借金を滞納するとどうなる?翌日から数か月後までの流れと時期
この記事のもくじ
借金を滞納すると、まず翌日から遅延損害金がかかり、電話や督促状が届きます。数週間から1、2か月のうちに借入れやカードが止まることがあり、2〜3か月の遅れで信用情報に「異動」として記録され、契約の条項に従って残りの全額を一括で請求されます。その後は保証会社や債権回収会社からの請求、裁判所の手続き、給料や預金の差押えへと進みます。日数は契約と業者・信用情報機関で違うので、この記事では時期の目安と、自分の場合を確かめる場所をあわせて示します。
借金を滞納したときの流れを時系列表で見る
時期は一般的な目安です。左の列の日数どおりに進むとは限らないので、右の列で自分の契約を確かめてください。
| 時期の目安 | 起きること | 根拠・確かめる場所 |
|---|---|---|
| 返済日の翌日〜 | 遅延損害金がかかり始める。電話・SMS・メール・はがきや封書で連絡 | 契約書・規約の「遅延損害金」の条項。上限は利息制限法4条・7条 |
| 1〜2週間 | 督促状が届く。追加の借入れやカードの利用が止まることがある | 規約の「利用の停止」「会員資格の取消し」の条項 |
| 1〜2か月 | 信用情報の入金状況に、入金がなかった月が記録される | 信用情報機関の開示 |
| 2〜3か月 | 61日以上・3か月以上の遅れで信用情報に「異動」 | CIC・JICCの公表している基準 |
| 2〜3か月前後 | 期限の利益の喪失。残高と遅延損害金の一括請求 | 契約書の「期限の利益の喪失」の条項 |
| その後 | 保証会社の代位弁済、債権回収会社への譲渡・委託による請求 | 届いた通知の差出人と、契約書の保証の条項 |
| 数か月〜 | 支払督促・訴状が裁判所から届く | 裁判所の書類(特別送達の封筒) |
| 判決など確定後 | 給料・預金などの差押え | 裁判所の差押命令 |
- 横に時間軸(翌日/1〜2週間/1〜2か月/2〜3か月/数か月以降)
- 段ごとに「起きること」と「見る書類」(契約書の条項・信用情報の開示書・裁判所の書類)
- 2〜3か月の所に「一括請求」と「異動」、数か月以降に「支払督促・訴状」「差押え」を強調
- 欄外:日数は契約と機関で違う。返済日前の連絡と相談で段階を止められる時期を色で示す
返済日の前に連絡して払える日を伝えていれば、2行目以降に進む前に話がつくこともあります。連絡の仕方は借金の返済ができないときの業者への連絡の仕方と文例にまとめました。
翌日から1か月まで:遅延損害金と利用停止
返済日を1日でも過ぎると、遅延損害金がかかります。民法419条は、お金の支払いが遅れたときの損害賠償を定め、不可抗力でも責任を免れないとしています。業者が貸した借金の遅延損害金の上限は、利息制限法7条で年20%です。率は契約書の「遅延損害金」または「損害金」の欄で確かめます。
計算例(筆者の計算):残高50万円の全体に年20%の遅延損害金が30日かかった場合、50万円×20%÷365日×30日=約8,219円です。実際にどの金額に対して何日分かかるかは契約の定めで決まります。期限の利益を失って残高全体が請求の対象になると、遅延損害金も残高全体を元に計算されるので、一括請求の前と後では1日あたりの負担が大きく変わります。
この時期には、電話やSMSでの連絡と督促状が届きます。登録している貸金業者の取立てには決まりがあり、正当な理由のない午後9時から午前8時までの電話や訪問、勤務先への電話、家族など保証人でない人に代わりに払うよう求めることなどは、貸金業法21条1項で禁じられています。
追加の借入れやカードの利用が止まる時期は、規約の「利用の停止」の条項に従います。一括請求とは別の段階なので、利用が止まっただけなら、遅れた分を払えば元の返済を続けられることがあります。
2〜3か月:信用情報の異動と期限の利益の喪失
信用情報に「異動」と記録される
信用情報機関は、延滞の扱いをそれぞれ公表しています。
| 機関 | 延滞(異動)の扱い |
|---|---|
| CIC | 返済日から61日以上または3か月以上の支払いの遅れを「異動」と表示 |
| JICC(クレジット・金融機関等の情報) | 約定返済日から61日以上または3か月以上の遅れ |
| JICC(貸金業者からの借入れの情報) | 入金予定日から3か月以上入金がない場合を延滞として登録 |
CICでは、異動になる前も、毎月の入金状況が記号で24か月分表示され、入金がなかった月は「A」などと記録されます。JICCでは、2019年10月1日以降の契約の延滞解消の記録は、契約継続中と契約終了後5年以内の期間残ります(延滞が続いている間の記録は、延滞継続中の期間です)。どの機関に何が載るかは返済を滞納すると信用情報にいつ載るかの記事で詳しく説明しています。
期限の利益を失い、一括請求が来る
分割で返してよいという約束(期限の利益)は、契約書の「期限の利益の喪失」の条項に書かれた条件を満たすと失われます。民法137条にも破産手続開始の決定を受けたときなどの定めがありますが、借金の滞納では契約の条項で決まるのが中心です。条項には、1回でも遅れたら失うもの、一定期間を定めて書面で催告しても払わないときに失うものなど、契約によって違いがあります。
期限の利益を失うと、残っている元金と利息・遅延損害金を一括で払うよう求める書面が届きます。一括請求が届いた後の対応は消費者金融の滞納で一括請求が来たときの記事で説明しています。
その後:保証会社・債権回収会社と裁判所の手続き
一括請求に応じられないと、次のどれかに進みます。
- 保証会社の代位弁済:銀行カードローンなどで保証会社がついている場合、保証会社が銀行に代わりに払い、その後は保証会社から全額を請求されます。
- 債権回収会社への譲渡・委託:貸金業者が債権を譲った場合も、譲り受けた者に貸金業法の取立ての決まりが準用されます(貸金業法24条2項)。
- 裁判所の手続き:債権者は支払督促の申立てや訴えの提起をします。支払督促が届いてから2週間以内に異議を出さないと、債権者の申立てで仮執行宣言が付き、差押えができる状態に進みます(民事訴訟法386条・391条)。仮執行宣言付きの支払督促が届いた場合も、受け取った日から2週間以内なら異議を出せます(同法393条)。訴状が届いたら、呼出状に書かれた期限までに答弁書を出すか、期日に出頭します。
判決が確定するなどして権利が確定すると、その権利の時効は10年になります(民法169条)。裁判の流れと届く書類の見分け方は、借金が返せないと裁判になるかと届く書類の記事にまとめました。
差押えまで進む前にできること
判決や仮執行宣言付支払督促を得た債権者は、給料や預金の差押えを裁判所に申し立てられます。差押命令は本人や勤務先の言い分を聞かずに出され、本人と勤務先・銀行に送られます(民事執行法145条)。給料は支払期に受ける額の4分の3(その額が月33万円を超えるときは33万円)が差押え禁止とされ、債権者が勤務先から取り立てられるのは、本人に差押命令が届いてから4週間後です(同法152条・155条)。差押えの対象と流れは差し押さえとは何かと借金で差し押さえられるまでの流れで説明しています。
段階が進むほど、選べる手は少なくなります。滞納が始まったら、次のどれかに早めに動いてください。
- 返済日を過ぎたら、その日のうちに業者へ連絡して払える日を伝える
- 公的な窓口で、返済計画と債務整理が必要かを相談する(借金の相談窓口の番号・受付時間と選び方)
- 一括請求や裁判所の書類が届いたら、書類に書かれた期限の前に弁護士・司法書士に相談する
弁護士・司法書士が債務整理を引き受けて業者に通知を出した後は、貸金業者が正当な理由なく本人に電話や訪問で直接返済を求めることは貸金業法21条1項9号で禁じられています。ただし裁判の手続き自体を止める決まりではありません。
依頼先を選ぶときは、面談で事情を聞いてもらえるか、費用の総額を書面で示してもらえるかを確かめてください。返せないと分かった段階で最初にやることは借金が返せないときに最初にやる5つのことで順番に示しています。
よくある質問
Q. 滞納して何日たつと信用情報に「異動」と載りますか?
CICとJICC(クレジット・金融機関等の情報)は、返済日から61日以上または3か月以上の遅れを「異動」として扱うと公表しています。JICCの貸金業者からの借入れの情報では、入金予定日から3か月以上入金がない場合を延滞としています。銀行の借入れが載る全国銀行個人信用情報センターの記録は、同センターで開示して直接確かめてください。
Q. 滞納した分を後から全部払えば、元どおりになりますか?
遅れていた分を払えば、借入れの契約は続けられることがあります。ただ、一度期限の利益を失って一括請求に切り替わった後は、元の分割払いに戻すかどうかは業者の判断です。信用情報の延滞の記録も、払った後に「解消」などとして残る期間があります。
出典・参考にした公的な情報
- 利息制限法 第4条・第7条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法 第21条・第24条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 信用情報開示報告書 表示項目の説明(株式会社シー・アイ・シー)
- 登録情報と登録期間(株式会社日本信用情報機構(JICC))
- 民事訴訟法 第382条〜第396条(支払督促。386条・391条・393条)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民事執行法 第145条・第152条・第155条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民法 第137条・第169条・第419条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。