債務整理の全体と選び方 / Q&A

債務整理中や後に借入できる?借りられない期間と借りる前の注意点

この記事のもくじ
  1. 債務整理の後に借入しにくい期間の目安
  2. 手続き中に借りると起きること
  3. 「借りられる」とうたう業者がヤミ金である危険
  4. 借りる代わりに頼れる公的な貸付と相談先

債務整理の後や手続きの途中で、正規の業者から新しく借入できる見込みは低いと考えておくのが現実的です。債務整理をすると信用情報機関に記録が残り、その間は銀行・消費者金融・カード会社の審査に通りにくくなります。その時期に「ブラックでも借りられる」とうたって近づいてくるのは、登録のないヤミ金(ヤミ金融)であることが多く、借りると状況はさらに悪くなります。お金が足りなくなったら、借りる前に依頼先の弁護士・司法書士と、公的な貸付や生活の相談の窓口に相談するのが順番です。

今、お金が足りずに追い詰められているとき、また、ヤミ金に連絡しかけているときは、借りる前に次の窓口へ相談してください。

早見表:借りる前に連絡する窓口
状況 先に相談する窓口
今月の生活費が足りない 市区町村の自立相談支援機関、社会福祉協議会(生活費が足りないときの公的な相談先)
借金全体の相談先が分からない 借金の相談窓口はどこ?公的な窓口の番号・受付時間
ヤミ金から連絡が来た、手を出しかけている 闇金の被害は警察に相談できる?連絡が来たときの対応と相談先
費用や返済が苦しく、依頼先がある 依頼先の弁護士・司法書士

体調がつらくて返済も考えられないときは、うつ病で借金が返せないときの債務整理も読んでください。

債務整理の後に借入しにくい期間の目安

借入の審査では、申込先の会社が信用情報機関に照会して、過去の返済の状況を確かめます。債務整理の記録がどれだけ残るかは、機関と契約日で違います。

記録が残る期間は、CICは契約終了後5年間、JICCは2019年10月1日以降の契約で契約継続中と契約終了後5年以内、全国銀行個人信用情報センターは契約終了日から5年を超えない期間(官報に載った破産・民事再生の開始決定は決定日から7年を超えない期間)です。機関別の一覧は債務整理の後の生活はどうなる?変わることと変わらないことにもあります。

起点が「契約終了」になっている点が大切です。任意整理で和解した後、分割で返している間は契約が続いているので、記録は返し終えるまで残り、そこから5年の期間が始まります。期間の数え方の詳しい早見表はブラックリストの期間の早見表|延滞・債務整理・破産ごとの年数にまとめています。

記録が消えた後も、審査に通るかは各社が独自の基準で総合的に判断します。CIC と JICC は、信用情報機関は審査をしないので否決の理由は答えられない、と案内しています。自分の記録がいまどうなっているかは、開示で確かめられます。

手続き中に借りると起きること

債務整理の途中で借りることは、記録の問題とは別の理由で避けるべきです。

  • 任意整理:和解は「この返済額なら払える」という家計を前提にしています。新しい借金を増やすと和解どおりの返済が回らなくなり、依頼先が方針を立て直す必要が出ます。和解の前後で何が起きるかは任意整理中に新たな借り入れはできる?借りた場合に起きることでくわしく扱います。
  • 自己破産:破産法252条1項5号は、申立ての1年前から開始決定までに、返せない状態を知りながら、そうでないと信じさせるために偽って信用取引で財産を得たことを、免責を許可しない事由に挙げています。手続き中の借入は、免責の判断にかかわるおそれがあります。
  • 個人再生:再生計画どおりに数年間返し続けることが前提です。返済の途中で借金が増えると、計画の返済が続けられなくなるおそれがあります。

どの手続きでも、依頼先に黙って借りるのがいちばん危険です。急な出費が出たら、まず依頼先に「いくら、いつまでに、何のために必要か」を伝えてください。費用の積立や分割の時期を調整してもらえることがあります。

文例(依頼先へ):「来月、子どもの学校の費用で5万円が必要になりました。返済や費用の積立が苦しく、借りるしかないかと考えています。借りる前に相談したいので、借りずに済む方法がないか一緒に考えてもらえますか。」

「借りられる」とうたう業者がヤミ金である危険

信用情報に記録がある人を狙って、「審査なし」「ブラックOK」「債務整理中でも可」とうたう広告や SNS の書き込みがあります。金融庁は、SNS などで個人を装って違法な高金利で貸し、個人情報を悪用するおそれがある「個人間融資」に注意するよう呼びかけています。個人でも、繰り返し貸す意思で貸付けをすれば貸金業にあたり、登録が要ります。

貸金業を営むには財務局か都道府県の登録が必要で(貸金業法3条)、無登録の営業は10年以下の拘禁刑などの罰則の対象です(同法11条・47条)。借りる前に、次のどれかに当てはまったら手を止めます。

  • 登録番号が書かれていない、または金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで見つからない
  • 連絡手段が SNS・メッセージアプリ・携帯電話だけ
  • 「借金ではありません」と言いながら、給料の買取り(給与ファクタリング)などの名目で現金を渡す
  • 貸す前に手数料・保証金を振り込むよう求める
  • 家族や勤務先の連絡先、顔写真、身分証の画像を求める

金融庁は、登録を受けていない者が「給与ファクタリング」などと称して違法な貸付けを行う事案が起きているとして、注意を呼びかけています。見分け方はブラックリストでも融資しますは危ない|審査なしをうたう業者の見分け方、すでに借りてしまったときは闇金の被害は警察に相談できる?連絡が来たときの対応と相談先を読んでください。

記録が消えて正規の業者から借りられるようになっても、貸金業者からの借入は年収の3分の1までという総量規制があります(貸金業法13条の2)。

借りる代わりに頼れる公的な貸付と相談先

民間で借りにくい時期にお金が足りないときは、次の順で当たります。

  1. 自立相談支援機関:市区町村ごとにある生活困窮者自立支援制度の窓口です。家計の見直し(家計改善支援)、家賃の補助(住居確保給付金)、貸付けのあっせんまで、一人ひとりの事情に合わせて支援を考えます。内容は生活費が足りないときの公的な相談先|家計改善支援と住居確保給付金にあります。
  2. 生活福祉資金貸付制度:市区町村の社会福祉協議会が申込みの窓口です。低所得の世帯・障害者のいる世帯・65歳以上の高齢者がいる世帯が対象で、連帯保証人を立てれば無利子、立てなければ年1.5%。緊急小口資金と教育支援資金は無利子です。返せる見込みも見て貸付けが決まるので、債務整理中であることも含めて正直に事情を話します。教育費が必要なときは債務整理後に教育ローンは組める?子どもの進学費用の準備の仕方も参考になります。資金の種類と限度額はお金を借りるなら公的機関から?生活福祉資金の対象と窓口で比べています。
  3. 依頼先の弁護士・司法書士:手続きの費用の払い方や、和解の返済額を見直せないかを相談します。

借りる以外の方法で足りない月を乗り切れれば、手続きをやり直さずに済みます。前の記事の債務整理で口座凍結される?凍結の理由と手続きの前にやることは手続きの前の準備を、次の官報とは?債務整理で官報に載る手続きと載らない手続きは記録が公に載るかを扱います。

よくある質問

Q. 債務整理の後、何年たてば借入できますか?

信用情報の記録が消えるまでの期間は機関と契約日で違い、CIC は契約終了後5年、JICC は2019年10月1日以降の契約なら契約終了後5年以内が目安です。記録が消えた後も、審査は各社が総合的に判断するので、借りられるかどうかは申し込む会社しだいです。

Q. 銀行なら、消費者金融より借りやすいですか?

銀行や信用金庫などは全国銀行個人信用情報センターに照会して審査します。同センターは、取引情報を契約終了日から5年を超えない期間持つほか、官報に載った破産・民事再生の開始決定を決定日から7年を超えない期間持つので、自己破産や個人再生の後は銀行のほうが記録の残る期間が長くなることがあります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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