督促・取り立て・差し押さえ / 手順

クレジットカードの滞納や借金で訴状が届いたら|答弁書と期日の準備

この記事のもくじ
  1. 訴状と呼出状の読み方
  2. 訴状が届いてからの手順
  3. 答弁書の文例:認める場合と争う場合
  4. 期日に出られないとき、欠席したとき
  5. 債務整理を考えているとき

クレジットカードの滞納や借金で訴状が届いたら、呼出状に書かれた期日と答弁書の提出期限を確かめ、請求を認めるか争うかを決めて、答弁書を出します。 欠席して答弁書も出さないと、原告の請求どおりの判決が出ることがあり、判決が確定すれば差押えの根拠になります。この記事では、訴状と呼出状の読み方、答弁書の書き方と文例、期日に出られない場合の扱いを手順で説明します。支払督促が届いた場合は期限が異なるため、まず支払督促と通常訴訟・少額訴訟の違い|届いた側の対応の差で、届いた書類の種類を確かめてください。

訴状と呼出状の読み方

訴状には原告(カード会社や貸金業者、債権回収会社)が何を請求しているかが、呼出状には裁判所が決めた期日が書かれています。簡易裁判所の訴訟では、被告に訴状と最初の期日の呼出状が送られます。次の表の項目に、赤ペンで印をつけて読んでください。

読み方の早見表:訴状・呼出状のどこを見るか
見る場所 書かれていること 確かめること
事件番号・裁判所名 事件を特定する番号と、受け持つ裁判所 答弁書にそのまま写す。遠い裁判所なら、出頭の可否を早めに確認する
原告 請求している会社 契約した会社と同じか。債権が譲渡されていないか
請求の趣旨 払ってほしい金額、遅延損害金 総額と、元金・利息・遅延損害金の内訳
請求の原因 契約の日、利用・借入れの経過、返済が止まった日、一括請求の根拠 自分の記録と合っているか。最後の返済日が書かれているか
期日 口頭弁論の日時と、法廷の場所 カレンダーに記入。遠方や仕事の都合は、早めに裁判所へ相談する
答弁書の提出期限 裁判所が指定した日 全国共通の日数はなく、呼出状に書かれた日が期限になる

請求の原因に、返済が遅れて契約の約束により残りを一括で請求できる状態になった日や、遅延損害金の起算日が書かれていれば、その日付を自分の記録と照らします。請求の原因に書かれた最後の返済日は、時効を考えるときの材料になります。

訴状が届いてからの手順

  1. 本物かを確かめる。 裁判所を名乗る偽の書類もあります。書類の電話番号ではなく、裁判所の公式サイトの一覧で番号を調べて、事件番号を伝えて確かめます。
  2. 期日と提出期限を手帳に書く。 提出期限が迫っていれば、先に裁判所へ連絡します。
  3. 請求の中身を、自分の記録と照合する。 通帳、カード明細、契約書、督促状を並べ、金額、日付、契約の相手を確かめます。
  4. 認めるか、争うかを決める。 全部を認める、金額の一部を争う、全部を争う、の3通りがあります。
  5. 答弁書を作って出す。 提出方法は、呼出状と同封の案内に従います。
  6. 期日までに、分割払いの収入と支出の資料を用意する。
  7. 期日に出頭する。 出頭の際は、訴状・呼出状・答弁書の控え・身分証明書を持参します。

答弁書の書式は、裁判所の民事訴訟の書式ページに「答弁書(簡裁)」のひな形があります。令和8年(2026年)5月21日より前に訴えが提起された旧法適用事件と、それ以降の新法適用事件で、使う書式が異なる場合があります。事件がどちらに当たるかは、呼出状の案内か、裁判所の書記官に確かめてください。新法適用事件では、mints(民事裁判書類電子提出システム)で答弁書を出せるとされています。使えるかどうかと手順は、呼出状の案内に従います。

答弁書の文例:認める場合と争う場合

答弁書は、原告の請求と主張に対する返答の書面です。出しておくと、自分の言い分を正確に伝えられます。次は、請求を認めて分割払いを希望する場合の文例です。

文例:「1 原告の請求を認めます。2 ただし、被告の現在の収入は月額○円、生活費等の支出は月額○円であり、一括での支払いは困難です。月額○円ずつの分割払いでの和解を希望します。」

簡易裁判所には、被告が争わず何の防御もしない場合に、裁判所が資力などを考えて、5年を超えない範囲で分割払いを定めて支払いを命じる「和解に代わる決定」があります(民事訴訟法275条の2)。使うかどうかは裁判所の判断で、原告の意見も聞いて決まります。分割になると決まっているわけではないので、払える額の根拠を準備します。

金額や請求の一部を争う場合は、次のように書きます。

文例:「1 原告の請求のうち、元金○円を超える部分は争います。2 被告は、○年○月○日に○円を返済しており、この返済が請求の計算に反映されていません。」

時効を検討する場合。 最後の返済から長い年月がたっているときは、時効の主張を考える場面があります。債権は、権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年で時効消滅しますが(民法166条1項)、時効は当事者が援用しなければ裁判所は考慮しません(同法145条)。古い契約は旧法の期間が適用される場合もあり、過去の裁判で確定している場合は10年になります。時効が成立するかの判断は、書類を見ないとできません。確かめる項目は借金の時効が成立しているか確かめる項目|最後の返済日と裁判にあります。カード債権の時効はクレジットカードの滞納の時効|カード会社や債権回収会社からの請求も読んでください。

期日に出られないとき、欠席したとき

最初の期日に出頭しなくても、出した答弁書の記載は述べたものとして扱われますが、答弁書もなく争う姿勢を示さないと、請求どおりの判決が出ることがあります(民事訴訟法158条・159条)。病気などで出頭できないときは、担当の書記官に連絡して相談します。仕事の都合だけでは、原則として期日は変更できません。 欠席した結果と判決後の2週間の動き方は借金の裁判を欠席したら?答弁書を出さずに放置したときの結果にくわしく書いています。

裁判の途中でも、話し合いで和解できます。和解調書は確定判決と同じ効力を持つので、約束を守れないと、差押えの申立てがありえます。

債務整理を考えているとき

訴状が届いたあとで、個人再生や自己破産、任意整理を考える人もいます。個人再生の場合、再生手続の開始の決定があると、再生債権に基づく強制執行は中止されます(民事再生法39条1項)。止まるのは申立ての時ではなく、開始決定の時です。そのため、期日までに間に合うかどうかを、依頼先に早めに伝える必要があります。債務整理の依頼中に訴えられた場合は、債務整理中に訴えられたら?裁判になる場合と事務所に伝えることを読んでください。カードローンでの裁判の流れはカードローンの返済滞納で裁判を起こされたら|答弁書と分割の話し合いにもあります。

請求額が60万円以下の場合は、少額訴訟の可能性があります。呼出状の表題と同封の説明書面を確かめ、少額訴訟を起こされたら|60万円以下の裁判の流れと答弁の準備も読んでください。弁護士や認定司法書士に頼む費用が不安なときは、借金が返せないとき法テラスでできること|無料相談と費用立替の流れで、無料相談や費用の立替の仕組みを確かめられます。

よくある質問

Q. 訴状が届いたら、裁判所に出向かなければなりませんか?

出頭が原則ですが、答弁書を出しておけば、最初の期日に欠席しても、答弁書の記載を述べたものとして扱われます(民事訴訟法158条)。ただし簡易裁判所では、2回目以降の期日にも同様の扱いがありうるため、争う内容は答弁書にまとめておきます。

Q. 訴状が届いたあとでも、債務整理はできますか?

できます。裁判の途中でも、弁護士や認定司法書士に依頼して債務整理を進めることがあります。その場合は、訴状が届いたことと期日を、最初の相談で伝えます。たとえば個人再生は、手続きの開始決定で強制執行が中止されますが、申立てだけでは止まりません。

Q. 訴状に書かれた金額が違っているときは、どうすればよいですか?

答弁書で、認める部分と争う部分を分けて書きます。自分の返済記録、明細、契約書の写しを証拠として持っていくと、争点が伝わります。内訳の判断が難しければ、書類を持って弁護士や認定司法書士に確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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