債務整理の相談で聞くことの確認表|費用・期間・不利益の質問20項目
債務整理の相談では、①どの手続きを勧めるのかと理由、②費用の総額と内訳、③支払い方法と期間、④信用情報・保証人・財産への不利益、⑤誰が担当し、どんなときに辞任するかの5つを聞けば、依頼するかどうかを判断する材料がそろいます。下の20項目の確認表を印刷して持っていき、答えを書き込みながら聞いてください。弁護士は日本弁護士連合会の規程、司法書士は日本司法書士会連合会の指針(令和7年)が、面談・費用の説明・不利益の説明などを求めています。
債務整理の相談はどこでするか
債務整理の交渉や裁判所の手続きを代理で頼めるのは、弁護士と認定司法書士です。司法書士が業者との交渉を代理できるのは、法務大臣の認定を受けた認定司法書士で、1社(個別の債権)ごとに140万円以下の範囲に限られます(司法書士法3条1項7号・2項)。どちらに相談するか迷う人は借金の相談はどこにするかで窓口の全体を、弁護士の相談の流れは借金を弁護士に相談する流れで確かめてから、この確認表を使ってください。
相談の前に借入一覧と家計表を作っておくと、相談する側も答える側も時間を質問に使えます。作り方は借金の相談に持っていく書類と準備にあります。
聞くことの確認表(20項目)
| 番号 | 聞くこと | 答えで確かめる点 |
|---|---|---|
| 方針 | ||
| 1 | 私の場合、どの手続きを勧めますか。理由は何ですか | 任意整理・個人再生・自己破産のどれか、なぜ他の手続きでないのか |
| 2 | どの借入を手続きに入れ、どれを外せますか | 車のローン・保証人付きの借入・家族からの借入の扱い |
| 3 | 過払い金が出る可能性がある取引はありますか | 取引履歴を取り寄せて調べるか、調べる費用はかかるか |
| 4 | 今回の依頼は「代理」ですか、「書類作成」ですか | 司法書士の場合、裁判所の手続きで本人がすることが増えるか |
| 費用 | ||
| 5 | 費用の総額はいくらですか | 社数×1社あたり+減額報酬+実費の合計、税込か税抜か |
| 6 | 着手金・報酬金・減額報酬・過払い金の報酬は、それぞれどう計算しますか | 報酬表と計算例を書面でもらえるか |
| 7 | 実費(郵送料・裁判所に納める費用など)は別にかかりますか | 予納金などの見込み額と支払う時期 |
| 8 | 返済の代行の手数料はかかりますか。使わない選択はできますか | 毎月の手数料と、使うかどうかを自分で選べるか |
| 9 | 費用は分割で払えますか。法テラスは使えますか | 分割の回数、払えない月の扱い、民事法律扶助の案内があるか |
| 10 | 途中で依頼をやめたとき、払ったお金は返りますか | 解約の条件が委任契約書に書かれているか |
| 期間と支払い | ||
| 11 | 手続きが終わるまでどのくらいかかりますか | 和解・申立て・決定までの目安 |
| 12 | 和解した後の毎月の返済額と回数の見込みは | 家計表の「残り」で払える額か |
| 13 | 受任通知を出した後、業者への返済はいつまで止めますか | その間に積み立てる額 |
| 不利益 | ||
| 14 | 信用情報にどう登録され、カードやローンにどう影響しますか | 登録される可能性と、使えなくなるカード |
| 15 | 保証人には何が起きますか | 保証人に残りの一括請求が行く可能性 |
| 16 | 家や車は手元に残せますか | 住宅ローン・所有権留保の車の扱い |
| 17 | 仕事や資格に影響はありますか | 自己破産の資格制限に当たるか |
| 担当と連絡 | ||
| 18 | 誰が担当し、業者と誰がやり取りしますか | 面談した資格者本人が担当するか |
| 19 | 進み具合はどのくらいの間隔で報告してもらえますか | 連絡の手段と間隔 |
| 20 | どんなときに辞任されますか | 積立の滞り・連絡が取れないなど、委任契約書の辞任の条件 |
- 相談の前:借入一覧・家計表を作り、確認表を印刷する
- 相談の場:1→5→14〜17→18 の順に聞き、答えを書き込む
- 相談の後:見積書・委任契約書と書き込んだ答えを見比べる
- 迷ったら:別の事務所でも同じ表で聞き、総額と説明を比べる
弁護士・司法書士の団体の決まりが求める説明
弁護士と司法書士は、定める団体が違います。弁護士は日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」、司法書士は日本司法書士会連合会が令和7年に定めた「債務整理事件の処理に関する指針」です。会長談話は、指針の柱を直接面談の原則・不適切な事件処理の禁止・報酬の上限・広告の規制の4つとしています。確認表の項目は、次のように条文に対応しています。
| 確認表 | 弁護士(日弁連の規程) | 司法書士(日司連の指針) |
|---|---|---|
| 18(誰が担当か) | 受任予定の弁護士が自ら面談して聴く(3条1項)。受任後は氏名と事務所の所在地を明示する(7条) | 受任予定の司法書士本人が直接面談する(4条)。ウェブ会議は合理的な理由があり依頼者が希望する場合の例外 |
| 4(代理か書類作成か) | — | 業務の範囲を明らかにした契約書を渡す(5条1項) |
| 5〜7(費用の総額と内訳) | 費用に誤解が生じないよう説明し、委任契約書の書き方にも配慮する(5条) | 報酬表を示すなどして報酬額・費用・算定方法を説明し、書面を渡す(5条2項) |
| 9(法テラス) | 事案に応じて法律扶助の制度を説明する(6条) | 資力要件に当たる人には制度を教え、選ぶ機会を与える(5条3項) |
| 14〜17(不利益) | 破産での資格制限、信用情報機関への登録、不動産などを失う可能性を説明する(4条1項) | 見通しを説明したうえで、予想される不利益を十分に説明する(6条) |
| 1〜3(方針) | 過払金だけを受任して他の債務を放置しない(8条) | 他の借入を聞かずに過払い金だけを受任しない。破産・再生が適切なのに安易に任意整理を選ばない(7条) |
| 5・6・8(報酬の上限) | 任意整理は、解決報酬金が1社あたり2万円以下が原則、減額報酬金は減額分の10%以下、過払金報酬金は回収額の20%以下(訴訟は25%以下)。いずれも消費税別(日弁連の案内) | 任意整理は債権者1社あたり5万円、減額報酬は減った元本の10%、過払い金は回収額の20%(訴訟は25%)、返済代行は1か月1,000円まで(9〜12条。いずれも税抜) |
上限の数字は、それぞれの資格の側にだけ当てはまります。見積書を見るときは、相手が弁護士か司法書士かを先に確かめ、その資格の側の上限に照らします。司法書士の指針の解説は、予想される不利益の例として、信用情報機関への事故登録、破産の資格制限、不動産を失う可能性、所有権留保の自動車を失う可能性、保証人が残額を一括請求される可能性の5つを挙げ、報酬も報酬表だけでなく計算例を示して説明する必要があるとしています。報酬の基準を前もって示すことは、司法書士法施行規則22条でも司法書士の義務です。
手続きの期間について、日本司法書士会連合会は任意整理の和解の分割期間を「およそ3年程度」が多いと説明しています。自分の場合の見込みは、確認表の11・12で聞いてください。
答えがあいまいなときの対応
次のような場面では、その場で決めずに持ち帰ります。
- その日のうちに契約を求められる:「見積書と委任契約書を持ち帰って読んでから返事をします」と伝える。
- 面談した人が誰か分からない:名刺で資格(弁護士・司法書士)と氏名を確かめ、確認表の18をもう一度聞く。
- 総額を書面で出してもらえない:口頭の説明だけで契約しない。見積書で確かめる項目は債務整理の料金の見積書で確かめる項目にまとめています。
- 返済代行が必須と言われる:司法書士の指針は、利用するかを依頼者に選ばせ、強制してはならないとしています。弁護士に頼む場合も、使うかどうかを選べるかを確かめます。
- 途中で解約しても一切返金しないという条項がある:指針の解説も消費者契約法との関係で問題になりうると書いています。契約前に消費者ホットライン(188)で相談できます。
伝え方の例です。
文例:「今日はお話を聞くだけにして、見積書と委任契約書を持ち帰ってもいいですか。総額と、途中でやめた場合の扱いを確認してから連絡します。」
LINEやメールで依頼が進みそうなときは、面談の有無を借金のLINE相談でできることと面談の必要性の5点で確かめられます。辞任の条件をくわしく知りたい人は債務整理で弁護士が辞任するのはどんなときを読んでおくと、確認表の20を聞くときの手がかりになります。
相談の場で決めることと持ち帰ることの分け方は債務整理の無料相談を使うコツで、質問の表はこの記事が正本です。相談の前に借入先や残高をはっきりさせたい人は、自分の借金を調べる方法から始めてください。
よくある質問
Q. 20項目を全部聞く時間がないときは、どれを優先すればよいですか?
確認表の1(どの手続きを勧めるか)、5(費用の総額)、14〜17(不利益)、18(誰が担当するか)を先に聞いてください。残りは見積書と委任契約書を受け取ったあとに、電話やメールで聞くこともできます。
Q. 質問のメモを相談の場で見ながら話してもよいですか?
かまいません。聞き漏らしを防ぐために、この確認表を印刷して答えを書き込みながら聞く方法をすすめます。答えを書き込んだ紙は、ほかの事務所と見積もりを比べるときにも使えます。
Q. 弁護士に相談するときも、この確認表を使えますか?
使えます。日本弁護士連合会の規程は、弁護士に、面談による聴き取り、方針と見通し、弁護士費用、予想される不利益の説明を求めています。確認表の項目はそのまま弁護士への質問になるので、答えを書面でもらえるかも一緒に聞いておきます。
出典・参考にした公的な情報
- 債務整理事件処理の規律を定める規程(会規第93号。令和7年12月5日改正)(日本弁護士連合会)
- 債務整理の弁護士報酬のルールについて(日本弁護士連合会)
- 債務整理事件の処理に関する指針(令和7年)(日本司法書士会連合会)
- 債務整理事件の処理に関する指針の解説(日本司法書士会連合会)
- 債務整理事件の処理に関する指針の制定について(会長談話)(日本司法書士会連合会)
- 司法書士法施行規則 第22条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 司法書士法 第3条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 「多額の借金」返済限度を超えた(相談事例)(日本司法書士会連合会)
- 債務整理事件処理の規律を定める規程施行規則(規則第145号)(日本弁護士連合会)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。