借金で鬱になりそうなとき|眠れない・つらいときの心の相談先
借金のことで眠れない、食べられない、何をしても楽しくない日が続いているなら、借金の整理より先に、心と体の手当てを始めて構いません。気分の落ち込みや不眠などうつ病のサイン9項目のうち5つ以上(1番か2番を含む)が2週間以上続くときは、専門家に相談するよう厚生労働省のサイトも勧めています。そのあいだ、借金の対応は最小限に絞って、公的な窓口と代理人に分けて持ってもらえます。この記事では、心の相談先、受診の目安、通院の医療費と休職中の収入の支え、体調を優先して借金を整理する順番を示します。
借金で「死にたい」「消えたい」と思う日があるなら、**#いのちSOS(0120-061-338、毎日24時間)**に先に電話してください。ほかの窓口は借金で死にたいと思ったとき|24時間つながる相談先と最初の一歩にまとめています。心の不調そのものの相談は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)が受けています。通話料がかかり、受付の曜日と時間は都道府県で違います。
眠れない・つらい状態が続くときの受診の目安
厚生労働省の「こころもメンテしよう」は、うつ病のサインとして、次の9項目を挙げています。
- 悲しさや憂うつな気分が一日中続く
- 以前好きだったことに興味がわかず、何をしても楽しくない
- 食欲が減る、または増える
- 眠れない、または寝すぎる
- イライラしやすく、怒りっぽくなる
- 疲れやすく、何もやる気になれない
- 自分に価値がないように感じる
- 集中できない、物事を決められない
- 死にたい、消えてしまいたい、いなくなったほうがよいと思う
同サイトは、このうち5つ以上(1番か2番を含む)が2週間以上続いていたら、専門家に相談することをお勧めしています。このページは主に若者向けですが、症状は、最初は体のだるさ、頭痛・めまい、ひきこもりのような、体の不調や行動の変化として出ることが多いとも書かれています。これは目安で、診断ではありません。当てはまる数が少なくても、借金のことで日常生活に支障が出ているなら、受診してよい段階です。
受診先は、精神科や心療内科です。初診では、次の3つを伝えると診察が進みます。
- いつごろから、どんな症状が続いているか(眠れない、食べられない、など)
- きっかけとして、借金や返済の悩みがあること
- 仕事や家事で困っていること
借金の額まで話す必要はありません。「返済のことが頭から離れない」という一言で、治療に必要な情報として伝わります。
通院の医療費と、休んだときの収入の支え
受診を迷う理由に、お金の不安があります。使える仕組みが2つあります。
自立支援医療(精神通院医療):精神疾患で、通院による治療を続ける必要がある人の医療費の自己負担を軽くする制度です。うつ病などの気分障害も対象に含まれます。厚生労働省の説明では、医療保険で3割の自己負担を1割に軽減します。世帯の所得に応じて、1か月の負担の上限額も決まります。世帯の市町村民税が235,000円以上だと、原則として対象外です(重度かつ継続の対象者は別の扱い)。申請は市町村の担当窓口で行い、医師の診断書などを添えます。受給者証の有効期間は原則1年で、更新が要ります。対象は「指定自立支援医療機関」での外来、投薬、デイ・ケアなどで、入院費や、病院以外でのカウンセリングは対象外です。通院している医療機関が指定を受けているかは、先に医療機関に聞いてください。
傷病手当金:会社員などが、病気やけがで仕事に就けず給与が出ないときに、健康保険から出る手当です。協会けんぽの案内では、連続する3日間(待期)を含めて4日以上仕事に就けなかったとき、4日目から支給されます。支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月です。1日あたりの額は、直近12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2が目安です。協会けんぽの計算例では、平均が17万円なら1日あたり3,780円です。任意継続の被保険者の期間に発症した病気は対象外で、勤務先の健康保険の種類によっても扱いが違うので、加入先に確かめてください。
体調を優先しながら借金を整理する順番
具合が悪いときは、借金の対応を一度に進めようとしないことが大切です。次の順に、1つずつ進めます。
- 期限のあるものだけ拾う:裁判所からの書類、差押えの通知、支払日が迫っている請求だけを先に確かめる。それ以外は後回しにしてよい。書類の見分け方は借金が返せないと裁判になる?訴えられるまでの流れと届く書類で説明しています。
- 新しい借入れと大きな支払いの判断を休む:気分が沈んでいるときの判断は、あとで後悔しやすくなります。借り換えや一括返済は、落ち着いてから考えます。
- 返済の窓口を一本にできるか相談する:弁護士・司法書士に債務の処理を依頼し、その旨が弁護士等から書面で貸金業者に通知されたあと、本人が直接要求しないよう求めたのに、なお電話や訪問などで返済を求めることは、貸金業法21条1項9号で禁じられています。電話に出るのがつらい人にとって、負担を減らす手段になります。
- 一人で窓口へ行けなければ、支援員に頼る:自治体の自立相談支援機関では、家計の見直しなどを支援員と一緒に進められます。生活費が足りない人は生活費が足りないときの公的な相談先|家計改善支援と住居確保給付金を見てください。
- 体調が上向いてから、手続きを選ぶ:任意整理、個人再生、自己破産のどれが合うかは、収入や借金の額で変わります。体調に合わせた進め方はうつ病で借金が返せないときの債務整理|体調に合わせた進め方で説明しています。
| 体調の段階 | 借金でやること | 控えたいこと |
|---|---|---|
| 眠れない日が続く | 期限のある書類だけ確かめる。心の相談先に電話する | 新しい借入れ、借り換えの判断 |
| 受診して治療が始まった | 業者に事情を伝える、または代理人に依頼する | 返済のために無理に働く時間を増やす |
| 少し落ち着いた | 借入先と残高の一覧を作り、手続きを選ぶ | 一人で全部を決めること |
業者や相談先に伝えるときの文例
体調を理由に返済が難しいときは、支払日の前に連絡します。電話が苦手なら、書面やメールで伝える方法もあります。詳しい伝え方は借金の返済ができないときの業者への連絡の仕方と伝える文例にあります。
文例(業者へ):「体調を崩して通院しています。今月の返済が難しいため、今後の支払いについて相談したいです。連絡はこの番号に、○時以降にお願いします」
病気で働けない期間の返済や、使える給付は病気で借金が返せないとき|使える給付と返済の相談の仕方で整理しています。気持ちの整理から始めたい人は、借金が苦しい・首が回らないと感じたときに紙に書き出す整理の仕方も使えます。
よくある質問
Q. 借金のストレスで眠れないだけでも、病院に行ってよいですか?
行ってかまいません。厚生労働省のサイトは、気分の落ち込みや眠れない状態などのサイン9項目のうち5つ以上(1番か2番を含む)が2週間以上続くときに、専門家へ相談するよう勧めています。当てはまる数が少なくても、日常生活に支障が出ているなら受診してよい段階です。診断がつくかどうかは受診してみないと分かりませんが、眠れない状態への対処は、診察室で相談できます。借金があることも、そのまま話して構いません。
Q. 病院に行く気力も時間もないときは、どうすればよいですか?
まず電話かチャットで話せる窓口に連絡し、受診の準備は後からで構いません。厚生労働省のサイトによると、うつ病は体のだるさや頭痛のような体の不調から始まることも多いので、体の不調を診てもらえるかかりつけの医療機関に、眠れないことだけ伝える方法もあります。
Q. 働けなくなったら、借金の返済はどうなりますか?
収入が下がっても、借金の返済義務は自動では止まりません。支払日の前に借入先へ事情を伝える方法と、弁護士・司法書士に依頼して督促の窓口を一本にする方法があります。傷病手当金のような休業中の収入の支えもあるので、受診と並行して確かめてください。
出典・参考にした公的な情報
- まもろうよ こころ(電話・SNSの相談窓口)(厚生労働省)
- うつ病|こころもメンテしよう(若者を支えるメンタルヘルスサイト)(厚生労働省)
- 自立支援医療(精神通院医療)について(厚生労働省)
- 傷病手当金(全国健康保険協会(協会けんぽ))
- 貸金業法 第21条(取立て行為の規制)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 生活困窮者自立支援制度(厚生労働省)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。