取り立てが怖いとき|法律で禁止されている取立てと連絡先の一覧
今まさに脅されている、家に押しかけられている、身の危険を感じるという場合は、110番に電話してください。緊急ではないが取り立てが怖い、というときは、警察相談専用電話の**#9110**に電話します。受付時間は都道府県の警察で違い、ダイヤル回線や一部のIP電話からはつながらないため、その場合は各都道府県警察本部の相談番号にかけます。
貸金業者(消費者金融やカード会社のキャッシングなど)の取立てには、法律で禁止された行為があります。貸金業法21条1項が、威迫や、夜間の電話、勤務先への連絡、家族への請求などを禁じています。このページは、その10項目と連絡先を一覧にした記事です。借金で追い詰められて、消えてしまいたいと感じるときは、借金で死にたいと思ったとき|24時間つながる相談先と最初の一歩を先に開いてください。
怖いときの連絡先
| こんなとき | 連絡先 | メモ |
|---|---|---|
| 今まさに脅されている、家に押しかけられている | 警察 110 | 24時間。身の危険があれば迷わずかける |
| 緊急ではないが、取立てが怖い・脅された | 警察相談専用電話 #9110 | 受付時間は都道府県警察で違う。ダイヤル回線と一部のIP電話では使えない |
| 登録貸金業者の取立てへの苦情 | 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター | 番号と受付時間は下のリンク先の一覧で確かめる |
| 契約や取立ての悪質さの相談 | 消費者ホットライン 188 | 近くの消費生活センターにつながる。相談は無料、通話料はかかる |
| 借金そのものの相談 | 財務局の多重債務相談窓口、法テラス、弁護士会・司法書士会 | 番号と受付時間は下のリンク先の一覧 |
借金そのものの相談先は、番号と受付時間を借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方にまとめています。脅しや嫌がらせが貸金業の登録のない業者(ヤミ金)からのものなら、闇金の被害は警察に相談できる?連絡が来たときの対応と相談先を開いてください。
貸金業法21条1項が禁止している取立て10項目
貸金業を営む者と、その取立てを委託された者は、貸付けに基づく債権の取立てで、人を威迫したり、次のような私生活や業務の平穏を害する言動をしたりしてはいけません(貸金業法21条1項)。時間帯は、内閣府令で午後9時から午前8時までと決められています(施行規則19条1項)。
| 号 | 禁止されている行為 | 見るところ |
|---|---|---|
| 1 | 正当な理由がないのに、午後9時から午前8時までの間に、電話・ファクシミリの送信・自宅訪問をすること | 「正当な理由がないのに」が要件 |
| 2 | 返済や連絡の時期を本人が申し出たのに、その申出が相当でないなどの正当な理由もなく、午前8時から午後9時までの間に、それと別の時期に電話・ファクシミリ・訪問をすること | 本人が申し出た日時の扱い |
| 3 | 正当な理由がないのに、勤務先など自宅以外の場所に、電話・電報・ファクシミリ・訪問をすること | 「正当な理由がないのに」が要件 |
| 4 | 自宅や勤務先などで、退去を求められたのに退去しないこと | 訪問を受けたとき |
| 5 | 貼り紙や立看板など、どんな方法でも、借入れの事実などを本人以外に明らかにすること | 近所や家族への知られ方 |
| 6 | 他からの借入れなどで、返済資金を調達するよう要求すること | 借りて返せ、という要求 |
| 7 | 本人以外の人(家族など)に、代わりに返済するよう要求すること | 保証人でない家族 |
| 8 | 本人以外の人が居所や連絡先を知らせることを拒んでいるのに、さらに協力を要求すること | 家族や知人への連絡 |
| 9 | 弁護士・司法書士に債務の処理を委ね、または裁判所の手続きをとり、書面で通知があったあと、正当な理由なく電話・電報・ファクシミリ・訪問で返済を要求し、直接要求しないよう求められたのにさらに要求すること | 受任通知のあとの直接請求 |
| 10 | 上の言動(6号を除く)を、すると告げること | 脅し文句として告げる場合 |
違反した者は、2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金に処せられ、または併科されます(貸金業法47条の3第1項3号)。
1号は、午後9時から午前8時の間の連絡が対象で、その時間にかければ直ちに違反とは決まりません。正当な理由があるかが問われます。2号は、本人が「平日の昼に連絡を」「給料日の25日以降に」と申し出たときに、その申出が相当でないなどの正当な理由がない限り、申出に沿わない時期の連絡を禁じる規定です。連絡の時間を伝える方法は督促の電話に出ないとどうなる?出られないときの折り返し方に文例があります。
禁止の範囲:正当な理由と、この条文の対象にならない請求
「正当な理由がないのに」の号は、個別に判断されます。 1号・3号・9号がそうです。勤務先への電話は、一律に禁止されているのではなく、正当な理由があるかが問題です。「夜の9時を過ぎたから、すべて違反だ」「勤務先への電話は一切できない」と決めつけると、実際の場面で判断を誤ります。電話の日時や相手の言葉を記録して、窓口に相談する材料にします。
この条文の対象は、貸金業者の貸付けに基づく取立てです。 金融庁は、消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングは貸金業者の貸付けで、銀行・信用金庫などは貸金業者ではないと説明しています。家賃、税金、個人間の貸し借り、奨学金、クレジットカードのショッピング代金の請求には、貸金業法21条は直接及びません。
取立てを委託された会社や、債権を譲り受けた会社にも適用されます。 貸金業者から取立てを委託された会社は21条の対象で、債権を譲り受けた者にも、取立てのルールが準用されます(貸金業法24条2項)。債権回収会社(サービサー)にも、親族に代わりに払うよう求めることの禁止などの決まりがあります(サービサー法18条)。
督促状の送付や、裁判所への申立てそのものは、禁止行為にはあたりません。 禁止されているのは、威迫することや、私生活・業務の平穏を害する言動です。書面による請求や、裁判所の手続きは続くことがあります。
条文は、貸金業の登録の有無を条件にしていません。 ただし、登録のない業者(ヤミ金)は、取立てが違法かを考える前に、警察や消費生活センターへの相談が先です。
取立てを受けたときの対応の手順
- 身の危険があれば110、緊急でなければ#9110に連絡する。 家に居座られたときは、退去するよう求めます(4号は、退去を求められたのに退去しないことを禁止しています)。
- 記録を残す。 着信履歴の画面、留守番電話、届いた書面や封筒、メッセージの画面を、日付順に保存します。相手の名前、会社名、言われた言葉、時間をメモします。
- 相手に名乗らせる。 取立てを受ける側から請求があれば、貸金業者は、商号、取立てを行う者の氏名、取り立てる債権の内容などを、書面で明らかにしなければなりません(貸金業法21条3項、施行規則19条5項・6項)。担当者の名前や商号を聞かれたときは、従業者証明書の提示でもかまいません(施行規則19条6項ただし書き)。
文例:「会社名、あなたのお名前、どの契約の債権か、請求額の内訳を、書面で送ってください。」
- 貸金業者として登録があるかを確かめる。 金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、会社名と登録番号を調べます。登録が見つからない場合は、ヤミ金の可能性があります。
- 窓口に相談する。 日本貸金業協会の相談センター、消費者ホットライン188、財務局の多重債務相談窓口などで、取立ての内容を伝えます。通報や申し出の手順は違法な取り立ての相談・通報先|記録の残し方と申し出の手順で詳しく扱います。
- 返済の相談は、窓口か弁護士・司法書士に。 弁護士・司法書士に債務整理を委ね、書面で通知があったあと、貸金業者が正当な理由なく電話や訪問で直接返済を要求することは、9号で禁止されています。通知で止まるのは、電話・訪問などでの直接請求で、書面の送付や裁判所の手続きまで止まるわけではありません。仕組みは債務整理の受任通知とは?督促が止まる仕組みと止まらない支払いで説明しています。
場面別の案内:取立ての記事の読み分け
この記事は取立て全体の入口です。場面に近い記事から読んでください。
- 電話が続く・出られない → 督促の電話に出ないとどうなる?出られないときの折り返し方
- 会社に電話が来る → 取り立てが会社に来たら?勤務先への連絡が許される場合と対処
- 家に訪問される → 取り立てが家に来るときの対応|訪問できる時間の決まりと連絡先
- 家族に請求が来た → 借金で家族に取り立てが来たら?払う義務の有無と業者への伝え方
- 年金生活で取立てを受けている → 年金生活で取り立てを受けたら|差し押さえできない年金と相談先
- 弁護士・司法書士に頼んだあとの取立て → 取り立てを止めたいとき|弁護士・司法書士に依頼した後の流れ
- 記録の残し方と通報先 → 違法な取り立ての相談・通報先|記録の残し方と申し出の手順
取立てが怖いと感じていること自体を、一人で抱えなくて大丈夫です。電話に出られない、督促状が何通も届いているという場合は、督促状が届いたら|差出人別の見分け方と期限までにやることで、書面の種類と期限を先に整理できます。
よくある質問
Q. 午後9時以降の電話は、すべて禁止されていますか?
貸金業者は、正当な理由がないのに、午後9時から午前8時までの間に、債務者などへ電話やファクシミリの送信をしたり、自宅を訪問したりしてはいけません(貸金業法21条1項1号、施行規則19条1項)。「正当な理由がないのに」が要件なので、個別の事情で判断されます。夜間の連絡が続くときは、日時を記録して相談します。
Q. 家族のところに取り立てが来たとき、家族は払わなければいけませんか?
家族が保証人や連帯保証人になっていなければ、本人の借金を払う義務はありません。貸金業者が、債務者以外の人に代わりに払うよう求めることは禁止されています(貸金業法21条1項7号)。家族が保証人になっている場合は、保証人も取立ての相手になります。契約書で確かめます。
Q. 銀行のカードローンや家賃の督促にも、この禁止行為は使えますか?
貸金業法21条の対象は、貸金業者の貸付けに基づく取立てです。金融庁は、銀行・信用金庫などは貸金業者ではないと説明しています。銀行のカードローンや家賃には、この条文は直接及びません。ただし、脅す・押しかけるといった行為は、別の法律で問題になりうるため、記録を残して警察や消費生活センターに相談します。
出典・参考にした公的な情報
- 貸金業法 第2条・第21条・第24条・第47条の3(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法施行規則 第19条(取立て行為の規制)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 債権管理回収業に関する特別措置法 第18条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法Q&A(Q1-4:貸金業者に当たるもの)(金融庁)
- 登録貸金業者情報検索サービス(金融庁)
- 多重債務相談窓口リーフレット2026(東京都版)(金融庁)
- 消費者ホットライン188(消費者庁)
- 警察への相談(#9110・各都道府県警察の相談窓口)(警察庁)
- 警察相談専用電話「#9110」(受付時間は都道府県で異なる・ダイヤル回線と一部のIP電話では使えない)(警察庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。