家族の借金と保証人・相続 / 手順

家族の借金を調べる方法|本人の同意が必要な開示と確かめ方

この記事のもくじ
  1. 家族の借金を調べられる人・調べられない人
  2. 手順1:本人に話して、調べることへの同意をもらう
  3. 手順2:郵便物・通帳・カード明細から借入先を探す
  4. 手順3:信用情報の開示で、一覧の漏れを埋める
  5. 本人が話してくれないとき・貸金業者から連絡が来たとき

家族の借金を調べるとき、いちばん確かな方法は信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)の開示ですが、これは申し込めるのが本人です。例外は、委任状つきの代理人と、本人が亡くなった場合の相続人です。代理人が申し込む場合も、本人から実印を押した委任状を預かる必要があり、結果は本人の住所に届きます。ですから現実の手順は、「本人に話して同意をもらい、手元の記録を一緒に集め、そのうえで開示を取る」の順になります。

家族の借金を調べられる人・調べられない人

信用情報の開示は、個人情報を本人に返す仕組みです。夫婦でも親子でも、本人の同意なしに家族が見られる仕組みはありません。CIC は、家族の借入状況は原則として確認できないと案内しています。申し込める人は、次の表のとおりです。

調べたい相手 申し込める人 主に必要なもの
成人の家族(本人が同意している) 本人。または本人から委任された代理人 委任状(本人の自筆・実印)、本人の印鑑登録証明書、本人と代理人の本人確認書類
未成年の子 親権者(法定代理人) 親子関係を示す戸籍など
成年後見人がついている家族 成年後見人(法定代理人) 後見登記事項証明書など
亡くなった家族 法定相続人など(機関ごとに範囲が違う) 死亡と相続人であることを示す戸籍、法定相続情報一覧図など

3機関とも、代理人が申し込んでも報告書は本人の住所に届く扱いです(JICC は本人の印鑑登録証明書に載った住所、全国銀行個人信用情報センターは本人の現住所)。同居の家族なら、郵便を受け取る場面で本人が気づきます。だからこそ、先に本人へ話すことが前提になります。

成年年齢は18歳です(民法4条)。子が18歳・19歳なら親は法定代理人ではないので、未成年のときのようには申し込めません。ネット開示は本人のマイナンバーカードと本人確認の操作が要るため、本人に操作してもらうのが実際的です。

家族の借金を調べる順番
  1. 本人に話し、調べることへの同意をもらう(責めずに、全体を知りたいと伝える)
  2. 手元の記録から借入先を拾う(郵便物・通帳・カード明細・メール)
  3. 借入一覧を作る(会社名・種類・残高・毎月の返済額・延滞の有無)
  4. 信用情報を開示して、一覧の漏れを埋める(本人が申し込む。委任する場合は実印の委任状)
  5. 分かった借入先の取引履歴・契約書面で残高を確かめ、相談先へ持っていく

手順1:本人に話して、調べることへの同意をもらう

最初の一歩は、本人に「借金の全体を知りたい」と伝えることです。責める言い方になると、本人は一部しか話さなくなります。何社から、いくら借りているかを聞くのが目的です。質問の基本の8項目は家族の借金は払う義務がある?発覚したときの確認と本人を相談につなぐ手順のリストを使い、ここでは調べる手順に必要な点だけを足します。

  1. 借りている会社の名前(カードローン、消費者金融、クレジットカードのリボ・キャッシング、銀行、奨学金、個人からの借入)
  2. 家族に連絡が来る可能性のある会社(保証人、連絡先に家族を書いた会社)があるか

文例:「責めるつもりはなくて、全体を知らないと何も決められないから聞かせてほしい。分かる範囲で、会社の名前と毎月の返済額だけでも教えてくれる?」

文例:「信用情報というところに、借りている会社の一覧が載っていると聞いた。自分で取り寄せるのが難しければ、一緒に手続きするよ。」

聞き取ったら、その場で紙に書き出します。本人の記憶と、あとで集める資料が食い違う部分は、確かめる項目に印を付けます。夫婦の借金の責任の考え方は夫婦の借金は連帯責任?日常家事債務の範囲で、話し合いの全体像は家族の借金は払う義務がある?発覚したときの確認と本人を相談につなぐ手順で説明しています。

手順2:郵便物・通帳・カード明細から借入先を探す

本人の同意を得たら、一緒に手元の記録を見ていきます。見る場所は次のとおりです。

  • 郵便物:督促状、返済予定表、利用明細、契約内容の通知。債権回収会社の名前で届いていることもあります。
  • 通帳・ネットバンキング:毎月同じ日に引き落とされる会社名。カード会社名の引き落としの中に、リボ払いやキャッシングが入っていることがあります。
  • クレジットカードの会員サイト・明細:「リボ」「キャッシング」「分割」の行。
  • メール・スマホのアプリ:ローンや後払いのアプリ、利用明細のメール。本人の端末は本人に操作してもらいます。
  • 財布やカード入れ:使っていないローンカードやキャッシング機能付きのカード。

進めるときの注意が2つあります。ひとつは、本人に無断で郵便を開けないことです。封がしてある信書を正当な理由なく開けた者は、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金に処すると刑法133条が定めています。もうひとつは、本人のIDとパスワードで会員サイトに入らないことです。家族でも、本人の了解なくログインすれば、信頼を大きく損ないます。

見つかった会社は「候補」です。完済したつもりでも残高があったり、債権が別の会社に移っていたりします。会社名・借りた日・残高・毎月の返済額・延滞の有無を表にしておくと、相談の場でそのまま使えます(借金の相談に持っていく書類と準備)。

手順3:信用情報の開示で、一覧の漏れを埋める

郵便物や通帳に出てこない借入は、信用情報の開示で見つかることがあります。3つの機関は加盟する会社が違い、開示も機関ごとの申込みです。

機関 代理人による開示 報告書の届け先
CIC 郵送で、任意代理人(委任状・本人の印鑑登録証明書・双方の本人確認書類)を受け付け 本人の住所
JICC 郵送で、任意代理人(本人が全文を自筆し実印を押した委任状・本人の印鑑登録証明書・代理人用の申込書) 本人の印鑑登録証明書にある住所
全国銀行個人信用情報センター 郵送で、任意代理人(実印の委任状・本人の印鑑登録証明書。発行6か月以内の原本) 本人の現住所

代理で出すより、本人に自分の名前で申し込んでもらい、結果を一緒に見るほうが早く確実です。手数料、ネットと郵送の違い、いまの受付状況は日付つきで信用情報の開示のやり方にまとめています。受付方法の停止や発送の遅れは日付つきで書いてあるので、申し込む前に見てください。

開示で見る欄は、会社名、契約の種類、残高、返済状況、契約の終了の有無です。ただし、開示書に何も載っていなくても、借金がないとは言えません。載らないものを次に挙げます。

  • 家族・友人・知人からの借入、借用書のあるなしにかかわらず個人間のお金
  • 加盟していない会社の貸付け、ヤミ金
  • 口座振替の公共料金の延滞(CIC は登録されないと案内しています)、税金や保険料の滞納、家賃保証会社・携帯会社が独自に持つデータベースの情報
  • 昔に完済して、登録期間が過ぎた借入

これらは通帳の振込記録、LINEやメール、届いた通知から拾います。調べ方の全体は自分の借金を調べる方法に書いています。亡くなった家族の場合は、機関ごとの相続人の範囲が違うので親が死亡したら借金を調べる方法を読んでください。

本人が話してくれないとき・貸金業者から連絡が来たとき

本人が話さないとき、家族が決められるのは「自分がどう動くか」までです。次の順に進めます。

  1. 家族だけで相談する:金融庁のリーフレットは、ギャンブル等依存症が疑われる借金について、本人が回復の必要性を自覚するまで時間がかかるため家族だけでも専門の機関に相談できると案内しています。窓口では、本人をどう相談につなぐかを聞きます。一覧は借金の相談窓口の番号と受付時間に、夫の借金の場合の準備は夫の借金を相談できる窓口にあります。
  2. 家族の口座・カードを分ける:本人の借入と生活費の口座を混ぜない。
  3. 貸金業者から家族に連絡が来たとき:貸金業法21条1項7号は、債務者等以外の者に、債務者に代わって弁済するよう要求することを禁じています。保証人になっていない家族は、払う約束をしないでください。電話に出た場合は、会社名と担当者名、用件を書き留めて、本人に伝えます。くわしくは借金で家族に取り立てが来たらで説明しています。

本人が借りた覚えのない借入が見つかった場合は、名義を使われた可能性があります。その場合の対応は家族が勝手に自分名義で借金したらで説明しています。

成人した子供の借金を調べるときの親の動き方は子供の借金の相談|親が払う前に本人と一緒に確かめることにあります。

よくある質問

Q. 本人に黙って、家族の信用情報を調べることはできますか?

できる方法はありません。CIC は家族の借入状況を原則として確認できないと案内し、代理人による開示には本人が実印を押した委任状と印鑑登録証明書を求めます。報告書は代理人ではなく本人の住所に届くので、本人に知られないまま調べることはできません。

Q. 18歳や19歳の子の借金を、親が代わりに調べられますか?

成年年齢は18歳です(民法4条)。親が法定代理人として開示を申し込めるのは未成年の子の場合で、18歳以上の子は本人の委任が要ります。子が話してくれないときは、親も使える公的な相談窓口で、進め方を聞いてください。

Q. 本人が借金を話してくれないとき、家族は何ができますか?

家族だけでも相談できる公的な窓口があります(金融庁のリーフレットはギャンブル等依存症の借金の項でそう案内しています)。本人の借入先や金額は家族が代わりに決められないので、窓口では「本人をどう相談につなぐか」を聞きます。窓口の一覧は[借金の相談窓口の番号と受付時間](/shakkin-soudan-madoguchi/)にまとめています。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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