お金を借りる前のチェックリスト|借りずに済む方法と危ない借り方
この記事のもくじ
お金を借りる前に確かめることは3つです。①毎月の返済額を今の手取りから出し続けられるか、②借りずに支払いを待ってもらう・公的な制度を使う手が残っていないか、③借りる相手が国や都道府県の登録を受けた業者か。この3つのどれかが「いいえ」なら、申し込みを止めて先に別の手を打つ方が、結果として出ていくお金は少なくなります。下のチェックリストを上から順に使ってください。
お金を借りる前のチェックリスト(申し込む前に全部に答える)
急いでいるときは判断が雑になります。次の10項目に「はい/いいえ」で答え、いいえが1つでもあれば、その行の右の「次にやること」を先に済ませてください。
| # | 確かめること | いいえのとき次にやること |
|---|---|---|
| 1 | 借りる理由(何に・いつまでに・いくら)を1行で書ける | 金額を「足りない額」まで削る |
| 2 | 支払先に期限や分割の相談をした | 家賃・税金・公共料金は先に支払先へ連絡する |
| 3 | 公的な給付・貸付を調べた | 下の「借りずに済む方法」を見る |
| 4 | 毎月の返済額を手取りから出せる(計算した) | 次の見出しの計算表で確かめる |
| 5 | 返し終わる月を言える | 返済回数と利息の合計を出す |
| 6 | 今の借入れの合計を全部書き出した | 借入先・残高・金利・毎月の額を一覧にする |
| 7 | 返済のための借入れではない | 借入先を増やさず、公的な窓口に相談する |
| 8 | 相手が登録を受けた貸金業者・銀行だと確かめた | 金融庁の検索サービスで業者名と登録番号を照合する |
| 9 | 金利と遅延損害金の率を契約前に見た | 契約書面の金利欄を読む |
| 10 | 「審査なし」「借金ではない」などの誘い文句がない | その相手には申し込まない |
6番の一覧づくりは、借金の返済計画の立て方と借入一覧の作り方で手順を書いています。7番に当てはまる人は、借りる前の段階ではなく返済の見直しの段階です。最後の見出しで相談先を案内します。
返せるかを数字で確かめる計算表
借りる前に、「返済回数」と「払う利息の合計」を出しておくと、借りる額を減らす判断がしやすくなります。利息制限法は、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%を上限とし、それを超える部分を無効にしています。貸金業者はこの上限を超える利息の契約をしてはならないと貸金業法12条の8で決められています。
次の表は、年18%で借り、毎月決まった額を返すと考えた場合の目安です(筆者の計算。月の利息を「残高×18%÷12」で出し、円未満を切り捨てて残高に足し、返済額を引く方法で繰り返した。実際の利息は日割りで計算され、返済方式も業者ごとに違う)。
| 借りる額 | 毎月の返済 | 返し終わるまで | 払う利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 1万円 | 11回 | 約9,200円 |
| 30万円 | 1万円 | 41回 | 約10万1,500円 |
| 30万円 | 1万5,000円 | 24回 | 約5万9,300円 |
30万円を月1万円ずつ返すと、3年半近く返済が続き、利息だけで10万円を超えます。同じ30万円でも、月の返済を1万5,000円にできれば期間も利息もおよそ半分になります。つまり「月々いくらなら払えるか」より先に、「手取りから毎月いくらなら無理なく出し続けられるか」を家計で確かめることが大事です。家計の数字の出し方は借金返済シミュレーションのやり方で詳しく説明しています。
日割りの感覚もつかんでおきます。10万円を年18%で借りると、1日あたりの利息は約49円、30日で約1,479円です(筆者の計算:10万円×18%÷365日)。「数日だけ借りる」つもりが返せずに月をまたぐと、この額が毎月積み上がります。
- 毎月の返済額:手取りから家賃・食費・光熱費を引いた残りの中に収まるか
- 返済回数:返し終わる月が、次の大きな出費(更新料・車検・学費)より前か
- 利息の合計:借りる額のうち、本当に必要な部分だけに絞ったときと比べる
借りずに済む方法:支払いを待ってもらう・公的な制度を使う
お金が足りない理由が「決まった支払い」なら、借りる前に支払先や公的な制度で時間を稼げる場合があります。利息がかからないので、借りるより負担は軽くなります。
- 税金:国税は、病気や事業の休廃止などで一度に納められないとき、申請により1年以内の範囲で納税の猶予を受けられ、分割で納める形もあります(国税通則法46条)。住民税など地方税は市区町村の納税の窓口で相談します。
- 家賃:離職・廃業から2年以内などの条件を満たす人は、住居確保給付金で家賃相当額を自治体から家主へ直接払ってもらえる制度があります。期間と要件は生活費が足りないときの公的な相談先で確かめられ、窓口は自立相談支援機関です。
- 生活費の一時的な不足:社会福祉協議会の生活福祉資金には「緊急小口資金」があり、10万円以内で無利子です。対象は低所得世帯などで、償還できる見込みも考慮して決まります。資金ごとの限度額や返し方はお金を借りるなら公的機関から?生活福祉資金の対象と窓口の表で確かめてください。
- 奨学金の返済:日本学生支援機構には、月々の返還額を減らす減額返還と、返還を待ってもらう返還期限猶予の制度があります。延滞する前に願い出ることを機構が勧めています。
- 国民年金保険料:収入が減ったときや失業したときは、保険料の免除・納付猶予の制度があります。申請先は市区町村の国民年金の窓口か年金事務所で、対象になるかは所得などで決まります。
公的な貸付の対象や窓口は公的機関からお金を借りる方法と生活福祉資金の窓口、家計全体の相談は生活費が足りないときの公的な相談先にまとめています。
文例(支払先への電話):「〇月分の支払いが期日までに全額は難しい状況です。〇日に〇円、残りを〇日までに払う形で相談できますか。」
払えない日と払える日・額を先に決めてから電話すると、話が早く進みます。
危ない借り方の見分け方(審査なし・SNS・現金化)
急いでいる人を狙う誘いは、言葉に特徴があります。次の表の左に当てはまる相手には申し込まないでください。
| 誘い文句・特徴 | 何が危ないか(金融庁の注意喚起などから) |
|---|---|
| 「審査なし」「ブラックOK」 | 登録業者は返済能力の調査が義務。審査をしないとうたう時点で無登録の疑いが強い |
| SNSで「お金貸します」と個人が書き込む | 個人を装ったヤミ金融が高い利息で貸し、個人情報を悪用するおそれ |
| 「給料を買い取る」「借金ではありません」 | 金融庁は、業として賃金債権を買い取って本人から回収する給与ファクタリングは貸金業に当たると示している |
| 「後払いで買ってレビューで現金」「ツケ払い現金化」 | 実態が貸付けならヤミ金融にあたるおそれ。払う代金と受け取る現金の差が大きい |
| 貸す前に「保証金」「手数料」を振り込ませる | 貸付けを装った詐欺の手口 |
| 登録番号がない・連絡先が携帯やSNSだけ | 登録業者かを確かめられない |
貸金業法は、登録を受けない者が貸金業を営むことも、その広告や勧誘をすることも禁じています(11条)。金融庁は、ヤミ金融を「登録を受けずに違法に貸金業を営む業者」と説明し、借りないよう呼びかけています。見分ける手順は闇金の見分け方と登録貸金業者か確かめる手順で画面の操作から説明しています。クレジットカードのショッピング枠を使った現金化も、借金を増やす使い方です。理由はクレジットカードの現金化が危ない理由にまとめました。
すでにこうした相手と連絡を取ってしまい、脅されている・家族や勤務先に連絡すると言われている場合は、借りる・返すの話より身の安全が先です。闇金の被害の相談先と連絡が来たときの対応を開いてください。
借りると決めたときに確かめること/すでに返済がきついとき
チェックリストを通っても借りると決めた場合は、契約前に次の点を確かめます。
- 借入れの合計と年収:貸金業者からの借入れは、全社の合計が年収の3分の1を超える新たな貸付けが原則として禁じられています(総量規制。貸金業法13条の2)。金融庁のQ&Aの例では、年収300万円なら貸金業者からの借入れは合計100万円までです。仕組みは借金の総量規制と年収の3分の1を超えたときに起きることで説明しています。
- 金利の欄:利息の年率と、遅れたときの遅延損害金の年率を契約書面で読む。
- 返す日と方法:引き落とし口座の残高が足りる日に設定する。
- 借りる額:上の計算表で「必要な分だけ」に削った額にする。
一方、チェックリストの7番(返済のための借入れ)に当てはまった人、毎月の返済が手取りの中で回らない人は、新しい借入れで乗り切る段階を過ぎています。借入先と残高を一覧にして、借金返済が苦しいときの全体図で自分の位置を確かめ、借金の公的な相談窓口と受付時間から無料の窓口を選んでください。収入がない状態で借りようとしている人は、無職でお金を借りるのは危険か、先に頼れる公的制度も読んでおくと、次の一手が見つけやすくなります。
よくある質問
Q. 即日でお金を借りたいとき、どこを見て申し込み先を確かめればよいですか?
急いでいるときほど、申し込む前に金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで、業者名と登録番号が一致するかを確かめます。広告に登録番号がない、番号が検索で出てこない、連絡先が携帯電話やSNSだけ、という相手には申し込まないでください。急ぎの理由が家賃や公共料金の支払いなら、先に支払先へ期限の相談をする方が、利息がかからない分だけ負担は軽くなります。
Q. お金を借りるアプリやSNSで「審査なし」と書いてあるものは使ってよいですか?
登録を受けた貸金業者は、法律で返済能力の調査をすることになっているので、「審査なし」で貸すことは本来ありません。金融庁は、SNSで個人を装って貸すヤミ金融や、「借金ではありません」とうたう給与ファクタリング・後払い現金化に注意を呼びかけています。こうした誘いには連絡しないのが身を守る第一歩です。
Q. すでに借りている分の返済のために、別の所からお金を借りてもいいですか?
返済のための借入れが続くと、利息の分だけ借金の総額が増えていきます。借りて返す状態になっているなら、借入先を増やす前に、借金の全体を整理して相談先に持っていく段階です。財務局や消費生活センターなど公的な窓口は無料で相談でき、返済の見直しや債務整理を含めて選択肢を一緒に整理してくれます。
出典・参考にした公的な情報
- 貸金業法 第11条・第12条の8・第13条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 利息制限法 第1条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 貸金業法Q&A(総量規制・ヤミ金融)(金融庁)
- 登録貸金業者情報検索サービスの案内(金融庁)
- SNS等を利用した個人間融資にご注意ください(金融庁)
- 給与ファクタリングにご注意ください(金融庁)
- 後払い(ツケ払い)現金化にご注意ください(金融庁)
- 生活福祉資金の貸付条件等一覧(厚生労働省)
- 国税通則法 第46条(納税の猶予)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 住居確保給付金(厚生労働省)
- 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度(日本年金機構)
- 返還が困難なとき(減額返還・返還期限猶予)(日本学生支援機構)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。