相談先と窓口 / 基本ガイド

借金の相談はどこにする?公的窓口・法テラス・弁護士の選び分け

この記事のもくじ
  1. 借金の相談先は「いまの状況」で選ぶ
  2. 相談先ごとにできること・費用・予約の比較
  3. 弁護士・司法書士・法テラスの選び分け
  4. お住まいの地域で相談先を探す
  5. 相談の前にそろえるもの・最初に伝えること
  6. 借金以外の滞納や、身の危険があるとき

借金の相談先は、**「返済がまだ回っているか」「収入と資産に余裕があるか」「督促や差し押さえが迫っているか」**の3つで選べます。返済は回っているが不安なら財務局や消費生活センターなどの公的な窓口、返せない月が出ている・督促が来ているなら弁護士・司法書士、相談や依頼の費用を出す余裕がないなら法テラス(日本司法支援センター)が入口です。この記事では、それぞれの窓口でできること・できないこと、費用と予約の違い、相談の前にそろえるものを順に整理します。窓口の電話番号と受付時間は、借金の公的な相談窓口の番号・受付時間の早見表にまとめています。

借金の相談先は「いまの状況」で選ぶ

借金の相談先に「ここが一番」という正解はありません。いまの状況に合った入口を選ぶと、話が早く進みます。次の分かれ道で、自分がどこにいるかを確かめてください。

分かれ道:借金の相談先の選び方
  1. 脅される・家に押しかけられる・ヤミ金から借りた → 先に身の安全。警察と取り立てが怖いときの相談先、ヤミ金の被害の相談先へ
  2. 督促状・裁判所からの書類・一括請求が届いた → 期限があるので、弁護士・司法書士(費用が出せなければ法テラス)へ早めに
  3. 返済のための借入れをしている・返せない月がある → 公的な窓口で全体を整理し、債務整理が必要なら弁護士・司法書士へつないでもらう
  4. 返済は回っているが家計が苦しい → 財務局・自治体の家計の相談、日本クレジットカウンセリング協会
  5. 税金・国民健康保険・家賃の滞納がある → それぞれの役所の担当課や家主へ(借金の窓口とは別)

分かれ道の3と4の違いは、**「返済のために借りているかどうか」**です。返済日に別のカードで借りて払う状態が続くと、残高は減らずに利息だけが積み上がります。この段階なら、まだ自分で選べる手段が多く残っています。

「死にたい」「もう終わりにしたい」と感じるほど追い詰められているときは、借金の窓口より先に、借金で死にたいと思ったときの24時間の相談先を見てください。借金の話はそのあとで十分間に合います。

相談先ごとにできること・費用・予約の比較

相談先によって、聞いてくれる範囲と、その先にしてくれることが違います。まず全体を表で比べます。

相談先 運営 できること しないこと 相談の費用 予約
財務局の多重債務相談窓口 国(財務局) 借入れの状況を聞き取り、必要に応じて弁護士・司法書士などを紹介。家計管理の支援も 業者との交渉の代理 無料 窓口による(東海財務局は予約不要)
消費生活センター(188でつながる) 都道府県・市区町村 業者とのトラブルの相談、ヤミ金・現金化の被害の相談 返済の交渉の代理 無料(通話料は自分持ち) 電話はそのまま
自立相談支援機関 市区町村など 家計の見える化、住まい・仕事を含めた支援プラン 借金の減額の交渉 無料 窓口に電話で確かめる
日本クレジットカウンセリング協会 公益財団法人 電話相談、面接のカウンセリング、希望により任意整理と家計管理の手伝い。面接は本人が指定のセンター・相談室に来所して受け、多くの場合は数回に及ぶ 裁判所の手続きの代理 無料 面接は予約。予約から面談まで1か月半〜3か月の待ちがある(2026年10月23日の協会の告知)
法テラス 国が設立した法人 収入・資産の条件を満たす人の無料法律相談、弁護士・司法書士の費用の立替え 条件を満たさない人の無料相談 無料(立替えは後で返す) 事前予約
弁護士会・司法書士会の相談センター 各地の弁護士会・司法書士会 弁護士・司法書士による相談 — 会により無料・有料 多くは予約制
弁護士・司法書士の事務所 各事務所 相談、債務整理の依頼、受任通知の送付 — 事務所ごとに違う 予約

ここで押さえたいのは、業者と交渉して返済の条件を変える(任意整理など)のは弁護士・司法書士の仕事だという点です。公的な窓口はその手前で、状況を整理し、必要なら専門家につなぐ役割を持ちます。また、裁判所は中立の立場で手続きを進めるため、債務整理や破産の申立ての相談には応じないと案内しています。

公的な窓口に相談すると、何が進むか

公的な窓口の強みは、お金をかけずに、借金と家計の全体を第三者と一緒に見られることです。たとえば東海財務局は、借入れの状況を専門の相談員が聞き、必要に応じて弁護士・司法書士などを紹介し、希望すれば債務整理後の生活再建のための家計管理も支援すると案内しています。相談は電話でも面談でも受け、個人事業者の相談も受けています。

公的な窓口ごとの得意分野は次のとおりです。

  • 財務局の多重債務相談窓口:複数の借入れがある人の全体整理と、専門家への橋渡し。詳しくは財務局の多重債務相談窓口の使い方へ。
  • 消費生活センター:貸金業者や販売業者とのトラブル、ヤミ金やSNSの個人間融資、後払い現金化の被害。「借金相談センター」と似た名前の窓口との違いは借金返済の相談センターの使い分けで整理しています。
  • 市区町村の窓口:生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関は、家計改善支援や住居確保給付金の入口です。借金が返せないとき市役所でできることで3つの入口を比べています。
  • 日本クレジットカウンセリング協会:電話相談から面接カウンセリングへ進む流れです。面接は予約から面談まで1か月半〜3か月ほど待つ状況なので、督促が来ているときは電話相談で足りることを確かめつつ、弁護士会や法テラスを並行させます。借金のカウンセリングの受け方を参照してください。

公的な窓口でも、相談したからといって督促が止まるわけではありません。督促を止める効果があるのは、弁護士・司法書士が業者に送る通知(受任通知)で、その範囲にも限りがあります。仕組みは受任通知で止まるもの・止まらない支払いにまとめています。

無料の窓口どうしの違いや、事務所の無料相談との比べ方は、借金返済の無料相談はどこでできるかで詳しく扱っています。

弁護士・司法書士・法テラスの選び分け

返済の条件を変える手続き(債務整理)を考える段階では、弁護士か司法書士に相談します。ここで迷いやすいのが次の2点です。

1. 司法書士が代理できる範囲には線がある。 業者との交渉(裁判外の和解)を代理できるのは、法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)で、紛争の目的の価額が140万円以下のものに限られます(司法書士法3条1項7号・2項、裁判所法33条1項1号)。この140万円は借金の合計ではなく、1社(個別の債権)ごとに見ると最高裁が判断しています(平成28年6月27日判決)。自己破産・個人再生では、司法書士は裁判所に出す書類の作成で関わり、代理人として申し立てるのは弁護士です。違いの詳細は債務整理は弁護士と司法書士どっちかで説明しています。

2. お金がなくても相談・依頼の道はある。 法テラスは、費用を払う資力がない人などを援助するため、無料の法律相談や、弁護士・司法書士に払う費用の立替えを行います(総合法律支援法30条1項2号)。立替えは後で分割して返すのが基本で、収入・資産の条件は法テラスのサポートダイヤルで確かめます。流れは借金が返せないとき法テラスでできることにまとめました。

事務所に相談するときに確かめたいことを、表にしておきます。

確かめること なぜ大事か
弁護士・司法書士本人と面談できるか 日本司法書士会連合会の指針(2025年)は、受任する司法書士自身が依頼者と直接面談するよう定めている(面談できない合理的な理由があるときは、ウェブ会議も可)
費用の総額が書面で示されるか 同じ指針は、報酬の額・費用・算定方法を明示して説明し、書面などで交付するよう定めている
自分の借入れが代理の範囲に入るか(司法書士の場合) 1社140万円を超える債権は、認定司法書士でも交渉を代理できない
信用情報への登録など不利益の説明があるか 不利益を知らずに決めると、あとで生活の計画が狂う
法テラスを使える場合に案内があるか 指針は、民事法律扶助の資力要件に当たる依頼者に制度を教え、選ぶ機会を与えるよう定めている

予約から依頼までの具体的な流れは、借金を弁護士に相談する流れと借金を司法書士に相談する流れで手順にしています。家族に知られたくない、女性の担当者に話したいという人は女性が借金を相談するときの窓口に、LINEやメールで相談したい人は借金のLINE相談でできることと面談の必要性に、確かめ方をまとめました。

お住まいの地域で相談先を探す

窓口の番号、夜間や土日の受付、地元の裁判所の場所は、都道府県ごとに違います。地域別の記事では、金融庁の2026年版リーフレットの番号に、裁判所と法テラスの予約の取り方を足しました。

ここにない都道府県は、財務局の窓口を借金の公的な相談窓口の番号・受付時間の早見表の都道府県別の表で探せます。

相談の前にそろえるもの・最初に伝えること

相談の時間は限られています。次のものが手元にあると、1回目から具体的な話ができます。北海道財務局も、債務一覧表と家計収支表(分かる範囲でよい)と、借入れに関する資料を用意するよう案内しています。

  • 借入先ごとの残高・毎月の返済額・返済日の一覧(分からない所は空欄でよい)
  • 契約書の写し、利用代金の請求書、取引明細や領収書
  • 住宅ローン・自動車ローン・教育ローンがあれば、その資料
  • 1か月の収入と支出のメモ(家計収支表)
  • 届いた督促状・裁判所からの書類(封筒ごと)
  • 税金・国民健康保険・家賃などの滞納があれば、その通知

一覧の作り方は借金の相談に持っていく書類と借入一覧の作り方、借入先が分からないときは自分の借金を調べる方法で説明しています。

電話の最初は、状況を短く伝えるだけで十分です。

文例:「借金の返済のことで相談したいです。借入れは○社で、合計はおよそ○万円です。返済のために別のところから借りる月が出てきました。どこから手をつければよいか相談できますか。」

聞いておきたい質問は債務整理の相談で聞くことの確認表にまとめました。相談すること自体が怖い・恥ずかしいと感じる人は、借金の相談が怖いときに知っておきたいことも読んでみてください。

借金以外の滞納や、身の危険があるとき

税金や国民健康保険料の滞納は、借金の窓口ではなく、それぞれの役所の担当課が相談先です。国税には納税の猶予の制度があり(国税通則法46条)、税金を滞納しそうなときの納税の猶予で条件を整理しています。国民健康保険料は国民健康保険料が払えないときの減免・分割を参照してください。借金と滞納が重なっているときは、何から払うかの順番を借金返済が苦しいときの全体図で確かめると、相談の場でも話がまとまります。

ヤミ金からの連絡、職場や家への押しかけ、脅すような言葉があるときは、借金の整理より先に身の安全を確保します。今まさに危険が迫っているなら110番です。貸金業者には、夜9時から朝8時までの電話や訪問、勤務先への連絡などを禁じる決まりがあり、その一覧と相談先は取り立てが怖いときの対処にあります。家族の借金が分かった人は、家族の借金が発覚したときの手順から読むと、本人を相談につなぐ方法が分かります。

よくある質問

Q. 借金の相談をすると、すぐに債務整理を勧められますか?

公的な窓口は、借入れの状況や家計を聞いたうえで、自力で返せる道があるか、専門家につなぐべきかを一緒に考える場です。弁護士・司法書士の相談でも、依頼するかどうかを決めるのは本人です。その場で決めず、説明と見積書を持ち帰って考えてかまいません。

Q. 借金の相談は家族に知られずにできますか?

財務局の多重債務相談窓口は相談を無料で受け、秘密は守ると案内しています。弁護士・司法書士には、職務で知った秘密を守る義務が法律で定められています(弁護士法23条、司法書士法24条)。ただし、家族名義の保証や同居の家族の収入が関わる手続きでは、家族の協力が必要になる場面もあるので、相談のときにどこまで知られるかを聞いておきましょう。

Q. 相談するのは借金がいくらからが目安ですか?

金額の線より、「毎月の返済のために別の借入れをしている」「返済日に間に合わない月がある」「督促の書類が届いた」のどれかに当てはまるかで考えるのが現実的です。どれか1つでもあれば、金額が小さくても公的な窓口に一度話してみる意味があります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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