個人再生と住宅・車のローン / 比較

個人再生のデメリット|失うもの・手続きの負担・家族への影響

この記事のもくじ
  1. 個人再生のデメリット一覧|何が起きて、どう確かめるか
  2. 信用情報|どの機関に何年残るか
  3. 手続きの負担|資料の提出と、計画どおり返し続けること
  4. 保証人・家族・車・家への影響
  5. 自己破産・任意整理と比べると

個人再生のデメリットは、大きく4つあります。官報に載り信用情報に記録が残ること、家計の資料の提出や3年以上の返済を続ける手続きの負担、保証人への請求や税金など減らない債務が残ること、ローンが残る車は引き揚げの対象になりうることです。一方で、自己破産のように財産を原則として手放す手続きではありません。この記事では、失うものと残る負担を一覧にして、自己破産・任意整理と比べた位置まで示します。

個人再生のデメリット一覧|何が起きて、どう確かめるか

項目 起きること 根拠 確かめる先
官報 手続きの公告が官報に載る 民事再生法10条 依頼先に載る時期を聞く
信用情報 機関と契約日により、数年にわたり記録が残る 各機関の公表 自分の開示報告書
返済の負担 認可の確定から原則3年、特別の事情で5年まで分割で返す 民事再生法229条2項 月の返済額を家計で試算する
手続きの負担 家計の資料・通帳・財産の資料を出す 裁判所の運用 申立先の裁判所の案内
計画外の返済 開始決定後は計画にない返済ができない 民事再生法85条1項 依頼先
保証人 保証人への請求は残る 民事再生法177条2項 保証契約の内容
減らない債務 税金、養育費、悪意の不法行為の賠償などは減らない 民事再生法122条・229条3項・232条2項 役所の窓口・依頼先
ローン中の車 ローン会社が引き揚げる場合がある 契約と担保の内容 ローン契約書・車検証
費用 裁判所の費用と依頼先の費用がかかる 民事再生法223条ほか 見積書
失敗 不認可・廃止になると借金は減らない 民事再生法174条・231条・237条 依頼先

表の項目を、影響が出やすい順に説明します。

信用情報|どの機関に何年残るか

個人再生をすると、信用情報機関に記録が残ります。ここでいう「ブラックリスト」は、そういう名簿があるわけではなく、信用情報機関に延滞や債務整理などの事実が登録されることを指す呼び方です。CIC と JICC はどちらも、その名前のリストはないと説明しています。審査に通るかどうかは、クレジット会社や銀行が自社の基準で総合的に決めます。

機関 個人再生に関わる記録 期間(公表のとおり)
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 官報に公告された民事再生の開始決定(官報情報) 決定日から7年を超えない期間
日本信用情報機構(JICC) 取引事実に関する情報(債務整理など)。2019年10月1日以降の契約は契約継続中および契約終了後5年以内、同年9月30日以前の契約は発生日から5年以内 左のとおり
シー・アイ・シー(CIC) 民事再生の申請そのもののコメントは登録しないと案内。延滞や代位弁済などの事実は登録元が登録する 契約期間中および契約終了後5年間

表のとおり、期間は機関と契約日で違います。KSC だけが官報に載った決定を独自に持ちます。残る期間は上限の目安です。自分の記録は、各機関で開示報告書を取れば見られます。開示の手順は信用情報の開示のやり方|CIC・JICC・KSCの申込み方法と手数料にまとめています。

使える金融サービスへの影響は、カードの審査や新しい借入れに出ます。再生計画の返済中は新しい借入れを控えるのが基本です。手続き後のカードは個人再生後のクレジットカード|作れるまでの期間と使える代わりで、携帯の分割契約は個人再生で携帯・スマホはどうなる?分割中の端末と新規契約で扱っています。

手続きの負担|資料の提出と、計画どおり返し続けること

個人再生は、申立てで終わりではありません。認可のために、収入と支出が分かる資料を出し、計画どおりに返せる見込みがあると裁判所に判断してもらう必要があります。

認可のあとも負担は続きます。開始決定のあとは、再生計画によらずに特定の借金だけを返すことはできません(民事再生法85条1項)。収入が減って計画の遂行が著しく難しくなったときは、期限を最長2年まで延ばす申立て(234条)や、すでに4分の3以上を返し終えているなどの条件を満たす場合の免責の申立て(235条)という制度があります。いずれも認められるかは裁判所の判断です。

保証人・家族・車・家への影響

保証人:再生計画は保証人に影響しません(民事再生法177条2項)。債権者は、計画で減った分を保証人に請求できます。保証人になってもらった家族や知人がいる借金は、入れる前に本人へ説明するのが現実的です。

家族:本人の借金が、保証人や連帯債務者でない家族の返済義務になることはありません。ただし、住宅ローンを夫婦や親子で組んでいる場合や、家族が保証人の借金がある場合は、扱いが変わります。名義と契約の確認を、依頼先に頼みます。

車:ローンが残っていて、車の所有権がローン会社などに残っている契約では、そのローンを手続きに入れると車を引き揚げられることがあります。完済した車は財産として清算価値に入ります。扱いは個人再生で車はどうなる?ローン中の車と完済した車で違う扱いにあります。

家:住宅資金特別条項を使えば、家を残せます。使えない家(別の担保が付いている家など)や、家を失うと見込まれる計画は認められません(198条1項・202条2項3号)。家を残す条件は個人再生で住宅ローンを払い続ける特則|家を残す条件と流れで見られます。

仕事:警備業法3条1号(警備員は14条1項で3条1号を引いています)や宅地建物取引業法18条1項2号(宅地建物取引士の登録)が制限の理由にするのは、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」です。この条文は、再生手続を挙げていません。ほかの資格や職業は法令ごとに違うため、就いている仕事の根拠を調べます。

自己破産・任意整理と比べると

デメリットの重さは、ほかの手続きと並べると分かりやすくなります。

比較表:個人再生・自己破産・任意整理で失うものの違い
失うもの・負担 任意整理 個人再生 自己破産
官報への公告 載らない 載る 載る
財産 手放さない 手放さないが、清算価値以上を返す 一定額を超える財産は換価される
資格の制限 法律上なし 警備業法などが挙げる制限には、再生手続は含まれない 手続中は欠格になる資格がある
保証人への請求 外せば行かない 行く 行く
税金などの支払い 対象外 減らない 免責されない
返済の続く期間 合意しだい(3年程度の和解が多い) 原則3年、最長5年 返済は残らないが、手続中の制限がある

比べると、個人再生のデメリットは「手続きの重さ」と「返済を続ける負担」に偏っています。財産を手放さず、資格の制限が少ない代わりに、収入が続くことが前提になります。収入が見込めないなら、自己破産が合う場面もあります。判断の材料は自己破産と個人再生の違い|家・仕事・返済額で選ぶ判断材料に、手続き全体のデメリットは債務整理のデメリットは?手続き別に失うものと影響の一覧にあります。

デメリットを知ったうえでも個人再生を考えるなら、弁護士に頼む選択肢もあります。見積書で報酬の内訳と総額を示してもらい、不利益の説明を面談で受けられるかを確かめて選びます。

前の記事の個人再生のメリット|家や財産を残せる条件と、デメリットとの分かれ目と合わせて読むと、判断しやすくなります。次に読むなら、返す額の下限を表で確かめられる個人再生の最低弁済額の早見表|借金額ごとの返済総額と計算の仕方が続きです。全体像は個人再生とは?いくら減るかの決まり方と家を残す条件・流れにあります。

よくある質問

Q. 個人再生をすると仕事に影響しますか?

警備業法3条1号(警備員は14条1項でこれを引いています)と宅地建物取引業法18条1項2号(宅地建物取引士の登録)は、制限の対象を「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」と定めていて、再生手続は挙げていません。仕事によって根拠の法令が違うため、就いている業種の法令と勤め先の規則を調べてください。

Q. 個人再生でクレジットカードはいつ作れますか?

記録が残る期間は機関と契約日で違い、最長で、全国銀行個人信用情報センターは官報情報を決定日から7年を超えない期間持ちます。作れるかどうかは各社の審査で決まり、期間が過ぎたからといって作れるとは限りません。機関ごとの期間は本文の表にあります。

Q. 個人再生に保証人がいる借金も入れられますか?

入れられます。ただし再生計画は保証人に影響しないため、債権者は計画で減った分を保証人に請求できます(民事再生法177条2項)。保証人がいる借金を入れるかどうかは、保証人への説明を含めて依頼先と話してください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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