相談先と窓口 / 手順

借金を弁護士に相談する流れ|予約・面談・依頼までの手順と費用

この記事のもくじ
  1. 借金を弁護士に相談する流れ(予約から受任通知まで)
  2. 相談先の選び方と、予約の電話で伝えること
  3. 面談で受けておきたい説明(方針・不利益・費用の総額)
  4. 見積もりと委任契約で確かめること
  5. 受任通知の後に起きることと、相談先の選択肢

借金を弁護士に相談するときの流れは、相談先を選ぶ → 予約 → 面談(状況の聞き取りと方針の説明) → 見積もり → 委任契約 → 受任通知の順です。費用は、相談の段階では相談料(無料の窓口もある)だけで、任意整理・自己破産・個人再生などを依頼して初めて報酬と実費がかかります。総額は面談のあとに見積書で確かめ、納得してから契約します。

借金を弁護士に相談する流れ(予約から受任通知まで)

全体を先に見ておくと、いまどこにいて、次に何を用意すればいいかが分かります。

手順表:借金を弁護士に相談してから依頼するまで
段階 起きること 自分が用意・確かめること
1 相談先を選ぶ 弁護士会の法律相談、法テラス、事務所の相談から選ぶ 収入・資産が法テラスの条件に当たりそうか
2 予約する 電話やフォームで日時を決める 相談料、相談時間、持ち物
3 準備する 借入一覧と家計の数字をまとめる 督促状・裁判所の書類の有無と日付
4 面談する 借金・収入・生活の聞き取り、手続きの候補の説明 不利益と費用の説明を受けたか
5 見積もりを受け取る 手続きごとの費用の内訳が出る 総額、税込か税抜か、支払い方法
6 委任契約を結ぶ 契約書を取り交わす 担当する弁護士、解約時の返金
7 受任通知が出る 弁護士が貸金業者などに通知する 続ける支払いと止める支払いの指示

この流れのうち、1〜5は「相談」、6からが「依頼」です。民法643条のとおり、委任はあなたが頼み、弁護士が引き受けて初めて成立します。5までで終えて、別の弁護士や公的な窓口と比べることもできます。

相談先の選び方と、予約の電話で伝えること

相談先は大きく3つです。

  1. 弁護士会の法律相談:地域の弁護士会が開く相談。条件は会ごとに違い、たとえば金融庁のリーフレット(東京都版)には、予約制で3回まで無料のクレジット・サラ金の法律相談や、弁護士による10分程度の無料電話相談が載っています。
  2. 法テラス(日本司法支援センター):収入や資産が一定以下などの条件を満たす人は無料で法律相談を受けられます。条件と費用の立替えは法テラスでできる無料相談と費用立替の流れで確かめます。
  3. 法律事務所の相談:広告やウェブサイトから申し込む相談。初回無料の事務所もありますが、無料の範囲は事務所ごとに違います。

無料で受けられる範囲の比べ方は借金返済の無料相談はどこでできるかにまとめています。どこに予約するにしても、電話では次のことを短く伝えると、当日の相談時間を有効に使えます。

文例:「借金の返済の相談をお願いしたいです。消費者金融とカード会社で4社、合計はおよそ○万円です。来月の返済のめどが立ちません。督促状は届いていますが、裁判所からの書類はまだありません。相談料と相談時間、持っていくものを教えてください。」

社数と合計額の見当、延滞の有無、裁判所の書類の有無の4点があれば、事務所は相談の準備ができます。相談する弁護士の氏名と所属は、所属する弁護士会の会員検索などで確かめられます(大阪弁護士会の例では、会員検索と全国共通の弁護士情報提供サービスへの入口を置いています)。

面談で受けておきたい説明(方針・不利益・費用の総額)

面談では、借金の内訳、収入、家族、財産(家・車・保険など)、保証人の有無を聞かれます。弁護士には弁護士法23条で秘密を守る義務があるので、分かっていることはそのまま話して大丈夫です。聞き取りが終わったら、次の3つの説明を受けたかを確かめます。

  1. 方針:任意整理・個人再生・自己破産などのうち、どれが候補になるか、その理由。
  2. 不利益:信用情報機関への登録、自己破産での資格の制限、家や車を手放す可能性、保証人に請求が行く可能性。
  3. 費用の総額:着手金・報酬金・減額報酬などの名目ごとの額と算定方法、実費、裁判所に納める費用。

弁護士の面談と説明の決まりは、日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」にあります。受任する予定の弁護士が自ら債務者と面談して、債務の内容、資産・収入・生活費などの生活状況、不動産の処理の希望を聴くこと(3条1項)、受任の際に事件処理の方針と見通し、弁護士費用、予想される不利益(破産での資格制限、信用情報機関への登録、不動産などを失う可能性)を説明すること(4条1項)が定められています。費用については、誤解が生じないように説明し、委任契約書にも誤解のない書き方をするよう努めること(5条)、事案に応じて法律扶助の制度を説明すること(6条)も求められています。保証人については、破産法253条2項が、免責は債権者が保証人に対して持つ権利に影響しないと定めています。家族が保証人になっている借金があるなら、面談の最初に伝えておきたい項目です。

面談で聞くことを一覧にしたものは、債務整理の相談で聞くことの確認表に20項目で載せています。

見積もりと委任契約で確かめること

費用は事務所ごとの料金表で決まり、同じ手続きでも名目の分け方が事務所によって違います。広告の「着手金」の額だけでは総額は分からないので、見積書を受け取ったら、次の点を確かめます。

確かめる点 見るところ
総額 社数×1社あたりの額、減額報酬、実費、裁判所に納める費用を足した額が書かれているか
税の扱い 税込か税抜か
支払い方法 分割の回数と、支払いが遅れたときの扱い
途中でやめたとき 受け取った費用の返金の条件
担当者 面談した弁護士が担当するのか

任意整理の報酬には、日本弁護士連合会の規程に上限があります。個人の借金の任意整理(規程でいう非事業者等任意整理事件)では、日本弁護士連合会の案内によると、解決報酬金は1社あたり2万円以下が原則(商工ローンは5万円以下)、減額報酬金は減額分の10%以下、過払金報酬金は回収額の20%以下(訴訟による場合は25%以下)で、いずれも消費税は別です。着手金は事案に応じて適正な額にすることが求められ、名目を変えて上乗せすることも規程で制限されています。見積書にこの上限を超える名目がないかを見るのが、確かめ方の出発点です。

見積書の読み方は債務整理の料金の見積書で確かめる項目が詳しく、手続き別の費用の内訳は債務整理の費用の内訳と見積もりの確かめ方で扱っています。契約書は控えを受け取り、費用の書面と一緒に保管します。

受任通知の後に起きることと、相談先の選択肢

委任契約を結ぶと、弁護士が貸金業者などに受任の通知を出します。貸金業法21条1項9号は、弁護士・司法書士に借金の処理を任せた旨の書面の通知があった後に、貸金業者が正当な理由なく電話・訪問などで本人に返済を求め、直接求めないよう言われたのにさらに求めることを禁じています。通知の後は、貸金業者からの取引履歴をもとに残高を確かめ、任意整理の交渉や裁判所への申立ての準備に進みます。仕組みと止まらない支払いは債務整理の受任通知で止まるもの・止まらないものにまとめています。弁護士が依頼後に何をし、依頼者が何をするかは債務整理を弁護士に頼むと何をしてくれるかで詳しく見られます。

相談先を選び直すときの目安も書いておきます。弁護士への依頼は、LINEやメールの案内から始まることもありますが、面談を経ることが規程の出発点なので、借金のLINE相談でできることと面談の必要性で確かめる点を見ておくと、急がされにくくなります。1社あたりの借金が140万円以下で任意整理を考えているなら、認定司法書士も選択肢になります(違いは債務整理は弁護士と司法書士どっちか)。家計の見直しと任意整理を費用をかけずに進めたいなら、日本クレジットカウンセリング協会のカウンセリングもあります。自己破産・個人再生で代理人を立てたい、1社で140万円を超える借金がある、という場合は弁護士への依頼が中心になります。

弁護士の事務所に依頼するなら、選ぶときは弁護士会の会員検索で氏名と所属を確かめること、担当する弁護士本人と面談できるか、費用の総額を書面でもらえるか、住んでいる地域に対応しているかを確かめます。

よくある質問

Q. 家族が本人の代わりに弁護士へ依頼できますか?

借金の整理を任せる委任の契約を結ぶのは、借金をしている本人です。家族が先に相談して進め方を聞くことはできますが、依頼の段階では本人が弁護士と話して契約します。家族が面談に同席できるかは、予約のときに事務所に聞いておきます。

Q. 弁護士に依頼したら、すぐに全部の支払いが止まりますか?

貸金業法21条1項9号が止めているのは、受任の通知を受けた貸金業者が本人に直接返済を求めることです。家賃・税金・奨学金など貸金業者ではない相手の支払いは、この条文の対象ではありません。どの支払いを続けるかは、依頼した弁護士の指示を受けて決めます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

債務整理を弁護士に頼むと何をしてくれる?依頼者がすることと流れ

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