士と司法書士法人を調べられます。手順は次のとおりです。
- 連合会のサイトで、利用の同意ページから司法書士検索に進む。
- 条件に、広告や名刺にある氏名と、事務所の所在地の市区町村名を入れて検索する。
- 表示される氏名・事務所所在地・事務所の電話番号・事務所名と、簡裁代理権の有無を見る。任意整理の交渉を頼むなら「あり」であることを確かめる。
- 事務所の電話番号を、広告やメールに書かれた番号と見比べる。
- 司法書士法人の場合は、法人名と事務所に加えて、表示される社員の氏名に、担当すると言われた人の名前があるかを見る。
検索に出てこないときは、次の順で見直します。登録と違う漢字の表記で入れていないか、旧姓などの「職務上の氏名」で登録されていないか、を確かめます。データは毎月2回の更新で、追加や変更が載るまでに時間がかかることもあります。それでも見つからなければ、所属する都道府県の司法書士会に電話で問い合わせます。連合会自身が、掲載は特定の司法書士を推薦するものでも、相談を引き受ける保証でもないと書いており、業務停止中の会員も載るため、画面に出たことだけで安心しないでください。
連合会の注意喚起は登記の依頼を主に想定したものですが、資格のない者に頼んでしまうサインとして、司法書士会員証の提示を拒む、メールや郵便のやりとりだけで会ったことがない、「司法書士」ではなく「代理人」「コンサルタント」と名乗る、といった点を挙げています。借金の相談でも目安になります。減額をうたう業者の見分け方は借金減額の詐欺を見分けるチェックリストで扱っています。
予約の電話で伝えること・聞くこと
予約の電話は、相談の中身を話す場ではなく、相談の準備ができるかを確かめる場です。次の5点を短く伝えます。
- 借入先の数と、合計のおおよその額
- いちばん残高が大きい1社の額(140万円を超えるかどうかの目安になる)
- 督促状や裁判所の書類が届いているか、届いた日
- 頼みたいこと(任意整理で業者と交渉したいのか、自己破産などの書類作成を支えてほしいのか、決まっていないのか)
- 来所できる曜日と時間
文例:「借金の返済のことで相談したいです。借入れは4社で合計はおよそ○万円、いちばん大きい1社が○万円です。まだ裁判所の書類は届いていません。相談料と時間、持っていくものを教えてください。」
あわせて、次の4点を聞いておくと、当日に行き違いが出にくくなります。相談料と時間、面談するのが受任する司法書士本人か、その司法書士が簡裁代理権を持つか(検索の結果と合わせる)、面談が来所かウェブかです。ウェブ会議での面談は、直接会えない合理的な理由があり、依頼者が希望する場合の例外で、事務所から誘導することは指針(4条)で禁じられています。持ち物は借金の相談に持っていく書類と準備の表が使えます。
総合相談センターと事務所の選び方、依頼までの流れ
司法書士に会う入口は、都道府県の司法書士会が開く司法書士総合相談センターと、司法書士の事務所の2つです。
| 入口 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 司法書士総合相談センター | 全国に約150か所。原則は有料で、無料のところも多い。会によっては得意分野の名簿から相談内容に合う司法書士を紹介する。設置場所と日程は各都道府県の司法書士会に問い合わせる | 事務所を自分で選べない、広告の事務所に不安がある |
| 事務所の初回相談 | 事務所ごとに料金と時間が違う。広告から申し込めるものも多い | すでに候補の事務所があり、検索で認定を確かめた |
地域ごとの司法書士会の番号は、札幌で借金の相談をするなら、福岡で債務整理を相談するならなどの地域別の記事に載せています。法テラスから相談の紹介を受けて対応する役割も、総合相談センターにはあります。
面談から依頼までの流れと、日本司法書士会連合会の指針(令和7年)が会員に求めていることを並べます。
- 面談:受任する予定の司法書士自身が、直接面談して借金・資産・収入・生活の状況を聞き取り、見通しを説明する(指針4条)。
- 業務の範囲の説明:今回の依頼が簡易裁判所の代理なのか、裁判所に出す書類の作成なのかを明らかにして契約書を作り、渡す(指針5条1項)。
- 費用の説明:報酬表を示すなどして報酬と費用、算定方法を説明し、書面を渡す(指針5条2項)。報酬の基準を前もって示すことは、司法書士法施行規則22条でも求められています。
- 不利益の説明:手続きごとに予想される不利益を説明する(指針6条)。収入・資産が法テラスの条件に当たる人には、その制度を伝えて選ぶ機会を与える(指針5条3項)。
- 契約と受任通知:契約の後、司法書士が貸金業者に受任を通知する。貸金業法21条1項9号は、通知の出し手として弁護士と並んで司法書士を挙げています。
報酬には指針に上限があり、任意整理は債権者1社あたり5万円(税抜)までなどと決まっています。上限の一覧と弁護士の側の上限との比べ方は債務整理は弁護士と司法書士どっちかにあり、見積書の読み方は債務整理の料金の見積書で確かめる項目が詳しいです。司法書士には司法書士法24条で秘密を守る義務があります。弁護士に相談する場合の流れは借金を弁護士に相談する流れで比べられます。
司法書士の事務所に依頼するなら、選ぶときは司法書士検索で簡裁代理権が「あり」か、受任する司法書士本人と面談できるか、費用の総額を書面でもらえるかを確かめます。
よくある質問
Q. 借金の合計が140万円を超えていると、司法書士には頼めませんか?
140万円の線は合計ではなく、1社(個別の債権)ごとに見ます。合計が大きくても、1社ごとに140万円以下なら認定司法書士が任意整理の交渉を代理できます。予約の電話では、いちばん残高が大きい1社の額を先に伝えると、代理できる範囲かどうかをその場で聞けます。
Q. 札幌や福岡で借金を相談できる司法書士はどう探せばいいですか?
住んでいる都道府県の司法書士会が開く総合相談センターで相談するか、日本司法書士会連合会の司法書士検索で地域の事務所を探します。検索では簡裁代理権の有無も表示されます。地域の公的な窓口と合わせた探し方は、札幌・福岡それぞれの地域別の記事にまとめています。
出典・参考にした公的な情報
- 司法書士法 第3条・第24条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 裁判所法 第33条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 最高裁判所 平成28年6月27日 第一小法廷判決(平成26年(受)第1813号等)(裁判所)
- 司法書士検索(日本司法書士会連合会)
- 司法書士総合相談センター(日本司法書士会連合会)
- 債務整理事件の処理に関する指針(令和7年)(日本司法書士会連合会)
- 司法書士法施行規則 第22条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法 第21条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。