家族の借金と保証人・相続 / 悩み整理

子供の借金の相談|親が払う前に本人と一緒に確かめること

この記事のもくじ
  1. 成人した子供の借金を親が払う義務はあるか
  2. 払う前に、本人と一緒に確かめる4つのこと
  3. 相談先に同行する:窓口の選び方
  4. 未成年の子供が契約した借金の考え方

成人した子供に借金があっても、親が返す法律上の義務は原則ありません。借金の返済義務を負うのは、お金を借りる契約をした本人です。親が保証人や連帯保証人になっていない限り、請求が親に向かう根拠もありません。払うかどうかを決める前にすることは、金額と借入先の全体を本人と一緒に確かめ、公的な窓口や弁護士・司法書士への相談に同行することです。

成人した子供の借金を親が払う義務はあるか

民法は、直系血族の間に互いの扶養義務があると定めています(877条1項)。ただし扶養は生活を支える義務の話で、子供が結んだ借金契約の返済とは別の問題です。「親子だから払うのが当然」と考える必要はありません。

親に支払いの義務が生じるのは、次のような場合です。

場面 親が負う責任
親が保証人・連帯保証人になっている 子供が払えないとき、保証人として請求されます。仕組みは連帯保証人とは?保証人との違いと借金を代わりに払う範囲で確認できます
子供が亡くなった 子供に子(親から見て孫)がいないとき、親が相続人になります(889条1項1号。配偶者がいれば配偶者とともに)。相続を知った時から3か月以内に、放棄などを選ぶ必要があります(915条1項)
親が自分の意思で肩代わりする 義務ではなく親の選択です。贈与とみなされる税の問題や、借金の繰り返しの心配があります(借金を親が肩代わりする前に|贈与税と繰り返しを防ぐ条件)

業者から「親に払ってもらう」と迫られたときも、貸金業者は、債務者以外の人に代わって払うよう要求することを禁じられています(貸金業法21条1項7号)。禁止行為の一覧は取り立てが怖いとき|法律で禁止されている取立てと連絡先の一覧にあります。この規定は貸金業者に向けたもので、個人間の貸し借りや家賃の請求にそのまま当てはまるわけではありません。

払う前に、本人と一緒に確かめる4つのこと

肩代わりを考える親は、子供の話を聞いた時点で全額が分かっていないことが多いものです。先に金額を出すと、払うか相談するかの判断が変わります。

  1. 借入一覧を作る。 本人に書き出してもらい、親が横で確認します。借入先、借りた時期、残高、年利、毎月の返済額、延滞の有無を1行ずつ書きます。
  2. 根拠の書類をそろえる。 契約書、アプリの利用明細、届いた督促状、通帳の引き落とし記録です。督促状の見分け方や期限は、書類ごとに確かめます。
  3. 使い道と借入の経緯を聞く。 生活費の不足、浪費、ギャンブル、事業、誰かに頼まれての借入など、原因によって次の相談先が変わります。
  4. SNSや個人間のお金のやりとりがないか聞く。 見知らぬ相手から借りていた場合は、ヤミ金(ヤミ金融)の疑いがあります。本人だけで連絡を取り続けず、闇金の被害は警察に相談できる?連絡が来たときの対応と相談先を先に読みます。
借入一覧の書き方(親子で一緒に作る表)
借入先 借りた時期 残高 年利 毎月の返済額 延滞 書類
例:カード会社A 年月 円 % 円 あり/なし 契約書・明細
例:消費者金融B 年月 円 % 円 あり/なし 契約書・明細

信用情報機関に登録された借入は、本人が開示を申し込めば確かめられます。開示は本人の同意がなければ受けられないので、親が黙って調べることはできません。手順は家族の借金を調べる方法|本人の同意が必要な開示と確かめ方にまとめています。

親が叱ったり、問いただしたりする話し方は、本人が隠す原因になります。最初の話し合いでは「いくらあるのか、一緒に紙に書きたい」と伝え、返済の責任を押しつけない姿勢を示します。

文例:「責めたいわけではなくて、全体の金額を知りたい。今日は借りている先と残高を書き出して、そのあと相談できる窓口を一緒に探そう。」

相談先に同行する:窓口の選び方

本人が一人では動けないとき、親は相談の予約や同行を手伝えます。借金の相談そのものは本人の事情を話す場なので、本人の同意を得て同席します。

相談に行く日の前に、次のものをそろえておくと、話が早く進みます。

  • 作成した借入一覧と、契約書・明細・督促状
  • 本人の本人確認書類と、収入が分かる書類(給与明細、年金通知など)
  • 毎月の収入と支出を書いた家計のメモ(家賃、食費、通信費、各社への返済額)
  • 本人が話したいこと・聞きたいことを書いたメモ

窓口の番号と受付時間は、借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間と選び方にまとめています。

弁護士や司法書士への依頼を選ぶ場合は、登録されている資格、面談の有無、費用の総額を書面で示してもらえるか、司法書士なら1社あたり140万円以下の債権という範囲があることを確かめます。違いは債務整理は弁護士と司法書士どっち?140万円の線と選ぶときの確認点に書いています。弁護士・司法書士が受任の通知を出すと、貸金業者が本人へ直接請求することは制限されます(貸金業法21条1項9号)。止まる範囲は債務整理の受任通知とは?督促が止まる仕組みと止まらない支払いで確認します。

未成年の子供が契約した借金の考え方

2026年現在、成年年齢は18歳です(民法4条)。18歳未満の子供が、親(法定代理人)の同意なく結んだ契約は、取り消せることがあります(民法5条1項・2項)。

  • 取り消せるのは未成年者本人か、その法定代理人である親です。18歳・19歳の契約は、未成年者としての取消しの対象になりません。
  • 親が目的を定めて使うことを許したお金(小遣いなど)は、その目的の範囲で未成年者が自由に使えます(民法5条3項)。
  • 年齢を偽るなど、行為能力者だと信じさせるために詐術を用いたときは、取り消せません(民法21条)。

契約を取り消せるかどうかは、契約の時期や状況で変わります。個別の判断は、消費者ホットライン188(近くの消費生活センターにつながります)や弁護士に聞きます。契約の控えと、子供が受け取った物・お金の記録は、相談の前に保管しておきます。

借金を繰り返す様子があるときは、肩代わりの前に原因を見ます。家族が借金を繰り返すとき|肩代わりをやめて相談につなぐ方法も参考になります。

よくある質問

Q. 子供が借金を返さないと、親の自宅に取り立てが来ますか?

貸金業者は、債務者以外の人に代わりに払うよう要求することを貸金業法21条1項7号で禁じられています。親が保証人になっていなければ、親に支払う義務はありません。電話や訪問で肩代わりを迫られたら、日時と言われた内容を記録して、消費生活センターや警察に伝えます。

Q. 子供に黙って、借金の有無を調べられますか?

信用情報機関の開示は、個人情報を本人に返す手続きです。成人した子供の分を、本人の同意なしに親が調べることはできません。本人の同意と委任状があれば代理人が申し込める機関もあります。借金があるか知りたいときは、本人に事情を話して、本人の手で開示してもらうか、一緒に届いた郵便物や明細を確かめます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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